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空色のうんち

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エッセイ、日記
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2019年1月の記事一覧

僕の右手で生き残った細菌はどんな気分だろう

僕の右手で生き残った細菌はどんな気分だろう

職場の入り口に、アルコール消毒液が置いてある。世に溢れる消毒液との差別化をはかるため、柿のエキスが入っている。なんで柿。

毎年流行の病にかかる僕だが、今年は無事だ。僕の身体は、健康に気付いたタイミングで不健康になる仕組みなので怖い。昨日は職場を出入りするたびに消毒に勤しんだ。

エタノールの、揮発するときのシュワーーーっという感じは好きだ。最近の毎日で刺激的なことといえばあの感覚くらい。

ひた

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しずかな電車に乗っていたんだ

しずかな電車に乗っていたんだ

移動するときは、たいていイヤホンをつけて音楽を聴いている。

家でも聴くけど、どちらかというと詞を書いたり録音したり、外に出す作業に時間を使っている。(ぼくはアウトプットという言葉がきらい)

一日のなかで、移動中が1番集中して聴ける。こころの中に入る。(ぼくはインプットという言葉が) これは定職についたおかげで気づけたことだ。

僕はトンチンカンのバカチンである。家を出る前にたいてい何かを探す。

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飛んでいけスペースシャトル

飛んでいけスペースシャトル

今日の夜は、宅録をしようと思っていた。2019年の2曲目。”デブリ”という曲。ちょうど詞を書いた日の日記があった。

デブリというのは、宇宙ゴミのことである。

バンドの新曲で、すでにアレンジもだいたい仕上がっているのだけれど、この歌を解釈するためにひとりで録音したかった。

しかし、疲れているのか、良いものを作ろうとするときの地獄に怯えてしまった。結局4小節ほどドラムを打ち込んで布団に潜り込む。

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青い冬

青い冬

1月14日、凡庸な冬の日。偶然、突発的に、なんの要因もなく、自分が成人した日のことを思い出した。

1992年生まれの方はピンとくる。大雪の成人の日。

成人式の二次会、中学生の頃大好きだった女の子を見つけて話しかけた。が、何から何まで煙に巻かれた。もういいやと酒を飲み続け、僕はそのまま煙になった。そこらへんで帰りたさそうにしていた友達を見つけて、一緒に大雪の中を歩いた。

寒さのせいで会話をする

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永遠の思春期がネット社会で息をするために

永遠の思春期がネット社会で息をするために

僕は多感だ。多感な年頃とはよく言うが、20代後半に差し掛かっても多感のままだ。

いまだに、夏が来る頃と夏の終わりに思春期が来ちゃう。

しっかりと感情の階段を登ってきたおとなたちにはバカにされるかもしれない。青くさいから。でも、僕はこの永遠と思えるほどに長い思春期のおかげで、創作ができる。幸せだ。

問題はだ。この社会は、多感なおとな少年にはたいへんなのだ。これからする話は、この時代になにかを創

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下手な鉄砲になりたい

下手な鉄砲になりたい

あけおめ。眠り棒ダョ。

年末年始休みはだいたい家に引きこもり、文字通りじっとしていた。いつものことだ。

大晦日のザワザワした感じが苦手である。なんか、一体感が怖い。カウントダウンの渋谷スクランブル交差点に僕を放り込むと、身体中の穴から液体を出しながら憤死するに違いない。来たる終焉のために血液をオレンジジュースにしておこう。ギャルが”マジウケる”と言ってくれるかもしれない。

そんな僕だけの恒例

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