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青い冬

1月14日、凡庸な冬の日。偶然、突発的に、なんの要因もなく、自分が成人した日のことを思い出した。

1992年生まれの方はピンとくる。大雪の成人の日。

成人式の二次会、中学生の頃大好きだった女の子を見つけて話しかけた。が、何から何まで煙に巻かれた。もういいやと酒を飲み続け、僕はそのまま煙になった。そこらへんで帰りたさそうにしていた友達を見つけて、一緒に大雪の中を歩いた。

寒さのせいで会話をする余裕がない。しかも、路面は凍結している。笑い事にするでもなく、2人、各自転んだ。僕は4回くらい転んだ。スッテン、無言、スッテン、”寒くね?”ツルリン、”じゃあね”

あれから6年。あのとき一緒に帰った友達は、結婚して過激な浮気をして離婚をして最近また結婚をした。たぶん、あの夜頭を打ったんだ。

僕はといえば、いまだに青春を引き延ばしている。今日もバンドでスタジオに入って、曲を作って、”なんて最高なんだろう”と思っていた。浮気をする暇なんてない。

あの頃と違うのは、こういう生き方をした方が僕のためになると気づいていることだ。いまこの瞬間、できるだけ元気に生きることが大切だ。僕のために賢く生きる。誰のことも目に入らない。

世界のはずれで恥ずかしそうに、ほそぼそと生きるつもりもない。僕は僕の魅力を最大限に発揮して、引き伸ばした青春を全うする。そうして死ぬ。

誰かと出会ったり、絵空事の余裕もないほどお金がなくなったり、病気になったり、これからもいろいろあるんだろう。

いいんだ。僕に作用するものは全部、引き伸ばした青春に乗っけてしまおう。そうしたら、焼いてみるか。ピザだ。食えたもんじゃないな。

ああ、今日も、なんて普通な一日だろう。またいい曲が作れるといいな。

「スキ」を押して頂いた方は僕が考えた適当おみくじを引けます。凶はでません。