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飛んでいけスペースシャトル

今日の夜は、宅録をしようと思っていた。2019年の2曲目。”デブリ”という曲。ちょうど詞を書いた日の日記があった。

デブリというのは、宇宙ゴミのことである。

バンドの新曲で、すでにアレンジもだいたい仕上がっているのだけれど、この歌を解釈するためにひとりで録音したかった。

しかし、疲れているのか、良いものを作ろうとするときの地獄に怯えてしまった。結局4小節ほどドラムを打ち込んで布団に潜り込む。

神さまは僕を問い詰める。

「おい、かずまくん、やる気が出るのを待っていたらすぐに寿命だぞ。こら、ツイッターを見るのをやめなさい。」

ごめんなさい。ごめんなさい。

そわそわしながら、僕のバンド、ボールプールの次のアルバムのことを考えた。

僕の脳内には地球とは別の惑星があって、そこに寂しそうな人たちがたくさん住んでいる。

ここ1年くらいは、彼らのことを歌にしている。

言い換えると、ここ1年で作った曲の”僕”は僕とはちょっと違うし、”君”も僕の知っている人ではない。

昨年末、ストーリーという曲を作った。メンバーに聴かせたところ、ギタリストのしんたろうくんが

“僕と君が歌詞に出てくるけど、三人称視点なのがいいですよね”

というようなことを言っていた。するどい。彼は以前違うバンドで作曲をしていたこともあり、”どう弾くか”の前に曲をしっかり解釈する。ゆえにステキなギターを弾く。

宇宙、何光年も遠くの惑星、果てしないものは本当にこの世界に存在している。その片隅で、ありきたりで切実な感情というやつが存在している。彼らはいつも寂しそう。

これすなわち、次のアルバムのテーマである。文章にしたら、より視界が澄んだ。書いてよかった。

僕は小さい頃、本気で宇宙飛行士になりたかった。身長と視力の問題で、この人生では叶わない夢。

大人になってもなんとなく諦めがつかないので、言葉とメロディを燃料にしてスペースシャトルを飛ばすことにした。誰だって乗れる宇宙船。

僕の文学は今そのためにある。



ps.サマートレーン、次のアルバムに入る曲です。ひとりで録音したデモ版ですがよかったら聴いてください。(Listen in browserをタップするとこの場で聴けます。)


「スキ」を押して頂いた方は僕が考えた適当おみくじを引けます。凶はでません。