山口周
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「将来なりたい仕事」を考えることの危険性
最近、どんな職業なら今後も安泰なのか、といった論点に関して、様々な人が分析・予測されていますね。
こういった人たちには大変申し訳ない言い方なのですが、これらの予測はまず間違いなく外れるので、そういった予測にあまり振り回されないようにした方がいいでしょう。
なぜそのように断言できるかというと、二十年後には、労働人口のかなりの比率が「いまは存在しない職業」に就くことになるからです。
米デューク大
クリティカル・ビジネスを生み出していくために
いよいよ新著の「クリティカル・ビジネス・パラダイム」の発売が明日に迫りました。
いつものことなのですが、僕が本を書くときは、実際に出版する本の1.5倍くらいの分量をいったん書き、仕上げる過程でそれを大幅に刈り込んでシャープにしていくということをします。
で、その刈り込んだ部分がどうなるかというと・・・一応は知的資産として講演やらコンサルティングで用いられるわけですが、やっぱりなかなかもったいな
外資系コンサルの知的生産術 その3
まずは求められるクオリティと使える時間を押さえるP:ターゲットとなる知的成果の受け手が明確化されたとして、次になにをやるか?
J:受け手が明確化されたのであれば、次に気になるのは、その人が何を知りたがっているか?という点ですかね。
P:うん、その通り。先ほど、僕らがやっているのは知的生産という生産活動にほかならない、という話をしたけど、その文脈で言えば知的成果に求められる品質ターゲットを設定す
外資系コンサルの知的生産術 対話篇 その2
顧客は誰か?P:「新しさ」と「深さ」を最初に考えるに当たって、最も重要な着眼点って何だと思う?
J:知的成果を受け取る相手、ですかね?
P:そうその通り。当たり前の話なんだけど、「新しい」とか「深い」とか、ということを判断するためには、当然のことながら「誰にとって」を決めることが必要になる。つまり、知的生産物を購入してくれる顧客ターゲットを決定するということだ。
J:確かに。
P:でも実際
外資系コンサルの知的生産術 対話篇 その1
10年前に出したこちらの本、お陰様でこの手の本としては異例のロングセーラになっております。
で、先ほどファイルをガサゴソと掘り返していたら、この本を書くにあたって作成した、プロトタイプの「対話篇」が出てきまして、これがなかなかに味わい深かったので、NOTEで少しずつ共有していきたいと思います。
結果的にこちらの対話篇はボツになり、通常の独白型になったのですが、読者の理解と歩調を合わせるというこ
サーバントリーダーシップの可能性
すでにいろんなところで言われていることですが、私たちの寿命は伸長しつづけており、近い将来に「寿命百年」という時代がやってくる可能性があります。
一方で、さまざまな環境変化要因によって、知的生産のパフォーマンスのピークが若年化する傾向も明らかとなっています。AI関連の人材の争奪戦は壮絶なことになっており、先日、米国の某企業が初任給に40万ドルを提示したことが話題になっていましたね。
しかし、こう
過剰に「正解」が供給される時代に何が価値になるのか?
ChatGPTの5がそろそろ出るそうですね。3から4にバージョンアップした時ははっきりとそれがわかるくらいにアウトプットの質が上がったので、また楽しみです。
しかし、こうなってくると、いよいよ「正解を出す能力」の労働市場における価値が激減していくことになります。
今日の日本では、いまだに「正解を出せる人=優秀な人」という人々のイメージは変わっていません。
カンファレンスなどで「優秀な人と聞い
足元にあるものを見つめる
スティーブ・ジョブズは日本に訪れた際、必ず京都を訪れていたと言われています。定宿にしていたのは俵屋で、坪庭をはじめとした旅館のしつらいに異様なほどの関心を示していたそうですが、中でも彼が惹きつけられたものの一つが「焼き物」でした。
下の写真は、スティーブ・ジョブズがアップルを放逐され、ピクサーの経営に専念していた際に、京都で個展を開催していた越中瀬戸焼の作家、釋永由紀夫さんの作品に感激し、オーダ