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【徹底解説】「メタバース」はオワコンなのか?複合技術で初めて真価を発揮する未来の現実世界

FacebookのCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏は近年の取材で、「メタバース」という言葉を強調してきました。

世界で29億人が使うSNSの王者Facebookが目指す先である「メタバース」とは何か、を今回は解説していきます。

(ニュース本文はこちら👇)


メタバースとは?

まずは、「メタバース」という言葉の意味を紹介します。

メタバースは、「超越した」、「高次の」を意味する「メタ」と宇宙を意味する「ユニバース」をつなげた合成語であり、SF作家・ニール・スティーヴンスンによる1992年の著作『スノウ・クラッシュ』の作中で登場するインターネット上の仮想世界を由来とします。

簡単に言うと、実社会のように生活することができるネット上の仮想空間です。

以前からメタバースを実現するための取り組みは行われていましたが、インターネットの普及とVRによる3D世界の実現により、近年、現実味が増してきている分野です。


メタバースは現実世界に置き換えられる


メタバースは現実世界と似た仮想世界です。ここでは、メタバースがどこまで現実世界に近づいているかを見ていきたいと思います。

まず、現実世界の構成要素を考えてみましょう。人が現実世界を認識する方法は「味覚・聴覚・視覚・触覚・嗅覚」の五感です。

このうち「視覚」と「聴覚」は早々に仮想世界で実現されました。テレビやスマホで体験する画面越しで体験する仮想世界から、近年はVRヘッドセットによる現実世界から遮断された完全な没入が可能になりました。現実という比較対象を失った仮想世界では、それが仮想世界であるという認識を無理やりしない限り、それが仮想世界なのか現実世界なのかを判断することはできません。

次に「嗅覚」は匂いを映像や音に合わせて出しわけるという単純な方法で再現できるでしょう。ただ、それをどこから出すのかということを考えると小型化が必要な気はします。似たようなもので「味覚」は匂い+色+記憶で構成されると言われています。例えば、鼻をつまむと味がしなかったり、目をつぶるとかき氷のシロップがすべて同じ味に感じることからもわかりやすいと思います。つまり、今までの組み合わせで味は再現できるでしょう。

https://bae.dentsutec.co.jp/articles/orenda/

最後に「触覚」はハプティクスの技術を使うことで、現在はゲームに合わせた振動などで表現しています。しかし、今後は専用の手袋やスーツを使うことで特定の部位を特定の力で触れられているという感覚を再現できることになります。これと映像や音を組み合わせると、モノを触っている感覚、地面の起伏、温度まで仮想世界で感じるようになるかもしれません。

そして、これらの五感を認識するのはすべて脳です。人間の脳はまだまだ分からないことだらけですが、人の脳への刺激で身体体験を再現できるとしたら、ここまでする必要はなくなります。今後は、脳の研究への取り組みがブームになっていくと予想できます。参考👇


ここまで五感の仮想化について話してきましたが、それだけではやはりゲームの世界からは出ることができません。そこで必要になるのが、「精神的生活」「経済的生活」です。

精神的生活は一言で言うと、他者とのつながりです。人は他者と比較することで自分という存在を認識しています。本質的なところでいうと、種の生存のための知の集積や子孫を残すことに必要になってきますし、現代視点でいうと社会的な所属意識や他者からの承認意識が必須の生存条件になっています。これを仮想世界で実現するには匿名性をなるべく少なくしたアバターと共生できる環境が必要であると言えます。もちろんそれが本当の人間によるものである必要はないのですが、当事者が他者と認識できるだけのクオリティは必要です。

経済的生活とは、仮想世界で生産と消費ができる環境です。オンライン上での消費はすでに行われていますが、メタバースのようにゴールや目的のない仮想世界で生産や消費が行われることは、仮想世界の現実化にかなり近づく出来事であると思っています。そして、今まさに経済的生活を仮想世界で行う試みが実践されてきており、将来的には最低限の衣食住以外の消費活動がメタバース内で行われ、衣食住においても仮想世界中心で考える時代が来るかもしれません。

ここまでの話で考えると、人間が身体を持っていることが生活のメタバース化の阻害要因かもしれませんね。

メタバース開発戦争

冒頭で紹介したようにメタバースはFacebookが注力している分野として有名です。
FacebookはSNSを通じて、実名性の高い人々の繋がりを仮想化することに成功しました。そして、Diem(旧Libra)という仮想通貨開発や、OculusによるVRヘッドセットの開発を行ってきました。そして、今、これらの点と点をメタバース開発で線にするように莫大な投資をしています。


また、「フォートナイト」で有名なEpic Gamesもメタバース事業へ注力する動きを見せています。


日本では、グリーが子会社を通じてメタバース事業に参入することを決めました。


このように、SNSやゲームなどオンライン事業の終着点であるメタバースの開発競争が予想されます!
今後もメタバースというキーワードを追っていくと時代を読みやすくなるかもしれません!

おわりに

最後まで見ていただきありがとうございました!

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