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It's my favorite.II

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#俳句

絵描きの万愚節「Poisson d'avril !」

絵描きの万愚節「Poisson d'avril !」



Poisson d'avril !
新しく目醒める距離

洋梨のSolbetの月に 

逆さまに引き込まれる

寄り道は蓮華草54本

手みやげは時空に支配されない

百万本の薔薇

Sacのなかにひしめく蒲公英は

綿の蟲となって

地上に降る

復活の日まで

「Elle est ici !」

(彼女はここに居ます)

画像の作品は、現在の我が家の母コーナーに立てかけてある、F6サイズ

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ひとりじゃないよ

ひとりじゃないよ

ベランダに出て、いってらっしゃいと手を振る。
五歳息子が何度も振り返ってそれに答える。
いつもの朝の光景。

感慨深く見えたのは、朝食時に息子が配ってくれた「R1」飲むヨーグルトのせい。
ボトルに書いてある「応援メッセージ」をママに読んでもらい、各々に相応しい言葉を手渡してくれた。
「パパは……これかな?」

自分には、「ひきだせ! 君の強さを!」
ママには、「ときどき休むのも大切だよね」
そして

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無茶な注文

無茶な注文

――駄目。もう持ってるじゃん。
「電車止めるのは持ってないよ」

スパイダーマンスーツの話。
五歳息子はもはや「オタク」。
今やアニメでは飽き足らず映画を探して見るほどに。
「電車を止める」とは『スパイダーマン2』の名場面。
重ねた布団を暴走列車に見立て、演じるのがブーム。
自ずとそのコスチュームが欲しくなる……

――三月になったら、自分のお年玉で買いな。

その三月がきた。
朝。
「パパも同じ

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俳句&エッセイ│春一句🌸初花と父

俳句&エッセイ│春一句🌸初花と父

初花へ親父の写真向けておく(はつはなへおやじのしゃしんむけておく)
季語│初花

いい親父でした。
まあ、妻には逃げられてますが。

父子家庭になったその日から、
父は毎日弁当をこさえてくれた。

いくら酔っ払ってても台所に立つ。
なんぼ麻雀に負けて帰ってきても飯は作る。

「小遣い足りてるか」😎
「·····いや」😑

「ほれ。無駄遣いすんなよ」😎
「·····あんがと」😏

ぼくがこそ

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絵描きの渾身の一句【俳句幼稚園企画・私の渾身一句】に応募します

絵描きの渾身の一句【俳句幼稚園企画・私の渾身一句】に応募します



青墨をする父の背よ曼珠沙華

弘生

季語 曼珠沙華(秋)

昨年の初夏、「俳句」という十七音の芸術にめぐり合って、拙いながらも、道を歩けば五七五、電車に乗れば五七五、と指を折りながら過ごした日々がありました。
そんな日々のある初秋、ふと道路の脇に真っ赤に出現した曼珠沙華。
ああ、お彼岸なんだなぁ、と感慨深く思いながら電車に飛び乗った。
そこで出来た曼珠沙華の句。
最初、天国の母への句が出来ま

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