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ざっざっざ

ざっざっざ

冷たい白色 ざっざっざ
踏んだら固く
触れたら溶ける変なやつ

冷たい透明 ぴようぴよう
そこにいるようでそこにいない
白色滑る変なやつ

まぶしい青色 ぽかぽかぽか
白色透明 いなくなった
残った茶色に ぺちゃぺちゃぺちゃ
覗かせ緑も変なやつ

飛んでけ桃色 ひらひらひら
茶色もいつしか桃色絨毯
水色きらきら 桃色いかだ
桃色追いかけ変なやつ

あったか透明 ぴゅーっと吹いた
青色 桃色 さよう

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裏表

裏表

嘘をつくようになった
私を見てくれないから

優しい言葉を並べるようになった
孤立したくないから

好意を見せるようになった
心が満たされないから

毎日が楽しくなった
利益が得られるから

欲しい
欲しい

君が好きだよ
君が好きだよ

君のことが1番好き
私を好きな君が好き

だからこれからも
だからこれからも

私が好きな君でいてね?

表の嘘の話

不眠

不眠

あなたの夜はどんな夜ですか

温もりに包まれたやわらかな夜ですか

期待に満ち溢れた
いつもよりも日の出が待ち遠しい夜ですか

寂しさに支配された冷たい夜ですか

不安で消えてしまいそうな
永遠に太陽が昇ってこなければいい夜ですか

煌びやかな夜を彩るために
仕事と向き合う退屈な夜ですか

あなたの朝はどんな朝ですか

目を瞑ればいつのまにか朝を迎える
それを当たり前にしてきましたか

眠ることが

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緑のおはぎ

緑のおはぎ

「こんにちは」

トンボ眼鏡に古い自転車
荷台に巻かれた漆の箱

お爺ちゃんは
緑色のおはぎを届けてくれる

世間話もそこそこに
母はその箱を持って家に入る

私はこのおはぎが大好きだった

緑色のきな粉に粒の粗い餅
中にはたくさんのあんこが入っている

このおはぎは何故緑色なのか
スーパーに並ぶ物と何故違うのか
その時の私にはわからなかった

「こんにちは」

焦茶色の縁側
白いふわふわと優しい

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しろいふでおき

しろいふでおき

カーテンの隙間が白んで見える
どうやらまた夜を超えてしまったらしい

一点を見つめていようと、目を瞑っていようと同じ

何度この夜を超えただろうか
何度この私を繰り返しただろうか
何度この私を止めようとしただろうか

何度も、何度も

ある日、巡り尽き果てた先に
ふと色のない朝を見た

終わらない夜を憂うよりも
色のない朝を杞憂とし過ごしてみよう

そうだ、新しい物語を紡ごう
ストレスの元凶ではな

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卒業

卒業

卒業

泣いている者
いつものように談笑している者
記念撮影をしている者
アルバムに書き込みをしている者
先生と会話する者

何がめでたいのだろう
卒業証書の筒は冷たく感じた

アルバムに虚言を綴る
都合のいい人間と連絡先を交換する
何故笑う事ができるのか
何故泣く事ができるのか
全くわからない

ただそこで私を踏み躙った顔が笑っている

「楽しかった、今までありがとう」

「うん、またね」

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緑の自転車

緑の自転車

「おかえり」

前籠に新聞をたくさんいれた緑の自転車

学校の帰り道
その声が聞きたくて
あたりを見渡す

何をしていた人なのか
いつから話すようになったのか
どんな話をしたのか
今となってはわからないけど
その人に会うと笑顔になれた
白髪に丸メガネ
優しい笑顔がよく似合う人だった

「…開かない」

学校から帰ると鍵がかかっていた
蝉の声を聞きながらどうしようか考えた時
ふと緑の自転車が思い浮か

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道



よく知っていて
よく知らない道

靴底に石が当たる

転校する前ここには何もなかった

踏み固められた土が僕たちの通学路
田んぼの間を
落ちないように綱渡りするように歩く
横切るカエルにあいさつをして
体操着袋をパタパタと揺らす

給食を残さず食べたら
どのくらい先生より大きくなるのだろう
テストで100点をとったら
どのくらい大きなはなまるがつくのだろう

あの大きな山を越えたら
どんな世

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見



見ている

何か
温度のあるものが
こちらを見ている

私には見えない

確かにこちらを見ている

冷たくもあり
焼けるように熱くもある
恋焦がれ独り舐めるようなそれも
また1つか

胸に痛みを覚えた
どうやらそれが刺さったらしい
かえしがあるのか
刺さった箇所は熱を帯びる
気色の悪い感覚と共に
私の中に黒いモヤが生まれる

何故だ
音を感じる
見られているだけのはずなのに

笑われている

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留守番電話

留守番電話

僕のスマホには1つだけ
留守番電話の記録がある

「 メッセージを一件再生します 」

・・・

もしもし?

あー…特に用はないんだけど

暇だったらご飯どうかなって思ってさ!

いつでも良いから!
連絡待ってる!

・・・

「 メッセージを一件再生しました 」

いいよって
すぐに伝えればよかったのに
後悔しても
後悔しても

君には届かない

届かないんだ

どこにでもある
非日常のお話

僕の知らない人

僕の知らない人

僕の知らない人

僕の家には知らない人がいる

「美味しいコーヒーを淹れてあげて」

お母さんの言葉のままに
僕はその人にコーヒーを淹れた

知らない人はずっとその場から動かない
ただこちらを見て少し微笑んでいる

「昔は俳優さんにスカウトされちゃうくらい
素敵だったのよ」

その人の昔話をお母さんは楽しそうに
コーヒーの薫りに乗せる

暑い日の夕暮れ
遠くから冷たい風がふいた

それは漂っていた

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風



ねえねえ!
お空はなんで青いの!

海の色がうつっているからだよ

じゃあ!
お日さまはなんでまぶしいの!

みんなを照らすために明るいんだよ

僕がとうめいなのにも理由があるのかな!

君は君の大切な人の背中を押せる
風になったんだ

ちゃんと押せるかな!

大丈夫
君が願えば
きっと

どこまでも遠くへ

明日|

明日|

明日|

いつか夢見たこの世界は
思ったよりずいぶん何もなくて

寂しがりな僕を
わかったふりしてたよね
電子音が脳に響く

「また明日|」

そんな言葉ばかり
その明日は
ちゃんとやってくるの?

神様はここにいるんだと
胸を叩いて教えてくれた

「君に涙は似合わない」
そういう君は泣いていたね

そういう君すら

もういない

いつかの小さなお話

星の名前

星の名前

星の名前

「ねえ、星を見に行かない?」

「かしこまりました」

「外は寒いね」

「現在の外気温は3℃、天候は快晴
降水確率は0%です」

「お腹すいたな」

「現在地から飲食店をお調べしますか?」

「ううん、大丈夫」

「かしこまりました」

「ねえ、
あの星なんて名前だろうね」

「現在地から見える星を検索しますか?」

「ううん
なんて名前なのかなって思っただけ」

「ではお調べした方

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