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わたしの好きな本を紹介していこうと思います📚
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#エッセイ

村田沙耶香「地球星人」

村田沙耶香「地球星人」

「コンビニ人間」に次いで、村田沙耶香さんの作品を読むのはこの「地球星人」でした。
「コンビニ人間」のときにも感じたことですが、
村田沙耶香さんの作品を読んだ後、
「現在の『常識』に、自分たちは囚われすぎているんじゃないか」という疑問が浮かびました。

今回の「地球星人」も、女は結婚をして、子を産まなければ、
「人間工場」の部品として、うまく機能せず、寂しい人生を送るという、
いつの間にか「地球」で

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旅先でのカフェと、本と。

旅先でのカフェと、本と。

このゴールデンウイーク中に、彼と那須塩原へ旅行に行きました。
宿の温泉にゆっくりと浸かって、
いくつか観光する、のんびりとした旅。

乙女の滝、那須フラワーワールド、ステンドグラス美術館…。
旅行中に寄った、どの観光地もよかったのですが、
今回の旅でわたしの中で印象に残っているのは、
乙女の滝の休憩所にあるカフェ。

宿から車を走らせ、若い葉と葉の間からチラチラ見える木漏れ日や、
木々の間を通り抜

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やさしいきもちになれる

やさしいきもちになれる

外を出ると、近所の桜の花びらたちが、
ころころころと、風に乗って転がっていました。
追いかけっこをしているようで、可愛い。

自分が住むアパートの目の前にある広場に咲く桜。
元々住んでいた実家の近くにも桜並木があって、
玄関を開ければ桜が満開なのが見れました。

でも毎年ふと不思議に思うのが、
桜の木の近くに私は住んでいるけれど、
私の知らないうちに、桜は満開になっているのだなということ。
まだ二

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「違うこと」をしないこと

「違うこと」をしないこと

2022年を振り返ると、私はどういう風に生きたいのだろうと、模索をした年でした。そしてつい先日、12月21日で今の公務員の職場をやめてきたところです。
来月から派遣社員として、ある外資系の会社の人事部門でとりあえず働きます。

私自身、今まで生きてきて、いつのまにか自分が本当に好きなことってなにかを忘れて、目の前のタスクを一生懸命こなしてきました。
頑張って勉強して、公務員になって、配属されたとこ

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吉本ばなな「ミトンとふびん」

吉本ばなな「ミトンとふびん」

つい最近まで転職活動をしていたのですが、読書にあまり身が入らない状況でした。

自分の生き方や、働く先があるかなと、漠然とした不安があったりして、一度読んだ文を読み直すことも多々ありました。
そんな時にふと、彼と出かけた先の近所の本屋さんで、吉本ばななさんの「ミトンとふびん」の背表紙を見つけました。

「あ、これ」
様々な色が混じった美しい装丁に魅了され、その本を手に取って、表紙と裏表紙の帯の文言

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フランス文学とbook lovers

フランス文学とbook lovers

社会人になって、読書の楽しさを再発見した私ですが、この頃は海外文学にも触れてみようと、書店で「悲しみよこんにちは」(フランソワーズ・サガン著)を手に取りました。
これはサガンが18歳の時に書いた小説。衝撃的なストーリーの中に、瑞々しい感性を感じさせる文章に魅かれました。

もっとサガンの作品を読みたいと本屋に行きましたが、なんと在庫はゼロ。
サガンに強く魅かれていた私ですが、他のフランスの作家の作

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夏の本屋さん

夏の本屋さん

夏の本屋さんが好きです。
多くの出版社さんがかわいいポップや帯、中には「一冊買うとオリジナルのしおりをプレゼント!」というキャンペーンで多くの本をおすすめしていて、店頭がお祭りのように彩られます。

先日、新潮文庫の文庫本を二冊買いました。
西加奈子さんの「白いしるし」と、谷川俊太郎さんの「ひとり暮らし」。
買ったら、ステンドグラスしおりがついてきました。
日に当てると薄っすら透けて、涼やかな印象

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