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sio
2022年6月26日 00:31
今年1月に赤ちゃんが生まれたばかりの友人と、その赤ちゃんの顔を見に小田原へ行った。この赤子は兄が息を引き取った病院で産まれた子である。まったく関係ないけれど、なんだか不思議な縁を思ってしまう。幼馴染3人が集まる。もう20年以上の仲で友人というか親戚に近い。もちろんそれぞれの親、兄弟、祖父母の顔も知っている。集まれば頻繁に互いの家族の話になる。約半年ぶりに会った赤子はすくすくと成長して元気そ
2022年6月12日 23:41
知人の展示を観に湯河原へ向かった。物心ついてから湯河原へ初めて行ったのは、数年前に兄が仕事で作業中に、高いところから川へ落ちて湯河原の病院へ入院したときだった。お見舞いがてら遊びに行ったことも数回あるが、なぜかうまく遊べず楽しめなかった。それからずっと足が遠のいていた。そのときの兄は幸い命に別状はなく、両足首の骨の複雑骨折で済んだ。相当痛かっただろうし、打ち所が悪ければ死んでいたし、しばらく歩
2022年5月26日 01:13
葬儀が終わった。やはり母がいちばん泣いていた。父も弔辞を読む時に嗚咽していた。息子の葬式の喪主を務める瞬間とは、どういう絶望なのだろう。息子の冷たくなった顔に触れるときは。息子が乗った霊柩車に同乗するときは。息子の身体が焼かれるのを見送るときは。息子の骨を箸で骨壷に入れるときは。私にはわかることができない。ただ私が抱えるものより遥かに大きく、底が深い穴であることは想像できる。お通夜の前に、兄の
2022年5月23日 00:20
兄の荷物を片す前に大掃除をしている。ガラクタばかりだった和室をきれいにし、ずっと私の部屋にあった仏壇が和室へ移動した(今使っている部屋はもともと祖母の部屋だったので、祖母亡き後はずっと仏壇が置かれていた)。和室には父方の先祖数代の仏壇と、母方の祖父母の仏壇がある。どうやら仏壇が同じ部屋に二つあるのは良くないらしい(ネット情報)。けど、しらん、そんなこと知らん。時代にも人情にも合理性にも合ってい
2022年5月21日 00:37
兄のスマホからありとあらゆる定額サービスを脱退したり、アカウントの持ち主を自分に移行させたりした。スマホの暗証番号は兄の誕生日4ケタだった。分かりやすすぎる。でもたしかに、見られて困るものも何もないんだろうな。と思って勝手に、SNSからメッセージまで全部のぞいた。死後、これをやられたくない人は今すぐ他人が解明できないパスワードに変えた方がいい。兄の交友関係、というかそもそも人間関係がほとん
2022年5月19日 21:08
昨晩の病室での母の言葉を思い出す。「ほんとうは私たちが死ぬのが先なのよ」「代われるものなら代わってやりたい」「私たちのために意識がなくなってもがんばって生きてくれた」「やさしい子だった」「何が好きとか、具合が悪いとか、何にも言わないんだもんあの子」「まだ魂だけでも、そこにいてくれてたりしないかなぁ」息を引き取る直前の兄を見たとき、また一回り小さくなっていた。本当はこんな骨格をして
2022年5月18日 22:28
21時半頃、兄が息を引き取りました。ご心配していただいたみなさま、本当にありがとうございました。
2022年5月12日 17:24
深夜3時過ぎ。感覚としては11日の夜だ。突然母に起こされる。「病院から電話があったから、すぐ準備して行こう」。いよいよ来てしまったのか、と身構えながら淡々と着替える。もう何回目か分からないが、家族3人で車に乗り込みZ病院へと向かった。病棟の警備のおじさんが「本当は、面会は1人か2人までなんだけど……」と言いながら3人で手続きを通してくれる。兄は緊急入院の数日後、ICU(集中治療室)からHCU(
2022年5月11日 23:09
11時から法事のため、どこにしまったか忘れた礼服用のカバンとパンプスを慌てて探す。黒ストッキングを履くのは、時間かかるし丁寧に扱わないと破れるしシンプルにダルい。締め付ける下着や衣服のストレスを久々に思い出した。「黒服だとお母さん細く見えるね」と父が言う。うるせーな、そんなことしか頭にないのか、どんな体型でも愛してると言う器を見せろ、とぼやこうとする口を閉じる。母親からは「細くていいなぁ、わた
2022年5月7日 23:40
職場復帰。身体がまだ適応しない。GWはみんな出かけてしまっているようで、思ったほど混まなかったそうだ。いろんなひとに優しい言葉をかけてもらう。かつてこんな職場はなかった。本当に人に恵まれている。職場には、病を抱えている家族がいる人、病気で早くに家族を亡くした人、さまざまなバックグラウンドや悲しみを抱えている人たちがいる。実感を伴った言葉が染み入っていく。私たちは本当によくやっている。いつも
2022年5月7日 00:48
午前中から美容院。ボサボサの頭をきれいにしてもらえるのを、2週間前から楽しみにしていた。数ヶ月前の自分が話していた「目標の髪型」は、大抵時間が経つと変わっている。例に漏れず、伸ばしていた部分をバッサリ切った。ホワイトパールラベンダー?みたいな髪色をしたお姉さんの写真を見せてお願いしたが、担当の美容師さんは私が常々ピンク色にしたいことを汲み取っており、「ピンクを20%増量しといた!」と言われる。腕も
2022年5月6日 15:05
今日もいい天気。GW初日の大雨が嘘のように連日快晴。起き抜けに、仕事へ向かう母が「どこか出掛けてくれば?」と外出を促してくる。断捨離したい気持ちもあったが、人と会った方がいいかもしれない。買い物ついでにGW期間しかやっていない展示を見にいくか。それとも少し街中をぶらつくか。お花でも買いたい気分だ。お昼頃までそう思っていたが、思い浮かべるだけで結局家にいた。父も母も仕事に行き出しているのに、ま
2022年5月5日 21:10
朝、なかなか起きれず五度寝明け、アラームのスヌーズに叩き起こされる。今日は自分のスマホから鳴る音だ。時刻は9時。ありがたいことに、今日は在宅勤務にしてもらった。出勤の打刻前に母が部屋に訪ねてくる。父と私、それぞれにいちいち連絡するのがダルいから、LINEグループを作ってほしいのだという。ここにきて初めて、家族のグループLINEができた。人数は3人。「何か送ってみて」と母が言うので、苗字のスタン
2022年5月4日 22:37
朝5時。兄のスマホのアラーム機能が鳴る。「ピピピピピ」という控えめな電子音に、「こんなんで毎朝起きれるのか」と心配になる。本人は高血圧なので早起きが辛くない、らしい。(あくまで家族内の憶測で本人から聞いたことはない) 私はむしろ低血圧なので、早起きが苦痛でしょうがない。その点については、羨ましいことこの上ない。5時半。再び兄のスマホが鳴る。スヌーズ機能だ。暗証番号がわからず、とりあえずいろんな