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2022.05.03/きっとここから愛なんだ

朝、なかなか起きれず五度寝明け、アラームのスヌーズに叩き起こされる。今日は自分のスマホから鳴る音だ。時刻は9時。ありがたいことに、今日は在宅勤務にしてもらった。

出勤の打刻前に母が部屋に訪ねてくる。父と私、それぞれにいちいち連絡するのがダルいから、LINEグループを作ってほしいのだという。ここにきて初めて、家族のグループLINEができた。人数は3人。「何か送ってみて」と母が言うので、苗字のスタンプを押した。つづいて父が赤いシャクナゲの写真(なんで?)、母はV6の6人が「愛なんだ!」と言っているスタンプを送ってきた。そうだね、きっとここから愛なんだ。

9時半に出勤ボタンを押し、たまったメールやslackを一から眺めては返信する。メモを取る。黙々と月初処理を進めていく。しかし時折ぼーっとしてしまい、腹が立つほど真っ青な空と木々を窓から眺める。ぼー。涙が出る。ティッシュで拭く。仕事する。涙が出る。ティッシュで拭く。その繰り返しだ。

お昼頃、休憩を取るためにリビングに向かう。昼食を取りながら、「鎌倉殿の13人」第17回を視聴する。あまりに恐ろしい話の展開に、隣で見ていた母が涙をこぼす。政子や義時の絶望している顔になぜか救われる。この血塗られた、あまりに命の軽い、恐ろしい鎌倉でしか自分は生きていけないと言う、義時のかつてとは違う姿に、人はこうやって化け物になっていくのだと知見を深める。

午後も午前と変わらぬ様子で、仕事をしながら一時間ごとに涙が出てはティッシュで拭う。たまにぼーっとする。ふと鏡を見ると、兄とそっくりな顔がこちらを見ている。口なんかそっくりだ。ふとしたときの表情や言葉が嫌になるほど似ている。ああいやだ。

夜にはもう疲れがピークで、19時前に退勤する。在宅勤務の方が性に合っているが、頭はなんだか熱っぽい。熱を測ってみると35.8度。低っ! なぜだか分からないが、頭がヒートアップして体調が悪いときは、大抵体温が低い。

晩ごはんを食べたあと、NHKの「プロフェッショナル」を見る。今回は大河ドラマの主人公、北条義時役の小栗旬さんの特集だ。小栗さんの内なるマグマ、やるせなさ、ストイックさ、やさしさ、視野の広さ、葛藤、すべてに心を打たれる。演者、制作陣、スタッフだけでなく、インタビュワー側にすら配慮と愛を持つ器の大きさ。彼のいいところを一つでも盗みたいと思った。小栗さんは自分のことを「心配性で小心者。人の顔色ばかりうかがっている」と言っていたが、それだけ人の表情を読んでいるということだ。それは、周りの人に興味がないとできないし、大きな愛に他ならない思った。どっちかに振り切るなら、人の顔色を気にしない方がずっと簡単だからだ。そうして俗に言う「無敵の人」が出来上がるんだから。彼の髄の部分を垣間見たら、少し元気になった。

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