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映画レビュー

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面白かった映画のレビューをまとめます。
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ストレンジャーシングスが伝えたかったこと/コロナ禍のメッセージ

ストレンジャーシングスが伝えたかったこと/コロナ禍のメッセージ

各所からオススメされて見始めたストレンジャーシングス。

正直、シーズン1を見始めた頃はハズレを引いてしまったかもしれないと思った。多くの映画で書き古されたような、アメリカの片田舎で繰り広げられるティーンエイジャーの薄暗い青春。そして見飽きたような少年の苦悩と青少年たちの恋模様。そこに突如現れるSF感。

少年の失踪から物語は進行し始めるが、序盤の展開はスピード感があるわけでもなく、これがSFモノ

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私はジョーカーに共感しない

私はジョーカーに共感しない

Netflixでの配信が開始されたジョーカー。めちゃくちゃ面白かった。快作だった。

ストーリーの中で起きていく事件や事象に対して、アーサーの反応が出るのは1、2シーン程度で、次のシーンではその感情を色濃く残さない日常を写しいく。この悲しみや怒りに日常を挟んでいく演出が映画全体を淡々とした印象に見せ、同時に狂気を呈している。一歩ずつ狂気に深まっていく感じ、拘泥していく状況を際立たせている。

扇情

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ディアエヴァンハンセン

ディアエヴァンハンセンを見ました。

ミュージカル映画は派手なシーンが好きなので、期待していた面白さとはまた違いましたが、面白かったです。あらすじは見ずに行った方がより楽しめるかもしれません。私はあらすじを読んでいなかったおかげで、驚くシーンがいくつかありました。

この映画に通底する具合の悪さみたいなものが、観ている間消化不良のままで蓄積されていくのですが、ラストの展開で救われます。このシーンを

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観る前の自分には戻れない傑作映画「正欲」のネタバレを含む感想

観る前の自分には戻れない傑作映画「正欲」のネタバレを含む感想

Netflixで映画「正欲」を見ました。朝井リョウ原作で稲垣吾郎や新垣結衣、磯村勇斗が出演した話題作。テーマも台詞も役者も映像も全てが素晴らしい傑作。大切な友人に勧めたい映画でした。

映画のキャッチコピーは「観る前の自分には戻れない」。これが本当にぴったりのコピーでした。

以下、ネタバレ含む感想です。

とある性癖を持ち、それを秘めながら生きてきたものたちの物語です。彼らは多様性への理解を促進

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