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#短篇小説
2月20日 つむぎとみき
「パパがいいの!」「パパーねぇーいいじゃん〜?」
ママが連れてくっていってるだろ。別にパパじゃなくてもいいじゃんか。逆に。
「えええー。だってママだとさ、終わってからアイスも買ってくれないしさだからコーラーももちろんダメ。いいのは伊右衛門だけだし」
隣にいる樹までもがお姉ちゃんの言葉にうなずいている。でもねぇ。俺は顔をしかめつつ腕を組んで今からさ仕事関係の人と会うんだよと子どもたちにいう。本当
Merry Xmas
「うれしい」
しゅうちゃんの助手席に乗ったせつなすぐに口にした。
「うれしい?」
語尾を上げ、どうして? そんな顔をしながら同じ言葉をくりかえす。うん、だって、だってね、そこで言葉を切る。夕暮れ時。5時45分。おもてはまだ少しだけ橙色を残しつつ夜を迎え入れる準備をしている。橙色はまるで干し柿のようだ。
「だって? なに?」
ハッとした顔をしゅうちゃんに向け、ううん、なんでもないわ、と首をよこ
12月3日 いち・に・さん
「また、土曜日出張だから……」
土曜日。なおちゃんに『ヨルイクネ』と中国語じゃないけれどカタカナでメールをすると『今夜は飲み会で泊まり』そう返事が来てほとんど涙が出そうになった。
と、泊まりって……。一体全体どうゆうことなの? 今までなおちゃんの週末など気にしたことなどはなくかといって気にされたこともなくて会いたいときに気ままに会っていたしいけば会えるとわかっているからそうゆう安心感もあってな
「しゅうちゃんのばあい」
【今日はやすみ?】
土曜日。確かに仕事はお休みであったけれど、昨日、ズル休みをしたので仕事に行こうと支度をしている最中だった。
メールはしゅうちゃんからだった。おや? 土曜日のこんな午前中に。あたしはほとんどおどろいてしまい
【やすみだよ】
仕事に行く予定などなかったことにして急いで返事を返した。あまり俊敏にメールを返すと待ってましたといわんばかりです、なんて思われたくもないなんて今では思い
「ふじたさんのばあい」
金曜なら会えると思うよ。なかなか都合よく会えないから余計に会いたいのか自分でもよくわからなかったけれどやはり会えるとなるとそのかなり嬉しいわけであってパートまで休んでしまいなので時間通りに約束の待ち合わせ場所までいった。
ちょっとメイクが妖怪人間ベラみたいな感じのメイクだったことに気がついたのは待ち合わせ場所のコンビニのトイレでおもむろに鏡を見たときだった。うちを出るときよりも格段に分厚く塗