3歳児に「大きくなったら、ホッチキス使ってもいいよ」と言ったら、意外な返事に反省した
パチ、パチ、パチ
「それ、なーに?」
「『ホッチキス』って言うんだよ」
「ぼくもやりたーい」
「うん、大きくなったらね。今はまだ使えないの」
3歳の子になにをどのくらい使わせたら危なくないのか、皆目検討がつかなかったので、とりあえず常套句を使って、適当にやんわりと断ったつもりだった。
(子どもの面倒なんて、案外楽勝だいっ!)
「ぼく、もう、大きくなったよ?」
(えっ?!)
3歳児の予期せぬ返答に、思わず困惑してしまった。見ると、目に涙をうっすら浮かべている。
「そっか、そっか、ごめんね。生まれたときと比べたら、凄く体が大きくなったよね? いろんなこともできるようになって、いろいろ考えて」
0歳から3歳の3年間は、大人の3年間と比べようもないくらい、身体も、手先も、頭の回転も、精神面も、急速に伸びている。
特に、この3歳児には、赤ちゃんの頃の記憶があるのかもしれない。
そりゃあ、いろんな部分が大きくなったに違いない。
適当に『大きくなったらね』で片付けちゃいけなかったんだ。一人一人個性が違う人間として、真正面から向き合わなきゃダメだったんだ。
子どもだからって舐めた対応をすると、あっさり簡単に見抜かれてしまう。または、この子を傷つけてしまったかもしれない。
でも、やっぱり、ホッチキスを使わせて危なくないかどうかの判断はできかねる。さあ、どうしたものか。今度はわたしが少し言葉を考えてみる。
「もっと大きくなったらね。そうだね、小学校に上がる頃には使えるようになると思うよ」
目標やゴールを設定することにした。そしたら、その3歳児は黙ってしまった。
それは理解し受け入れているようにも見えたし、「この大人にはなにも言っても分かってくれない」と諦めているようにも見えた。
とにかく3歳児の彼はなにかを一生懸命に考えていたに違いない。
だから、わたしも、相手が子どもだからって、常套句を使って、「とりあえずこの場を切り抜けようっか」は止めることにしたよ。
ごめんね。反省だ。
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