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読書記録

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ジャンル問わず。読んだ本の記録、紹介。
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2023年12月の記事一覧

海辺のカフカ~読書記録375~

海辺のカフカ~読書記録375~

海辺のカフカ 村上春樹 2002年

『海辺のカフカ』(うみべのカフカ)は、村上春樹の10作目の長編小説。 ギリシア悲劇と日本の古典文学を下敷きにした長編小説であり、フランツ・カフカの思想的影響のもと[注 1]ギリシア悲劇のエディプス王の物語と、『源氏物語』や『雨月物語』などの日本の古典小説が物語の各所で用いられている。15歳の少年「僕」が、不思議な世界を自ら行き来しながら、心の成長を遂げていく物

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大江戸お寺繁盛記~読書記録374~

大江戸お寺繁盛記~読書記録374~

大江戸お寺繫盛記 2019年 安藤優一郎

お寺は辛気くさい? いえいえ、江戸では違いました。大奥に営業をかけたり、宝物をお披露目したり、芝居や寄席の会場かと思えば、金融機関であったり……。賑やかな江戸のお寺をご覧あれ! 江戸時代、お寺は敬虔な信仰空間であるとともに、賑やかな商業空間であり、娯楽空間だった。境内には、たくさんの飲食店が並び、芝居や寄席の客がどっと押し寄せ、富くじが行われ、さらには金

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治療塔~読書記録373~

治療塔~読書記録373~

2008年 大江健三郎による近未来小説。
著者にとっては初のSF物である。

二十一世紀半ば、核兵器を使用した局地戦争、原子力発電所の事故、資源の枯渇、エイズや「新しい癌」の蔓延などにより地球は荒廃しきっていた。人類の文明を保存するために、世界各国・地域から選抜された百万人の「選ばれた者」が宇宙船団を組んで「古い地球」を棄て太陽系外に発見された「新しい地球」を目指して「大出発」していった。
日本の

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ペットと葬式~読書記録372~

ペットと葬式~読書記録372~

フリージャーナリストで浄土宗の僧侶・鵜飼秀穂氏の著書。
2018年。

うちの子であるペットは人間同様に極楽へ行けるのか?
そう考えると眠れなくなる人も少なくないらしい。
この問題に真っ正面から取り組んで
現代仏教の役割とその現場を克明に解き明かしていく。
ペット塚は歴史の始まりからあり、現代ではAIBOだって手厚く葬られている。

この本を読み、私の勘違いぶりに恥ずかしくなり、今すぐにでも六道輪

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まる ありがとう~読書記録371~

まる ありがとう~読書記録371~

まる ありがとう 養老孟司 2021年

2020年12月21日、まるが天国へ旅立ちました。
養老さんは愛猫まると18年の時間を過ごし、その様子はNHKの「まいにち、養老先生、ときどきまる」でおなじみとなりました。
まるを自分自身の「ものさし」と語ってきた養老さん。まると過ごした日々、まるの死を通じて養老さんは、意識中心で頭でっかちになりがちな人間社会の危険性や、生き物にとって大切な感覚の世界につ

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羊男のクリスマス~読書記録370~

羊男のクリスマス~読書記録370~

羊男のクリスマス 村上春樹 1985年

『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』で絶妙のコンビを組んだ村上春樹と佐々木マキの、5年越しの夢が実現された、念願の書下し絵本。なつかしい羊博士や羊男、双子の女の子も再登場!

村上春樹の独特の世界と、佐々木マキの魅力の世界が交錯し織りなす美しいファンタジックな空間は、心暖かいクリスマスをお約束します。
あなたのために、そしてあなたの

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四次元時計は狂わない~読書記録369~

四次元時計は狂わない~読書記録369~

四次元時計は狂わない 立花隆 2014年

世の中が前より一層よく見えるようになった―。がんを患いながらも、飽くなき好奇心で精力的な取材を続けるジャーナリスト、立花隆。七十四歳を迎えたいま、氏は震災後の日本について何を思うか?人気連載「文藝春秋」の巻頭随筆全三十九話が一冊に!

流石、知の巨人!と呼ばれるはずだ。
立花隆先生の取材力もあるのだろうが、今まで知らなかった事を色々と知り、ここに行きたい

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ぼくが読んだ面白い本・ダメな本そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術 立花隆 2003年~読書記録368~

ぼくが読んだ面白い本・ダメな本そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術 立花隆 2003年~読書記録368~

知の巨人・立花隆先生が週刊文春に連載した「私の読書日記」をまとめたものだ。

この本一冊で三百冊分の威力!
ふだん書評では扱われない面白本三百冊を紹介し、ダメな本は徹底的に批判する。立花隆の知的好奇心、知的ノウハウを凝縮した一冊
ヒマ人向きの本を対象にした趣味の書評ではなく、真に読む価値のある本から有効情報だけを抽出圧縮し濃密に詰めこんだ、忙しい現代人のための読書ガイド。さらに著者がいかにして大量

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仏教入門~読書記録367~

仏教入門~読書記録367~

仏教入門 南直哉 2019年

普通「仏教入門」と言えば、広汎にして複雑な仏教の思想・実践の体系、そしてその変遷の歴史などを、要領よく整理して大方の便宜に供する、という書物になるだろう。
ということを十分承知の上で、今私が提出しようとしているのは、著しく個人的見解に着色され、偏向極まりない視点から書かれた入門書である。
私はこれまで、仏教の思想や実践について、何冊かの本で自らの解釈を述べてきてはい

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立花隆「戦争」を語る~読書記録366~

立花隆「戦争」を語る~読書記録366~

「戦争」を語る 立花隆 2016年

「知の巨人」、はじめての戦争本!

「長崎という街に自分が生まれ、そこが世界で二番目に原爆を落とされたという事実は、僕の人生に大きな影響をもたらしました」
被爆の記憶を後世に残すために、日本人は何をすべきか?
北京からの引揚体験、特攻隊上がりの青年教師、原水禁運動に打ち込んだ若き日ー。
ヒロシマ、ナガサキ、アウシュビッツを通して、いま伝えておきたいこと。

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猫も老人も、役立たずでけっこう~読書記録365~

猫も老人も、役立たずでけっこう~読書記録365~

猫も老人も、役立たずでけっこう 養老孟司 2018年

食う寝る遊ぶ、ときどき邪魔。それでいいじゃないですか。――NHKの人気番組「ネコメンタリー 猫も、杓子も。」から生まれた、養老センセイと愛猫まるの老老コンビが贈る痛快エッセイ!
まるは、私の生きることの "ものさし"である ---養老孟司

愛猫まる15歳と暮らす養老センセイ80歳。
いつもネコろんでいる"まる" の目を通して、人間社会を眺め

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白洲次郎の日本国憲法~読書記録364~

白洲次郎の日本国憲法~読書記録364~

2007年 ノンフィクションライター鶴見紘氏による著。

吉田茂首相の右腕としてGHQと対峙し、新憲法制定に深く関わった白洲は、日本国憲法をどのように考えていたのか。そしてその舞台裏では何があったのか。白洲自身の手記・手紙、正子夫人をはじめ関係者への取材・証言を基に、戦後復興の秘話と魅力ある人物像を描く。白洲ブームのさきがけとなった一作!

白洲次郎・・・巷に生きる人びとの多くは、おそらくその名に

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隅の老人の事件簿 バロネス・オルツィ (著) 深町 眞理子 (翻訳)~読書記録363~

隅の老人の事件簿 バロネス・オルツィ (著) 深町 眞理子 (翻訳)~読書記録363~

隅の老人の事件簿 バロネス・オルツィ (著) 深町 眞理子 (翻訳)

隅の老人(すみのろうじん、The Old Man in the Corner)は、女流作家バロネス・オルツィの推理小説に登場する架空の人物。
『ストランド・マガジン』誌に連載されたシャーロック・ホームズシリーズが商業的成功を収めたことにより、他誌がこぞって登場させた「ホームズのライヴァルたち」と呼ばれる名探偵の一人である。シリ

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廃仏毀釈―寺院・仏像破壊の真実~読書記録362~

廃仏毀釈―寺院・仏像破壊の真実~読書記録362~

2021年 民俗学者・畑中章宏氏によるルポ。

明治政府の神道国教化により起こった廃仏毀釈。それは、日本で長らく共存していた神道と仏教を分離し、仏教を排斥する運動だった。この出来事は寺院や仏像の破壊など民衆の熱狂による蛮行というイメージが流布しているが、実際にはどんなものだったのか?信仰の対象であったものを破壊するのに、人々にためらいはなかったのか?神仏が共存していた時代から説き起こし、各地の記録

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