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散文詩

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2023年8月の記事一覧

ハート オブ ストーン 《詩》

ハート オブ ストーン 《詩》

「ハート オブ ストーン」

1982年型のMINI

褪せた
アーモンドグリーンのボディカラー

高台のガードレールの傍に泊めて
しばらく夜景を眺めていた

遠くにドライブインシアターの
スクリーンが見える

僕はキャメルの
フィルターをもぎ取って

反対側を口に加え煙草に火をつけた

車のシートを倒して長いキスをした

僕のキスは
煙草の味しかしないらしい

そう言って彼女は微笑んだ

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いつも 《詩》

いつも 《詩》

「いつも」

迷いを超えたその先に

永遠の誓いと絶対の力

無限のハードル 聳え立つ壁

願いはいつも 
想いはいつも

共に固く手を繋いだ

心と心で抱きしめ合った

僕等の時は未来へと向かってる

作り笑顔も下手な嘘も要らない 

僕は君の全てを知っている
君が僕の全てを知っている様に

僕が ずっと傍に居る理由 

君の笑顔と笑い声 
君の涙と泣き声

逢いたいと想う事 

いつかじゃ無く

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暁と闇 《詩》

暁と闇 《詩》

「暁と闇」

窮屈な自由 哀しみの先に覚悟

無力 悔しさ 

一途な想い

重ね合わされた口裏

理想論や希望 夢 

並べ立てた遠吠え

バックヤード 道筋 積もる罪

街の片隅 
時は待たずに暁と闇

いつだってお前が隣に居た
今だってそう感じてる

生き様と生き方 
言動 行動 人と成り

これは俺と彼奴の物語

暗闇を照らす僅かな灯り 

正気を保ち描き続ける24時

俺達の遠回り 

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コールガール 《詩》

コールガール 《詩》

「コールガール」

原色のパラソル コールガール

ドラッグストアでサプリを買い漁る

ディスカウントショップの極上大麻

リコールだらけの流行りの車

ガンジーが振りかざす鉄パイプ

裏金あつめるマザーテレサ

考えるなよ感じなよ

ミラーボールと
電飾だらけの国会議事堂

ケツに火の付いた政治家に
噛みついた犬

どうでもいいさ 俺には関係ない話

稲穂揺れる風のなか
苗を手に取り 育てる未来

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苺ジャム 《詩》

苺ジャム 《詩》

「苺ジャム」

ふたりのベッドからずれ落ちた星

太陽が差し込んだ赤い苺ジャム

彼女は綺麗な石を集めてた

僕は愛の言葉を書いた紙を
メッセージボトルに入れて海に流す

いつか別れて またいつか出逢う

雲の切れ間から聴こえた声

何処へ行っても 
自分が周りと違い過ぎるから

銀色の紙に包まれた
白いチョコレート

ふたつに割って ふたりで食べた

なんだか溢れて来た優しい気持ち

もう全てが

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ロメオとジュリエット 《詩》

ロメオとジュリエット 《詩》

「ロメオとジュリエット」

知らない素振り 

本当は自分が1番良く知ってるよ

見ないふり 聞かないふり

いつか そんなの壊れてしまうから

今日 誰と会ったの 
何を話したの

僕には大切な事なんだけど

君には大切な事でも無いみたい

都会仕掛けの時間の谷間

ウォッカ垂らしたテーブルクロス

マリンブルーの海を切り裂くナイフ

狂いそうな程 
眩しい太陽の輝き

ロメオとジュリエットとか

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岩国バイブス 《詩》

岩国バイブス 《詩》

「岩国バイブス」

岩国 川下 アメリカンスラム

川向こうの朝鮮人部落

橋の下に住む片腕の浮浪者
金庫には札の束

チンタラ歩いてると
引っ掛けられるぜ

ひねくれた真実 勘繰り

足りない頭で稼ぎ出す現生

乗りこなして来た波  

感覚 直感 初期衝動

価値観が呼び合う 
無言で交わす意思疎通

岩国バイブス 
お前の持ち掛ける甘い案件

岩国バイブス 
奴等の正体 焼き付けた網膜

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僕等の居場所 《詩》

僕等の居場所 《詩》

「僕等の居場所」

沢山の人達の中で笑ってた 

空っぽの笑顔で

そうする事しか出来なかったから

だけど 
余計に寂しくなって 

自分の居場所は
此処じゃ無いそう思った

離れて行った人と 
離したくない人と

思い通りに行かなくて

独りになろうと
何度も何度も思ったんだ

出来なかった  

そんな勇気も僕には無くて

怖くて寂しくて辛くて

上っ面だけの
楽しさで誤魔化し続けた

真っ

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