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南部鉄器と暮らす【FREEPARK】

自由が丘の小さな雑貨屋『FREEPARK』にて
950年の歴史のある南部鉄器のポップアップを
開催しております。

期間は2月28日まで。

店内並ぶ鉄瓶からは
歴史のある重さと伝統を受け継ぎながらも
新たな挑戦を続けている職人の力を感じます。

南部鉄器で作られた鉄瓶は
岩手県奥州市にある『及冨(おいとみ)』という
小さな町工場で作られています。

たった15人ほどの職人が
日々製造をしていると聞くと
現代に生きていく本物のあり方を
感じずにはいられません。

南部鉄器の歴史は古く約950年前に遡ります。
平安時代、近江の国(滋賀県)より時の藤原氏が
鋳物師を招いたのが始りとされています。
世界遺産の『平泉~仏国土(浄土)を表す
建築・庭園及び考古学的遺跡群~』の全盛期時代は
寺院に使用される梵鐘(ぼんしょう)・仏具なども
作っており平泉文化の一翼を担ったと言われて
います。
また江戸時代には伊達藩の保護も受け、昭和34年、
盛岡と奥州水沢とが南部鉄器のブランドを確立ました。

FREEPARKに並んでいる南部鉄器の鉄瓶を
作っている及富は1848年、現在の岩手県奥州市
水沢羽田地区にて、初代 及川利源太により
宝生堂として創業され、伊達藩の保護のもと
伊達家のお抱え釜師として活躍しました。

茶の湯から始まった及富の歴史は、
170年を越え現在も継承されています。
盛岡と奥州、二つのルーツをもつ岩手県の
鉄器産業が南部鉄器として伝統的工芸品に
指定されたことでこの地に古くから伝わる
鉄器の魅力が日本だけでなく
世界的に広がることになりました。

海外のお洒落なインテリアの中に
オリエンタルなアクセントとして
南部鉄器が飾られていることがあります。

日本人がウェッジウッド、エルメス、
ロイヤルコペンハーゲン、マイセンなどの
ティーカップに憧れをいただくように
外国人から見た鉄瓶に魅力があると思うと
なんだかちょっと誇りになりますね。

『及冨(おいとみ)』という工房の名前は
5代目の及川富之進から引用されています。

人類の文明を支えてきた資源としての鉄を通して
多くの人々に富をもたらしたいという思いが
込められています。
また未来を生きる人たちのためにサスティナブルな
モノづくりをしている職人集団でもあります。

しかし、その製造は簡単ではありません。
型作り、鋳造、仕上げ、着色、出荷まで一括しており、
甑(こしき)炉と呼ばれる溶解炉を用いて日々鉄を溶かしています。

■砂型
夏の暑い日には、砂の乾燥を
冬の寒い日には、砂の凍結を気にしながら
日々職人の作業に微塵も無駄な動きはありません。

■鋳造
溶けた鉄を型に注ぐ作業は、真剣勝負。
細く、ある時は太く製品をイメージして
流し込みます。
息を止めて職人の手加減一つ、
熱い鉄が型に流れて行く。
その時の様子で『出来た』と、解るといいます。
誰も寄せ付けない凛とした姿がそこにはあります。

■研磨仕上げ
砂型から取り出した製品は、焼き付いた砂を落とし
研磨加工の仕上げに入ります。
繊細な模様、アラレ模様その他、様々な形、
その一つ、ひとつを完成前の鋳物生地として
熟練の技が光ります。

■釜焼き
おおよそ900度の高温で鉄瓶を焼き内側に酸化皮膜
といわれる皮を施す作業です。
皮膜はある程度の錆を防ぐための工程ですが
完全に防錆では無く鉄分の溶出が程よく出る様に
釜焼きという技が生まれました。

■着色・仕上げ
最後の塗装仕上げとなり鋳物本体はもちろん
蓋や鉉も一緒に仕上げます。
色々な塗色や仕上げの完成度は、職人技の見せ所。
緊張する作業の連続です。

なんとなく手にしている鉄瓶に込められた
職人の熱量は手にした瞬間に伝わってきます。

そして、
南部鉄器の鉄瓶がいいと言われるのには
ちゃんとした理由があります。

ひとつめは「長く使えること」。
職人の技術が詰め込まれた手作りの鉄器は
とても丈夫で、
「正しく手入れをすれば孫の代まで使える」
といわれています。

ふたつめは「鉄分の補給ができること」。
南部鉄器を使うことで鉄分が溶出し補えるため、
特に鉄分が不足しがちな女性にとっては
手軽に鉄分を補う方法として注目されています。
また、南部鉄器から溶出するのは“二価鉄”という
体に吸収されやすい鉄分のため、
健康に良いという面でも魅力があります。

さらにカルキ(塩素)が除去できるのも
人気のポイントです。
お湯を沸かすと、カルキ臭や塩素臭が取り除ける
ため味がまろやかになります。
さらにミネラルが南部鉄器の内部に付着し
軟水化させ、お湯をまろやかに、
美味しくしてくれます。

長く使えること、
健康にメリットがあること、
歴史の中で粛々と継承されてきた良さを
是非感じてくださいませ。

しかしこれだけではありません。
『及冨』は内側を琺瑯にすることで
お手入れのしやすさを追求しました。

鉄瓶を使う方のスタイルに合わせ
直火用の鉄瓶と
琺瑯仕上げの急須がございます。

それぞれのデザインも異なっておりますので、
実物をご覧いただけると幸いでございます。

「今の暮らしに南部鉄器の鉄瓶は、、、」
とお思いの方にお知らせしたいことがございます。

電気湯沸かし器と鉄瓶のお湯が沸く時間に
大差がないことはご存知でしょうか。
電気ポットの方が便利と思うのも分かりますが、
コンロに火を点け、
鉄瓶を置き、
しばらくして聴こえてくる音を
聞いてみたいと思いませんか。

自然現象の作り出す小さな音には
暮らしを豊かにする魔法があります。

大切に鉄瓶を使い続けることで
家族との思い出の時間が刻まれてきます。

重さを負担に感じることもあるかもしれません。
でもそのお手入れを続けることで
二の腕が引き締まるかもしれません。

新しい風を呼び込むように
鉄瓶を生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

FREEPARKでは南部鉄器と合わせて
ハーブティーもご用意させて頂きました。

日本の伝統的な鉄瓶と
世界のハーブをミックスしたティーの融合。
アンバランスな魅力を感じていただけたら
嬉しいです。

どうぞよろしくお願いいたします。

▼商品ページはこちらです▼







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