完璧を追い求めても意味がない
いつも記事を読んでいただきありがとうございます。
今回は「完璧主義の功罪」について解説します。
日本の水際対策
昨日マレーシアから日本に帰国した際に、日本のコロナ禍における水際対策を体験しました。
日本は入国する際に「ワクチン3回接種証明」または「72時間以内の陰性証明」の提出が義務付けられています。
加えて「Visit Japan Webサービス」に登録をしていない人は空港内で別対応することが求められ、入国するまでにかなりの時間を要することになります。
私は「Visit Japan Webサービス」に登録していなかったため、空港内で40分ほど足止めされ、入国にかなりの時間がかかりました。
(Visit Japan Webサービスに申し込んでおけば良かった話しではありますが、そこまで入国に厳しいとは思わなかったので、登録せずにいました)
また中国からの入国者にはさらに厳しい検疫が課されているようで、中国や香港、マカオからの入国者はさらに別枠で対応を求められていました。
今回の海外でタイとマレーシアで入国審査を受けましたが、両国ともワクチン接種証明も陰性証明もいらず、また「Visit Japan」のような手間のかかることも一切なく入国することができました。
私はここに日本の「完璧主義」を感じました。
完璧はあり得ない
日本は現在新型コロナウイルスを2類から5類に警戒度を引き下げる議論がされていますが、現時点では2類のため非常に入国の際の水際対策に力を入れています。
私はこれを、日本は今でも入国する際に感染者は入国させないという「完璧に入口で封鎖する」ということをやっているように見えました。
しかし、この3年間でどれだけ水際対策を行ったとしても高度にグローバル化した現在で完璧にウイルスを押さえることは不可能なことはよく分かったのではないでしょうか?
それよりも世界の国ではウイルスが一定の割合で増えることは覚悟で入国に制限をかけることによるデメリットよりも、入国に自由度を与えて経済が回ることを優先させていました。
そしてマレーシアの人たちは発熱したとしても病院に行くことはあまりないと現地の人が言っていました。
これは日本に比べて保健の整備が整っていないからという理由もあると思いますが、それ以上にちょっとした発熱や病気は、放っておいてもそのうち治るから病院に行っても意味がないという合理的な判断があるのです。
ところが日本人は現在発熱したらほぼ間違いなく病院に行って、感染の疑いがあればPCR検査を受けるのではないでしょうか?
これは日本人全体に「コロナにかかったら報告する義務がある」と思い込んでいるからだと思います。
ところが結果はどうでしょうか?
どこまで予防しても、ワクチンのブースター接種をしても、マスクをしても、発熱してPCR検査を受けたとしても日本国内の感染者数は減っていません。
つまりウイルスを完璧に抑え込むことは出来ないのです。
完璧主義の功罪
私はこの日本人の完璧主義は、製品づくりやサービスなど、徹底的にやりつくすという意味で、とても素晴らしい資質だと思っています。
しかし、一方で未知のものに対して完璧を求めても、不明点が多くてわからないことに対して完璧を求めることはやりすぎだと考えています。
これは今回のコロナ対策で非常に浮き彫りになりましたが、他にも様々な場面で完璧主義がマイナスに働いていることはたくさんあります。
例えば企業が新規事業を行うときにも、この完璧主義はマイナスに働くことがあります。
新規事業なのだからある程度のところまでは計画を詰めますが、最後それがいくら売上げが立つかとか、いつから収益化ができるかはやってみないと分からない部分が多分にあります。
しかし、多くの会社で新規事業のプレゼンをすると「どのくらい売れるの?」「いつから黒字になるの?」「1年で収益化は可能なの?」とやって見なければ分からないことを聞いてくることがとても多いのです。
もちろんある程度の見通しは必要だと思いますが始めてみたら想定外のことはいくつも起こりえます。
そのすべてを最初の想定することができません。
そのためまずはある程度の予算と期間を決めて、その中で様々な障害を乗り越えるべく最善を尽くすようにしないと新規事業の立ち上げなどできません。
つまりここでも上司は知らず知らずに完璧主義で判断しており「絶対に失敗しない新規事業」でないとOKを出さないと言っているのです。
これが日本の企業で新規事業、イノベーションが起こらない理由なのです。
まとめ
日本人の細かなところまで気が付き、そこを探求しつくすという資質はとても素晴らしいと思いますが、これはある程度結果が分かっていることに関しては成り立ちます。
しかし、未知なものに対して完璧主義を貫こうとしても、それは意味がありません。ある程度のバッファを持たせ、その時々で判断を下していく柔軟さが無ければ、物事を前に進めることができないのです。
完璧主義をいつ出すかは、その時の置かれている状況や課題の種類によって判断しなければなりません。
いくら考えても仕方ないことに関してはとにかくやってみて、その結果を見てまた判断を下していく柔軟性とスピードが必要になります。
皆さんもぜひ自分が完璧主義の罠に陥っていないかを考えてみていただければと思います。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。もし今回の記事が参考になったと思っていただけましたら「スキ」「フォロー」いただけるととても励みになります!!
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