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ライブレポート『Ginger Root@Umeda Club Quattro』

(ライブレポの過去記事はこちらからお読みいただけます↓)

12月、Dry Cleaning振りの梅田クワトロ。(2022年12月執筆)

当方DJイベントの告知用にと始めたはずのnoteですが、実は本編以上にサブ連載の方が盛り上がってしまいまして。なんだかなあ。とはいえ根強い人気コンテンツを例示しますと、イヤホンレビュー、ハードオフ探訪記、そして今回ライブレポをお届けしますGinger Rootの「Loretta」評が挙げられそう。本当に、感謝感謝です。ありがとうございます。頭痛が痛い。

本当に心の底から待ち望んでいた来日公演が、まさかの大阪スタート。これ以上の出来事はない、LIVENATIONの会員先行で最速ゲット。新年10日から始まるツアーというのもなかなか乙、少し遅めのお年玉になんて日本愛すら感じさせてくれる。そこから主宰が導き出したある仮説。辞めて久しいSNSに年末頃から意気揚々と張り付いて、密かに捜査の手を伸ばしていた。

【超メタ考察】Ginger Root、日本で年越した説。

年末年始くらいはこう家でゆっくりするものなんじゃないの。なぜ彼が初春も初春、日本へやって来ることを選んだか。そこしか会場FIXできなかった⁉そんな悲しいこと言わんで…とにかく「何かデカいプロジェクトをお抱え」のようですなあ。例えば、竹内まりやさんがラジオでGinger Rootを取り上げ→当然本人の耳に届き→「合作を作りませんか?」ツイートまでした流れ。

あるいは自身がプロデュースした希美子ちゃん関連なのか。レコーディングせっかくだから日本でやろうよ的な、匂う…匂わせが過ぎるぞ。まさか正月からスタジオinなんてのはなかろうまい、恐らく師走の暮れに進捗があったものと思われます。何かしらのTVネット等への露出も十分、射程圏内入り。繰り返します、これらは全て妄想の産物です!!どうか真実であって欲しい。

中津で途中下車。(1月10日執筆)

しかしなんてことはない、ツアー3日前に日本へ飛び立ったということですから全てが徒労に終わりました。気を取り直して真昼間の阪急中津駅に降り立つと、一昨年末以来となるシネ・リーブル梅田へ辿り着き2023映画初め。こちら大変素晴らしい作品でしたので後日、是非ともレビュー稿を打ちたい所存であります。『ケイコ 目を澄ませて』論、どうぞお楽しみに。

さすがソールドアウト公演とあって、コロナ禍以降の現場では最も息苦しく気温湿度共に高かった。定刻。「希美子ちゃんのそっくりさん」でお馴染みアマイワナのオープニングアクトで日本ツアー初日がスタート。ピチカートあるいは90sのコーネリアス、2000年のお生まれですからcapsuleあたりの影響もあるでしょうか。あのサングラスでフレンチポップ調でしたから。

(余談ですがアマイさんって河合奈保子さんに凄く似てらっしゃいますよね…)

電光掲示板にブラウン管テレビ、カムコーダー。

ローテクが回り回ってむしろハイテクに転じた現代、正直ここまで大掛かりなセッティングは予想してませんでした。かなり気合入ってますねこれは。19時40分過ぎにGinger Rootが舞台に上がると、そこからもう梅田クワトロ長年の懸案事項「この床いつか抜けるんちゃうか」状態を延々21時近くまでやりました。ずーっと揺れていた。軽い船酔いのような感覚に襲われて。

M-1 City Slicker
M-2 Neighbor
M-3 Karaoke
M-4 Le Chateau
M-5 Holy Hell
M-6 Over The Hill
M-7 Juban District
M-8 残酷な天使のテーゼ(COVER)
M-9 東風〜Tighten Up〜Firecracker〜雷電〜君に、胸キュン。(COVER)
M-10 Fly Too
M-11 Nisemono
M-12 Loneliness
M-13 Loretta
M-14 Weather

En-1 Mahjong Room
En-2 Dress Down(COVER)

新旧作からバランス良く配置されたセットリスト。アメリカツアーから話題になっていたエヴァOPと秋元薫のカバーが素晴らしかったのは勿論のこと、衝撃的だったのはYMOメドレーですね。これでもかと水をガブ飲みし、髪をかき上げ、大きく息を吐いてましたから相当気負ってたことでしょう。幕間のVTRや小芝居も非常に凝ってましたし、カメラマン芸も秀逸だった。

大阪勢、ファインプレーの応酬。

整理番号を待つ行列の時点から、面白そうな小道具を小脇に抱えた紳士淑女の姿を目視確認。ジャニヲタさながらのうちわやボードが並んでおりましてこれにはキャメロンもアマイさんも思わずニッコリ。日本語のMCが驚くほど堪能で、小ネタ一つ一つに「日本のお笑い」のクリシェが透けてくる感じ。夏フェス界隈にも是非、進出して欲しいところですね。確実に盛り上がる。

(これも余談ですがアマイさんって木之内みどりさんにも凄く似てますよね…)

せっかくの初来日公演ですから、一縷の望みをかけダブルアンコール敢行…さすがに無理か。しかしナイストライ。1月の大阪てこんな汗ばむ陽気でしたっけ?馴染みのバーにシットインし、さすがに呼吸を整えた。本来であればもっと早くに叶っていたはずの夢舞台。とうに忘れかけていた梅田クワトロの景色。そっか、帰り道ってこんな風にデタラメに混雑するんだったな。

「シティ・ポップ」観の払拭、あるいは精算。

例えば90年代以降の「渋谷系」あるいは「下北系」にも通ずる、心地の良い違和感。特に考えもなく「シティ・ポップ」と一括りにされてしまう時代に我々リスナーのみならず、アーティスト達も取り込まれ始めている気がしてなにか複雑な心境。主宰も「シティ・ポップ」という言葉はできるだけ乱発しないよう心掛けているつもりです。正直あまり好きなワードではない。

そんな最中、突如としてGinger Rootという逸材が浮上してきました。端的にセンセーショナルな出来事でした。ここ10年のシーンの飽和状態を総括するよな、あるいは根底から壊してくれるよな音楽。ディスコなのに物悲しく、シャウトとウィスパーとが同居していて、ローテクのフリをしたハイテク。「Dress Down」のカバーでライブを〆るなんて発想はさすがにヤバすぎる。

(客出しBGMで明菜ちゃんが流れ始めた瞬間、会場かなり騒つきました…)

バンドサウンド、ボディ・ミュージックへの回帰。

バンドサウンドの希薄化=洗練された音楽、といったような風潮も最近少し気に障ってしまいます。そんな流れの中にあってGinger Rootの音楽は非常に泥くさく、なんというかこう「汗の匂いがする」音楽というんでしょうか。コロナを着実に乗り越えつつある今だからこそ、一体感の味わえるサウンドを求めてしまうのは主宰だけすか。

という訳で「ライブレポ1000本ノック」今後の連載予定としまして。2月にPhoebe Bridgers@京都、そして4月にはMen I Trust@大阪が現時点で確定。更に状況次第では同じく2月、ビルボード大阪でTuxedoを迎え撃てる可能性が急浮上してまいりました。これは楽しくなるねえ。映画鑑賞と併せて、月1ペースくらいを堅持していければ最高ですね、の所存です。

【超メタ考察】Ginger Root、年明けに何か悪いこと企んでる説。

メタ推理で始めましたのでメタ推理で〆ましょう。ズバリGinger Root、日本公演を終えた2月から6週間の観光旅行を計画中だそう。ええやんええやん。ただ気になるのは旅行の開始時期ですよねえ…13日に日本公演千秋楽、その後20日に韓国公演が予定されているとはいえ。なーんか奇妙なスケジュールの谷間ふたーつできとるよねえ…これは絶対何かあるよねえ。

個人的にはEテレとか、ニートtokyoとかにしれっと出るThundercatみたいなムーブをかまして欲しいところ。正直かなりバズると思いますね。アルバム単位と言わず、何かにかこつけて「祝いするぞ!」とのたまっては年1くらいのペースでガンガン日本へ遊びに来て下さい。楽しみに待っておりますよ。フラフラ大阪を歩いていたら不意にすれ違うんじゃないかって信じてます。

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