マガジンのカバー画像

音楽

45
聴いた音楽の感想
運営しているクリエイター

記事一覧

これはだらだらした夏向き - Chacha - Black Eyes Stranger

ルーツレゲエとダブをよりデジタルっぽい処理を施した楽曲。

女性ボーカルもキャッチーといえばキャッチーなんだけど、ダラダラ。

テンポをあげてしゃきっとするのもいいけど、こういう暑さに負けてくだ巻いている曲もいいね。

Upside Down - Jesus And Mary Chain

世界中のロック、特にシューゲイザーが復活した2,000年代以降のロックに多大な影響を与えたマイ・ブラッディ・ヴァレンタインのラブレスは、一曲目以外はあまり良さがわからないというのが個人的な感想。

マイブラから遡ってジザメリを聴いたときは、なんだこっちが本家じゃないか、と思ったもので、ノイズと美メロの洪水には驚かされたものだ。しかし、セカンド以降はノイズが取り払われ普通のバンドになってしまった。

無冠の帝王 - Foetus – Gash

無冠の帝王 - Foetus – Gash

インダストリアル・メタル開祖の一人であるジム・フィータスの1995年作。NINとミニストリーのチャート上での成功後、初めてメジャーに舵を切った作品。

映画音楽、インド、ジャズなども飲みこんだドラマチックでバラエティに富んだ楽曲は相当に魅力的。しかし、残念なことにセールス的には今ひとつだった様子。

普通のメタルやロック好きのリスナーに聴かせると、疾走感のある2曲目のMighty Whityだけい

もっとみる

ARCAと全盛期のNINが合体したような危険な音 - NAKED - 'BITE'

艶かしく体温が感じられるインダストリアルな楽曲に魔女の叫びのようなヒステリックかつノイジーな女性ボーカルが合わさった曲。一般受けはしないだろうが好きな人にはたまらないはず。

MVは血生臭い音に似つかわしくSMと拷問の要素があるため視聴には年齢制限がかけられている。最後に黒い液体を嘔吐するが、出血もないし、そこまで暴力的ではないがセクシャルな雰囲気はあるのでまあ子供向きではない。

これは最高に頭の悪いロック - In/Humanity - live at The Jam Room 1995

愛すべきアホたち。ライブが始まる前からニヤついてるボーカルが良い味を出している。私服なのか、本人としてはドレッシーに決めたのかわからないようなファッションも高得点。

ステージというよりは、どこかの隅っこに機材を運んでライブをやってるのもパンク。座ってる客にスタンディングを要請するのもパンク。モッシュの有無ごときで文句を言ってる日本人はパンクじゃなくてただのプンク。

曲は短く、アナルカント系のグ

もっとみる

ソーラン節をサンプリングしたトランス - Ubar Tmar - Souran Bushi

トランス系のアーティストとして90年代から活動しているUBAR TMAR。主にサイケデリックトランス寄りの曲を作っているが、この曲は往年のエピックトランスに通じるポップさがある。日本人ならではのこのアイデアは、祭りを体験しているような高揚感があって思わず身体が動く。

よさこいや、本場のイベントで使ってくれればもっと定着してくれるのに。

UBAR TMARは、昔イベントで見たときはキモオタのよう

もっとみる

funkyfunkyなジャズヒップホップ - US3 - Cantaloop (Flip Fantasia)

だいぶ昔にきいたことがあった曲。ふとfunky funkyの腰砕けなフレーズが頭に浮かんで無性に聴きたくなり探したところすぐ見つかった。

ジャズヒップホップといえばATCQがすぐに思いつく。wiki情報によるとブルーノートからサンプリングできる権利を持っているとか凄い。マッドリブもそうだったかな。

US3という名前なのにイギリスのアーティストだったのか。

ゆるーい音が最高に気持ちのいい曲。ほ

もっとみる

非商業音楽の鑑 - Esplendor Geométrico - Sheikh Aljama (1991)

スペインのインダストリアルユニット、エスプレンドー・ジオメトリコの91年作。ブチュ、ビチュ、グジュ、ジャーと、変調した原始的な電子音が鳴り、低音を極端にカットして歪ませたリズムの上にイスラムっぽい歌がのる。AMラジオで聴いたら余計に楽しい音質になりそう。

次の曲は激しいノイズの雨が降り注いでくる。

曲によってはイスラム系の歌を丸々サンプリングしていたり、テクノっぽいベースも刻んだりしている。

もっとみる

深い趣のあるダークアンビエント - ASC - Rainfall (Full Album)

全体を通して、SFにもホラーにも聴こえるのに、オーガニックっぽさも感じられるアルバム。

リズムレスでパッド系の音が空間に漂い、その背後から抽象的な音響がチリチリと鳴っている。

一時間半ずっとこの調子なので音響系に慣れていないと即座に消してしまいそうなアルバムだ。

部屋の電気を消して目を閉じて音とだけ向かい合って聴くような鑑賞方法は、いま思うと瞑想みたいだった。

このアーティストはサックスの可能性を押し広げているのではなかろうか - Bendik Giske

最初にMVもあるAdjust(男色満開でちょっと引いてしまった)を聴いたときは、録音した素材を編集・加工する定番の手法で作っているのかと思っていたが、後日観たライブではリアルタイムで演奏していてびっくりした。

フリージャズのように先鋭的なサウンドは緊張感過多でコアなリスナー以外は敷居が高いのだけど、このアーティストはループを基調としているため、反復による聴きやすさと催眠性が高く、ポップな雰囲気が

もっとみる

ベースはダブの魂 - Dub Me Crazy!! - Mad Professor

1982年作。快楽度の高い耳馴染みの良いベースに、ディレイ、リバーブ、フェイザーを駆使したリズムとサウンドエフェクトが重なる王道のダブアルバム。

マッシヴアタックの某曲で使用されたベースラインがあってニンマリ。

ダブはマッシヴアタックが入口だった。セカンドアルバム『Protection』の丸ごとリミックスである『No Protection』を作ったのがこのマッドプロフェッサー。リミックスの存在

もっとみる

ジムの筋トレ曲にうってつけ - THE DILLINGER ESCAPE PLAN - Milk Lizard

ロカビリーを凶悪にしたようなグルーヴィなイントロから血圧上昇が確定。デス声に頼らないシャウトしまくりのボーカル、ピアノやホーン系の音色まで登場するフリーキーな展開の先に合唱系のアツすぎるサビが炸裂! 二度目のサビの後にかまされる強靭なリズムとギターにのせてFNM時のマイクパットン風のボーカルがthis feels like never endingと繰り返す高揚感は格別だ。

速くて狂った音楽なのにそこそこ聴きやすい - PIG DESTROYER - Terrifyer

アメリカのグラインドコア、PIG DESTROYERの3rd。2004年作。コンセプトアルバムらしい。

尋常ではない勢いのドラムと尖ったギターのリフが曲を引っ張り、ボーカルは喚き散らしているアグレッシブなもの。不気味なサウンドエフェクトや音声を散りばめるのはこのジャンルのお約束の一つ。

殺伐とした雰囲気なのにある種のポップさ、聴きやすさを感じるのは名盤たる貫禄か……いや、大半の曲が1分台という

もっとみる

ヨージ渾身のトラック - yoji biomehanika - techy techy

テッキーテッキーのボイスに合わせて腰の横で手を回す仕草はライブやイベント向きのアクションとはいえ、なかなかダサい。ま、そこが癖になるのだけど。

曲は歪んでビキビキした音色のシンセが爆ぜるアッパーなもの。2014年とかEDM全盛の頃にリリースされていたらもっと話題になっていたのかも。