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原典を読みながら環境・農業問題について考えてみる

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聖書や日本書紀、平家物語などを読みながら、「日本」について外国人に説明するにはどうしたらいいかとか、農村部の論理と都会人の論理がどう違うかと言ったことについてのヒントを考えていま… もっと読む
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条里制の起源と日本社会の「沼地」的あり方の関わり?

条里制の起源と日本社会の「沼地」的あり方の関わり?

皆様は「田んぼ」と言われて、どんな風景を思い浮かべるでしょうか?谷間の「谷内田」と言われるような場所でしょうか?、段々畑のような斜面に展開する田んぼでしょうか?それとも、平野部に広がる真四角な田んぼでしょうか?

日本列島に稲作がもたらされた当初、この真四角な田んぼは作られていませんでした。
当初は、自然の湿地帯等を改良して稲を植えるやり方が基本だったようです。
それがある時期から「条里制」と言っ

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これからは「ミャオミャオ時代」

これからは「ミャオミャオ時代」


転換後の時代をどう呼ぶか?

今は時代の転換点のようです。新しい資本主義だとか、ポスト資本主義だとか、人によって言い方は違いますが、何か「今まで」の社会のあり方が変わり、「これから」のあり方が産まれてくる…
おそらく、そうなのでしょう。
ただ、それを「新しい」とか「ポスト」とかと言うのは、「今まででないもの」と言っているだけの事です。
「これからの時代」の特徴を捉えて、「平安時代」とか「鎌倉時代

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危険な暑さの中の農作業用品は何がいいか?

危険な暑さの中の農作業用品は何がいいか?

今年も危険な暑さの時季がやってきました。

例年最高気温35℃以上の猛暑日は、8月になることが多いのですが、今年は7月から起きています。

実は、半農生活では、この猛暑日への対応も重要です。

農家の人は、暑さがひどい時季は、朝早くとか夕方に農作業すると言う事もあります。

暑い日中に農作業はしないと言う事です。

「半農」の場合、これがなかなかできない事があるのです。

休みの日は今日しかない、

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聖書やお経について学べば、キリスト教や仏教を理解したことになるか他

聖書やお経について学べば、キリスト教や仏教を理解したことになるか他

僕は、旧約聖書と新約聖書全部を4-5年掛けて音読しました。平家物語もしました。

日本書紀や萬葉集は音読はしませんでしたが、一応、全部読みました。史記とか老子・莊子のような漢籍も読んでいます。

数年前から仏教の勉強をしてみようと思い、仏典も読むようにしています。

ただ、ここで問題なのは、仏典(お経)を読んだら、仏教を理解したことになるのかと言う事です。

いや、読んだだけじゃダメだ、ちゃんと理

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キリスト教と仏教の比較の前提他

キリスト教と仏教の比較の前提他

僕が高校生の頃は、けっこう、キリスト教と仏教の比較みたいな本があったと思います。

大河ドラマの「八重の桜」の中で初めてキリスト教に接した八重が、「罪を許せって司法省はなんのためにあるのだ」と聞くと米国人宣教師が「今は、魂の話をしているのです」と答えるシーンが出てきます。

八重は「ヤソの神様は変なことばかりいいなさる」とつぶやいていました。

僕が子どもの頃、この手の話題が多かったと思います。最

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「計算」とは数について、ある「操作」を行う事だと言うこと他

「計算」とは数について、ある「操作」を行う事だと言うこと他

トランプの2枚めくって出た数字を使って「計算」をする事を考えてみます。

その際、ポーカーチップを並べて計算をしてみましょう。

例えば、「8」と「3」が出たとします。

「8+3」は以下のようになるでしょう。

8枚のチップと3枚のチップを並べて、両方を合わせれば11枚のチップが並ぶことになります。

続いて、「8-3」をやってみましょう。

8枚のチップと3枚のチップを並べて、3枚づつ「チャラ

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そもそも「農業」、特に半農生活や環境問題とかを言う人は、「自分の世界」を自分で支配したい気持ちが強いかもしれない。

そもそも「農業」、特に半農生活や環境問題とかを言う人は、「自分の世界」を自分で支配したい気持ちが強いかもしれない。

「権力への意志」と言う言葉を聞くと、仮面ライダーのショッカーとか、ガッチャマンのギャラクターとか、実写版ヤッターマンで深田恭子さんが演じてたドロンジョとか、世界征服を目指すみたいな事を連想する人もいるかもしれません。

しかし、「世界」と言うのは、2つの意味があって、ひとつは「全世界」で、もうひとつは「自分の世界」です。

この「自分の世界」への「権力意志」、つまり、自分の世界は自分だけのものなん

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冠水を越えて・・・オクラの本葉が出る

冠水を越えて・・・オクラの本葉が出る

ノアの方舟物語では、洪水の後、ノアが鳩を飛ばすと鳩はオリーブの若葉を加えてきます。

それでノアは、水が引いた地があることを知ります。

でまぁ、この後、方舟から出てきたノアと地上の全ての生き物に対して、神様が

「世界が続く限り、種まきと収穫、暑さと寒さ、夏と冬、昼と夜は終わることがない」と約束されて、

この世界がある限り、農業の営みと季節の循環は続くんだって事になるわけです。

この聖句の「

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家庭菜園、半農生活と責任、持続性他

家庭菜園、半農生活と責任、持続性他

「碁に凝ると親の死に目に会えない」と言う言葉があります。

囲碁にハマってしまうと、親が亡くなると言う時でも、行かないで囲碁をやっている・・・

何かにハマってしまうと、他の事はどうでも良くなると言う意味です。

現代だったら、パチンコ依存症とか、ゲーム依存症みたいなことかもしれません。

僕の知り合いで何人か若年性の「脳梗塞」をやった人がいます。食生活とかお酒の飲み過ぎとかがあったようで、奥さん

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江戸時代、リンゴは広島県・新暦7月に存在したか?

江戸時代、リンゴは広島県・新暦7月に存在したか?

井原西鶴の「好色一代男」の巻五「当流の男を見しらぬ」の章に「山がつの手籠に入れ林檎の盛りを見せける。それかえと腰につけたる銭をなぐる」と言う表現が出てきます。

山にいる人がリンゴを籠に盛ってきた、それを買えと腰につけていた銭を投げたと言う意味です。

舞台は安芸(現・広島県)、旧暦6月で新暦7月頃に相当します。

好色一代男の初版は天和2年(1682年)です。小学館の日本古典文学全集の解説によれ

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中立的な説明は、活動を促進する他

中立的な説明は、活動を促進する他

先日、近くの畑がある農家の人が、僕が草取りをしているところにやってきて、畑の前の部分、刈払機で刈ろうかと声をかけてきてくれました。

僕は、その際、実際に草を一つ一つ示しながら説明しました。「これはイヌムギと言って、もうじき枯れて倒伏する。すると倒伏した部分の地面を覆って他の草が生えるのを防ぐから刈らない方がいい。」

「これは背が高くなる地下茎タイプの草で、昨年、ここで刈払機を使ったが、地下茎が

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「同時季出現性雑草」と言う考え方、上代の歌と野菜や農具のこと他

「同時季出現性雑草」と言う考え方、上代の歌と野菜や農具のこと他

「鉄の古代史(奥野正男)」には、遺跡から出土した木器の話も出てきます。菜畑遺跡から出土した諸手鍬は平鍬、片刃鍬は三角鍬に形が似ています。

「九州北部の木製農具は、板付遺跡、菜畑遺跡例などにより縄文時代晩期~弥生時代前期末に、諸手鍬による耕起、又鍬による砕工、エブリによるかき鳴らしと言う三段階に必要な農耕具が揃う」

と書かれています。

ここで思い出すのは、日本書紀に仁徳天皇の歌として出てくる「

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カブのマリネ試食作戦成功♪、農業でも算数教育でも「やりたい理由」は「ゆるゆる」、「たらたら」でいいけど「力強さ」があればいい他

カブのマリネ試食作戦成功♪、農業でも算数教育でも「やりたい理由」は「ゆるゆる」、「たらたら」でいいけど「力強さ」があればいい他

5/14(日)、としまNPO推進協議会の「えんがわ市」(池袋第二公園)でお野菜を売りました。

直前にTwitterで「カブのマリネ」の事を投稿している人がいて、面白いと思ったので、自分でも作ってみました。

けっこうイケるのでこれを試食してもらいながら、お野菜を売ったらどうだろうって思ってやってみました。

カブは早々に売り切れました。他のお野菜もよく売れました。

まず、会場に来た人に「カブ、

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算数をなぜ学ぶ必要があるか?について、改めて

算数をなぜ学ぶ必要があるか?について、改めて

このところ、算数教育や不登校の問題をめぐり、いくつかの出会いがありました。

改めて、なぜ、(算数を)学ぶのか?みたいな事を考えさせられています。

だいぶ以前に、ある自治体の環境総合計画を作るのに関わった事があります。

当時、環境基本法が制定されたばかりで、国は自治体が環境総合計画を作るなら、補助を出すと言っていました。

ただ、自治体側の「自己負担」もあり、なぜ、そういう事に予算を使わねばな

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