介護の学び#16【お金に向き合うことの重要性】
介護業界での20年近くの経験をもとに、学んだことについて投稿していきたいと思います。
今回のテーマは【お金に向き合うことの重要性】です。
介護の仕事をしていると多くの方に出会います。
その中で出てくる話の一つに”お金の話”があります。
現実的な話になってしまいますが、人生について考えるときお金の話は絶対に必要です。
介護サービスを受けられる方の中でも、お金がもととなった人間関係の悪化やトラブルなどを多く見てきました。
費用が足りずにサービスが限定的になる…
費用面で家族様と利用者様の意見が合わず不仲になってしまう…
亡くなられた際の諸々について金銭的な問題で家族関係が悪化する…
利用者様自身が「お金がないから…」と不安な毎日を過ごす…
などなど、
ふと思い返すだけでも多くのお金に関係する現実的な内容を目にしていきました。
…介護の仕事ってお金なんて関係ないんじゃないの?
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、介護の仕事であってもお金に関して触れたり考えさせられる場面は多々あります。
やはりお金に余裕があるとないとでは心のゆとりはもちろん、家族や人との繋がりに関しても状況は大きく異なります。
費用が充分にないからといって介護サービスが全く受けられないということではありません。
しかし、お金があることで…
・選択肢を限定されない
・心の余裕・人間関係のゆとり
・良質な関係の維持・向上
などに繋がりやすくなります。
逆にお金があったとしても上記のようなことに繋がらないことも勿論あります。
そもそも、お金は必要なんでしょうか?
現段階での技術では老いることを遅らせることは出来るかもしれませんが、老いるということを止める方法はありません。
老いていくことによって、身体のメンテナンスはもちろん、様々なところにお金は必要になります。
だからこそお金は必要だということが言えます。
とはいえ、年齢とともに出費が減っていくとも言われています。
アクティビティや余暇時間に対するお金の使い方が変化したり、社会交流の減少、子育てや家族、生活にかかる費用が減少したりなどがあるからです。
では結局どうしたらいいのか…
それは将来を見越してお金をどのようにどの程度使うのかを想定し、そこに生じてくるであろう問題を関係のある人と相談しながら長期的な目線で蓄えをつくっておくことが大切なんです。
決して、お金が充分にないからといって幸せになれるなれないということをご紹介したいわけではありません。
お金と向き合い、お金と人生をセットで考えていくことがなるべく早い段階で必要になってくるということです。
介護の仕事を通して学んだ【お金に向き合うことの重要性】
ある利用者様と家族様(子供)の話です。
利用者様は認知症はないものの、身体が思うように動かずに日常生活に支援が必要なため、施設で長期のサービスを受けておられました。
携帯電話を持参されており、いつでも好きな時にご家族と話すことができました。
電話を終えられた後はいつも笑顔で楽しそうにしておられたのですが、その日はどこか考えているというか悩んでいるような表情でした。
どうされたのかお声掛けをすると、
………
お金の話って本当に難しい…
もう歳もとって先も短いから特にため込まなくてもいいと思うんだけどな
子供たちはそうは思わないようで…
施設の売店からの請求の件で今日も怒られてしまって…
お菓子とコーヒーは昔からの楽しみなのに
費用を抑えるために制限してほしいって言ってくるんだよ?
僕の蓄えは豪遊できるほどあるわけではないけど、でも売店でお菓子とコーヒーを楽しむくらいのお金はあるんだけどな…
はじめは費用を抑えるためだと言いながら、費用はあるはずだと伝えると、次は身体のことが心配だからって話が変わっちゃうんだよ?
おかしいというか、なんというか…。
一カ月に2500円…他の利用料金は全部で○○円、払えないような蓄えじゃないのにな
恐らくこのままの支払いは25年以上は続けられるし、平均寿命から考えても、あと25年も僕は生きていないよ
僕だって計算できるんだから
たくさん働いてきて蓄えたお金もお墓に持っていけないし、妻も先にいってしまったから必要ないのにね
僕はたくさん働いてきたんだよ?(笑)
働いてた時はお菓子もコーヒーも買ったりしなかった
厳しい状況だったからね、お金がなかったからではなく、そんな時間すらなかった。毎日必死だったんだよ
やっとゆっくり…と思ったんだけどな…(笑)
お金とは一体なんだろうね?
笑っちゃうよね。
絶対にお金はきっちりしておいた方がいい。
こんなこと、馬鹿らしいよ
…………
その利用者様は有名企業の方でした。
身なりもいつも整えられており、まさに気品あふれる方でした。
なんとも言えない表情を浮かべて、少し笑いながら静かに話してくださったその姿を見て、私は【お金に向き合うことの重要性】を学びました。
ただあればいいというものではありませんし、とはいえ足りなすぎるというのも考えものです。
でも大切なのはお金をどのように考えるかではないでしょうか。
あるものはある、ないものはない…それでも付き合い方はあります。
お金について向き合って考えることは、自分自身の人生や周りの大切な人との繋がりを考えることと通じているのではないかと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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