ちいさな管理(マンション管理コンサルタント)

分譲マンションの管理組合業務をサポートしているマンション管理士です。マンション管理に役…

ちいさな管理(マンション管理コンサルタント)

分譲マンションの管理組合業務をサポートしているマンション管理士です。マンション管理に役立つ情報や現場あるあるなどの記事を掲載しています。 分譲マンション管理組合の理事の方や、マンション管理にお困りの方のお役に立てばうれしいです。 https://s-kanri.com

記事一覧

固定された記事

ビル新聞でのコラム連載が始まりました

みなさま、ご無沙汰しています。 しばらく、noteへのコラム掲載が中断していました。 実は、noteのコラムがきっかけで、ビル新聞という業界紙に声を掛けていただき、…

元理事長が連れてきた、建築士の話(ビル新聞連載コラム 第23話)

長期修繕計画書作成をめぐる、怪しい建築士の話マンションの修繕積立金が爆上がりしているという報道を見かけるようになった。 修繕積立金とは、マンションの共用部に対す…

理事会の議事録は誰が書く?(ビル新聞連載コラム 第22話)

作成を巡ってさまざまな悶着が起きる管理組合の議事録マンションでは年に最低一度の集会(総会)開催が区分所有法で義務付けられている。 総会以外にも、1-2か月に一度の割…

機械式駐車場は負の遺産?!(ビル新聞コラム 第21話)

まさかの機械式駐車場再建築!! 一方、築12年で使用停止も! 最近、非常に興味深い話を聞いた。築12年のマンションで機械式駐車場を使用終了、つまり通電を止めて運用を…

ビル新聞連載コラム 第20話「騒音問題」は解決したが・・・

異音問題に首を突っ込み、パンドラの箱を開けてしまった苦い経験 某マンションでは、この日も特に誰からも意見や提案が出ることもなく、理事会が終わりかけていた。私が閉…

お騒がせ夫婦の不法投棄(ビル新聞連載コラム 第19話)

警察出動! 夫婦喧嘩で消防車を呼んだマンション住人を前回ご紹介したが、彼らは退去の際も規格外であった。  ある朝、管理員さんから携帯電話に連絡が入った。 「ゴミ…

夫婦喧嘩と管理組合(ビル新聞連載コラム 第18話)

消防隊が出動!マンションは一個の運命共同体だ。 一致団結して共有する建物の維持管理に努めれば、その共同体の未来は安泰だ。ところがその共同体の構成員は一様ではなく…

理事長選に見る、管理組合の不毛(ビル新聞連載コラム 第17話)

押し付け合いが半端ない!理事長選のトホホ話 理事会で最も不毛な議論は理事長の選任に関するものだ。 理事長は、総会で決議された事案を遂行する。 日常に起こる管理つ…

解決が難しかった漏水、その原因は?(ビル新聞連載コラム 第16話)

漏水、それはマンション管理の担当者が恐怖する「マンションあるある」の一つだ。 戸建住宅の場合、漏水が発生しても被害はその家の住人に止まり、ご近所に迷惑をかける…

嵐を呼んだ、修繕積立金の値上げ!(ビル新聞連載コラム 第15話)

分譲マンションでは、共用部の大規模な修繕に多額の費用がかかる。例えば大規模修繕工事の場合、戸数や内容にもよるが1戸当たり100万円程度の支出となる。 高額な修繕費は…

マンションのモンスター(ビル新聞連載コラム 第14話)

モンスターは管理組合の死活問題 マンションにはモンスターが生息しているという話は、単なる都市伝説ではない。  分譲マンションでは管理に関する重要な事柄は、選出…

マンションの売り時は? ~修繕積立金の値上げとある理事の決断~ (ビル新聞コラム 第13話)

「理事会当番がオリンピック周期とはいくら何でも早すぎる・・・何とかならないのか・・・」 これは、とあるマンションの理事長がもらしたセリフだ。 そのマンションは小…

冊子プレゼントのお知らせ

管理組合運営 基本のハンドブック発行とプレゼントのお知らせ4月29日、管理組合運営のための冊子「管理組合運営 基本のハンドブック」を発行しました。 これは、管理組…

無料!マンション管理運営講座開催 in大阪

6月3日(土)13:30~「マンション管理運営 超!基礎」講座を開催のお知らせ この度、マンション管理組合運営に関する無料講座を開催することになりました。  新た…

マンション敷地外の「もめる建物」

一時期、保育園や保育所の子供たちの声が騒がしいと言って、地域住民の反対にあい、建設が中断したり白紙にされたりするというニュースが話題になった。 マンション周辺で…

マンション管理の巨匠、管理組合を選別か?!

理会社フロントマンの担当者変更、実は・・・ 管理会社時代に、マンション担当者歴数十年という、エキスパートなマンション担当者がいた。 大変穏やかでかつ知的な方で…

ビル新聞でのコラム連載が始まりました

ビル新聞でのコラム連載が始まりました

みなさま、ご無沙汰しています。

しばらく、noteへのコラム掲載が中断していました。

実は、noteのコラムがきっかけで、ビル新聞という業界紙に声を掛けていただき、わたしのマンション管理業界での経験話を連載いただくことになり、この5月9日に第1話が掲載されました。

※記事の下で、第1話の画像を掲載しています。

昨年の年末に、マンション管理会社での経験を「忖度なく書いていいよ」とお誘いいただ

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元理事長が連れてきた、建築士の話(ビル新聞連載コラム 第23話)

元理事長が連れてきた、建築士の話(ビル新聞連載コラム 第23話)

長期修繕計画書作成をめぐる、怪しい建築士の話マンションの修繕積立金が爆上がりしているという報道を見かけるようになった。

修繕積立金とは、マンションの共用部に対する大掛かりな修繕工事に備える為、所有者が一定額を毎月拠出し管理組合が積み立てる資金のことである。

この金額は何の根拠もなく決められる訳ではない。「将来予想される修繕工事等を計画し、必要な費用を算出し、月々の修繕積立金を設定するために作成

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理事会の議事録は誰が書く?(ビル新聞連載コラム 第22話)

理事会の議事録は誰が書く?(ビル新聞連載コラム 第22話)

作成を巡ってさまざまな悶着が起きる管理組合の議事録マンションでは年に最低一度の集会(総会)開催が区分所有法で義務付けられている。
総会以外にも、1-2か月に一度の割合で理事会が行われるのが一般的だ。

これらの会議で話し合われた内容や結果は議事録にまとめられ、遡って確認できるように備えられる。この点で会社やその他の組織と同様だ。マンション管理組合の議事録が一般社会と異なるのは、その作成をめぐりしば

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機械式駐車場は負の遺産?!(ビル新聞コラム 第21話)

機械式駐車場は負の遺産?!(ビル新聞コラム 第21話)

まさかの機械式駐車場再建築!! 一方、築12年で使用停止も!

最近、非常に興味深い話を聞いた。築12年のマンションで機械式駐車場を使用終了、つまり通電を止めて運用を停止するというのだ。

 このマンションの機械式駐車場は昇降横行式と呼ばれるもので、パレットが水平と垂直に動き、車を出し入れするタイプのものだ。都心部で広く採用されている。

 駐車場の利用契約が満車に近い場合は、使用者から毎月支払わ

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ビル新聞連載コラム 第20話「騒音問題」は解決したが・・・

ビル新聞連載コラム 第20話「騒音問題」は解決したが・・・

異音問題に首を突っ込み、パンドラの箱を開けてしまった苦い経験

某マンションでは、この日も特に誰からも意見や提案が出ることもなく、理事会が終わりかけていた。私が閉会を告げようとした時、一人の理事が発言した。

「最近、早朝に何かが破裂するようなパーン!と言う音が聞こえますが、何か設備が故障しているのではないでしょうか?」と。

これを皮切りに、
「確かに変な音がする」
「いや、何も聞こえない」

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お騒がせ夫婦の不法投棄(ビル新聞連載コラム 第19話)

お騒がせ夫婦の不法投棄(ビル新聞連載コラム 第19話)

警察出動! 夫婦喧嘩で消防車を呼んだマンション住人を前回ご紹介したが、彼らは退去の際も規格外であった。

 ある朝、管理員さんから携帯電話に連絡が入った。
「ゴミ庫の中に納まりきらないほどの家具や家電が捨てられている!捨てられた家具で、ゴミ庫にゴミが入らないどうしようか・・・」と管理員さんが困り果てている。

 直後に、同マンションの理事長から着信があった。
「昨日の日曜日に“例の”住人が引っ

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夫婦喧嘩と管理組合(ビル新聞連載コラム 第18話)

夫婦喧嘩と管理組合(ビル新聞連載コラム 第18話)

消防隊が出動!マンションは一個の運命共同体だ。

一致団結して共有する建物の維持管理に努めれば、その共同体の未来は安泰だ。ところがその共同体の構成員は一様ではなく、マンションは時に想定外の事態に見舞われることになる。

某マンションは、全40戸ほどの小ぶりなマンションで、これまで大きなトラブルなく運営されてきた。

そんなマンションに、あるとき越してきた家族は周囲を度々賑わしたのだ。

 居住

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理事長選に見る、管理組合の不毛(ビル新聞連載コラム 第17話)

理事長選に見る、管理組合の不毛(ビル新聞連載コラム 第17話)

押し付け合いが半端ない!理事長選のトホホ話

理事会で最も不毛な議論は理事長の選任に関するものだ。

理事長は、総会で決議された事案を遂行する。
日常に起こる管理ついての問題は、理事会決議を経て対応する。
総会または理事会で決めたことを実行するのだから、一人で責任を負うような役回りではない。

ところが、理事長職を積極的に引き受けるマンション所有者は珍しく、ほとんどの場合、第一回理事会はいかに

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解決が難しかった漏水、その原因は?(ビル新聞連載コラム 第16話)

解決が難しかった漏水、その原因は?(ビル新聞連載コラム 第16話)

漏水、それはマンション管理の担当者が恐怖する「マンションあるある」の一つだ。

戸建住宅の場合、漏水が発生しても被害はその家の住人に止まり、ご近所に迷惑をかけることはないだろう。一方、マンションでは多くの場合、階下の住人がその被害を受けることになる。給排水管から漏れた水が床下のコンクリートに浸透し、階下の天井から滴り落ちるのだ。

特に、築30年を超過すると給排水管からの漏水は増加するのだが、

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嵐を呼んだ、修繕積立金の値上げ!(ビル新聞連載コラム 第15話)

嵐を呼んだ、修繕積立金の値上げ!(ビル新聞連載コラム 第15話)

分譲マンションでは、共用部の大規模な修繕に多額の費用がかかる。例えば大規模修繕工事の場合、戸数や内容にもよるが1戸当たり100万円程度の支出となる。

高額な修繕費は、一度に多額の費用を徴収されることのないよう毎月一定額を各所有者が出し合って長期的に積み立てられる。これを修繕積立金という。

この積立金の全国平均額はおよそ月額1万円前後と結構な額だ。(日常管理に必要な「管理費」は別途徴収される)

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マンションのモンスター(ビル新聞連載コラム 第14話)

マンションのモンスター(ビル新聞連載コラム 第14話)

モンスターは管理組合の死活問題 マンションにはモンスターが生息しているという話は、単なる都市伝説ではない。

 分譲マンションでは管理に関する重要な事柄は、選出された理事役員が理事会で内容をつめ、所有者が参加する総会で決議するのが一般的だ。
理事会での議論がマンションの将来を左右すると言え、理事達は無報酬でプライベートの時間を削らなければならない。

 一般的に、理事会の役割は輪番制で否応なく

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マンションの売り時は? ~修繕積立金の値上げとある理事の決断~ (ビル新聞コラム 第13話)

マンションの売り時は? ~修繕積立金の値上げとある理事の決断~ (ビル新聞コラム 第13話)

「理事会当番がオリンピック周期とはいくら何でも早すぎる・・・何とかならないのか・・・」
これは、とあるマンションの理事長がもらしたセリフだ。

そのマンションは小規模なため、およそ4年に1回のペースで理事役員の輪番が回っていたのだ。

区分所有法によると、マンションの区分所有者は、管理のための団体を構成し、集会を開き、管理者を置くことができるとされている。「管理のための団体」とは管理組合のこと

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冊子プレゼントのお知らせ

冊子プレゼントのお知らせ

管理組合運営 基本のハンドブック発行とプレゼントのお知らせ4月29日、管理組合運営のための冊子「管理組合運営 基本のハンドブック」を発行しました。

これは、管理組合運営の基礎を学びたい方に向けて、組合運営の “超基本”知識をイラストや表を用いて分かりやすくまとめた冊子で、管理組合活動や理事会運営の入門書とし活用できます。

「理事になったが、管理組合のことがさっぱりわからない」とお悩みの方や、「

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無料!マンション管理運営講座開催 in大阪

無料!マンション管理運営講座開催 in大阪

6月3日(土)13:30~「マンション管理運営 超!基礎」講座を開催のお知らせ この度、マンション管理組合運営に関する無料講座を開催することになりました。
 新たに発行する冊子「マンション管理組合運営 基本のハンドブック」を基に、管理組合について基本事項を勉強し、今後の組合運営に活かしたい方に向けたお話しをします。

日時:2023年6月3日土曜日 13:30~16:00
場所:大阪産業創造館 5

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マンション敷地外の「もめる建物」

マンション敷地外の「もめる建物」

一時期、保育園や保育所の子供たちの声が騒がしいと言って、地域住民の反対にあい、建設が中断したり白紙にされたりするというニュースが話題になった。

マンション周辺でも、「揉める建物」の建設計画が持ち上がることは多々ある。

大通りの向かいに葬儀場が建設されることになったマンションでは、こんな近くに葬儀場だなんて!!と理事会で相当な話題になった。

女性理事からの、
「隣にパチンコ店ができただけでも腹

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マンション管理の巨匠、管理組合を選別か?!

マンション管理の巨匠、管理組合を選別か?!

理会社フロントマンの担当者変更、実は・・・

管理会社時代に、マンション担当者歴数十年という、エキスパートなマンション担当者がいた。

大変穏やかでかつ知的な方で、課内では“マエストロ”と呼ばれていた。

わたしも尊敬するそのマエストロがまれに、マンションの管理組合側から“出入り禁止”を言い渡された。

ここで言う“出入り禁止”とは、管理組合から担当者変更を要求されることだ。それも変更を余儀

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