ちいさな管理(マンション管理コンサルタント)

分譲マンションの管理組合業務をサポートしているマンション管理士です。マンション管理に役立つ情報や現場あるあるなどの記事を掲載しています。 分譲マンション管理組合の理事の方や、マンション管理にお困りの方のお役に立てばうれしいです。 https://s-kanri.com

ちいさな管理(マンション管理コンサルタント)

分譲マンションの管理組合業務をサポートしているマンション管理士です。マンション管理に役立つ情報や現場あるあるなどの記事を掲載しています。 分譲マンション管理組合の理事の方や、マンション管理にお困りの方のお役に立てばうれしいです。 https://s-kanri.com

最近の記事

  • 固定された記事

ビル新聞でのコラム連載が始まりました

みなさま、ご無沙汰しています。 しばらく、noteへのコラム掲載が中断していました。 実は、noteのコラムがきっかけで、ビル新聞という業界紙に声を掛けていただき、わたしのマンション管理業界での経験話を連載いただくことになり、この5月9日に第1話が掲載されました。 ※記事の下で、第1話の画像を掲載しています。 昨年の年末に、マンション管理会社での経験を「忖度なく書いていいよ」とお誘いいただき、この度、連載スタートとなりました。 連載いただくビル新聞は、ビル新聞社が発

    • マンション担当者が「恐れる」もの(ビル新聞連載コラム 第26話)

      恐れるもの、それは・・・マンションのフロント(担当者)が「恐れるもの」、それは枚挙にいとまがない。火事、自然災害、漏水、管理費等の長期滞納、管理組合財政の枯渇、独裁理事長等々。 これら「恐れるもの」が煮詰まっているのが、築40年を超えたマンションだ。数度の大規模修繕工事を経て管理組合財政は枯渇していてもおかしくない。配管が適切に管理されていなければ漏水は頻発しているだろう。入居者も高齢化している可能性が高く、高額な管理費を支払う余力が無くなっているかもしれないし、住居管理に

      • 理事会開催、猛暑・極寒に備えよ!ビル新聞コラム 第25話)

        皆さんのマンションでは理事会をどこで開催されるだろう。 規模の大きなマンションであれば館内に集会室が設置されているかもしれない。 一方、小規模マンションに集会室はまれだ。近隣の貸会議室を借りると余計な費用が発生する。出席しやすくするためにも館内で開催するのが賢明だ。このため、小規模マンションの理事会は管理事務室か、管理事務室が矮小な場合はエントランスで開催されることになる。 しかし、エントランス理事会には難題がある。 猛暑と極寒の時期をどう乗り越えるのかだ。 極寒のエ

        • 管理組合会計と銀行(ビル新聞コラム 第24話)

          行の業務効率化を妨げる管理組合の特性組合口座が銀行の業務効率化を妨げる重大要因の一つとなっていることを、皆さんはご存じだろうか。   Aさん:「管理会社〇●の持つ管理組合の口座が、〇×銀行の経営課題に挙がっているのはご存じですか?」 大野:「え?何の話ですか?」 Aさん:「〇×銀行は管理会社に管理組合口座すべてを引き上げてほしいと言っているようですよ。支店の窓口業務の縮小を阻んでいるんです。」   これは、某都市銀行関連のとある方との会話の一部だ。   国土交通省のデータによ

        • 固定された記事

        ビル新聞でのコラム連載が始まりました

        マガジン

        • マンション管理コラム
          0本

        記事

          元理事長が連れてきた、建築士の話(ビル新聞連載コラム 第23話)

          長期修繕計画書作成をめぐる、怪しい建築士の話マンションの修繕積立金が爆上がりしているという報道を見かけるようになった。 修繕積立金とは、マンションの共用部に対する大掛かりな修繕工事に備える為、所有者が一定額を毎月拠出し管理組合が積み立てる資金のことである。 この金額は何の根拠もなく決められる訳ではない。「将来予想される修繕工事等を計画し、必要な費用を算出し、月々の修繕積立金を設定するために作成する」とされる「長期修繕計画書」に基づき設定される。 必要となる資金を安定的に

          元理事長が連れてきた、建築士の話(ビル新聞連載コラム 第23話)

          理事会の議事録は誰が書く?(ビル新聞連載コラム 第22話)

          作成を巡ってさまざまな悶着が起きる管理組合の議事録マンションでは年に最低一度の集会(総会)開催が区分所有法で義務付けられている。 総会以外にも、1-2か月に一度の割合で理事会が行われるのが一般的だ。 これらの会議で話し合われた内容や結果は議事録にまとめられ、遡って確認できるように備えられる。この点で会社やその他の組織と同様だ。マンション管理組合の議事録が一般社会と異なるのは、その作成をめぐりしばしば悶着が起こる点である。 私のかつての同僚は、某管理組合の臨時総会に関して、

          理事会の議事録は誰が書く?(ビル新聞連載コラム 第22話)

          機械式駐車場は負の遺産?!(ビル新聞コラム 第21話)

          まさかの機械式駐車場再建築!! 一方、築12年で使用停止も! 最近、非常に興味深い話を聞いた。築12年のマンションで機械式駐車場を使用終了、つまり通電を止めて運用を停止するというのだ。  このマンションの機械式駐車場は昇降横行式と呼ばれるもので、パレットが水平と垂直に動き、車を出し入れするタイプのものだ。都心部で広く採用されている。  駐車場の利用契約が満車に近い場合は、使用者から毎月支払われる使用料が組合会計の収入となり、マンションの財政に寄与する。しかし、利用率が下

          機械式駐車場は負の遺産?!(ビル新聞コラム 第21話)

          ビル新聞連載コラム 第20話「騒音問題」は解決したが・・・

          異音問題に首を突っ込み、パンドラの箱を開けてしまった苦い経験 某マンションでは、この日も特に誰からも意見や提案が出ることもなく、理事会が終わりかけていた。私が閉会を告げようとした時、一人の理事が発言した。 「最近、早朝に何かが破裂するようなパーン!と言う音が聞こえますが、何か設備が故障しているのではないでしょうか?」と。 これを皮切りに、 「確かに変な音がする」 「いや、何も聞こえない」 「西から聞こえる」 「いや南からだ」 「明け方ではなく日中に聞こえる」など話が膨ら

          ビル新聞連載コラム 第20話「騒音問題」は解決したが・・・

          お騒がせ夫婦の不法投棄(ビル新聞連載コラム 第19話)

          警察出動! 夫婦喧嘩で消防車を呼んだマンション住人を前回ご紹介したが、彼らは退去の際も規格外であった。    ある朝、管理員さんから携帯電話に連絡が入った。 「ゴミ庫の中に納まりきらないほどの家具や家電が捨てられている!捨てられた家具で、ゴミ庫にゴミが入らないどうしようか・・・」と管理員さんが困り果てている。    直後に、同マンションの理事長から着信があった。 「昨日の日曜日に“例の”住人が引っ越し作業をしていて、ゴミ庫に大量の粗大ゴミを捨てて行った!」    かくしてわた

          お騒がせ夫婦の不法投棄(ビル新聞連載コラム 第19話)

          夫婦喧嘩と管理組合(ビル新聞連載コラム 第18話)

          消防隊が出動!マンションは一個の運命共同体だ。 一致団結して共有する建物の維持管理に努めれば、その共同体の未来は安泰だ。ところがその共同体の構成員は一様ではなく、マンションは時に想定外の事態に見舞われることになる。  某マンションは、全40戸ほどの小ぶりなマンションで、これまで大きなトラブルなく運営されてきた。 そんなマンションに、あるとき越してきた家族は周囲を度々賑わしたのだ。   居住開始早々、肌に施した派手なアートを見せながら館内を闊歩したため、他の居住者に動揺

          夫婦喧嘩と管理組合(ビル新聞連載コラム 第18話)

          理事長選に見る、管理組合の不毛(ビル新聞連載コラム 第17話)

          押し付け合いが半端ない!理事長選のトホホ話 理事会で最も不毛な議論は理事長の選任に関するものだ。   理事長は、総会で決議された事案を遂行する。 日常に起こる管理ついての問題は、理事会決議を経て対応する。 総会または理事会で決めたことを実行するのだから、一人で責任を負うような役回りではない。   ところが、理事長職を積極的に引き受けるマンション所有者は珍しく、ほとんどの場合、第一回理事会はいかにして理事長職を回避するかで白熱する。   大野「まずは、どなたか理事長をお引き受

          理事長選に見る、管理組合の不毛(ビル新聞連載コラム 第17話)

          解決が難しかった漏水、その原因は?(ビル新聞連載コラム 第16話)

          漏水、それはマンション管理の担当者が恐怖する「マンションあるある」の一つだ。   戸建住宅の場合、漏水が発生しても被害はその家の住人に止まり、ご近所に迷惑をかけることはないだろう。一方、マンションでは多くの場合、階下の住人がその被害を受けることになる。給排水管から漏れた水が床下のコンクリートに浸透し、階下の天井から滴り落ちるのだ。   特に、築30年を超過すると給排水管からの漏水は増加するのだが、私が頭を抱えたのは、築10年ほどのマンションで発生した漏水だった。   一般的に

          解決が難しかった漏水、その原因は?(ビル新聞連載コラム 第16話)

          嵐を呼んだ、修繕積立金の値上げ!(ビル新聞連載コラム 第15話)

          分譲マンションでは、共用部の大規模な修繕に多額の費用がかかる。例えば大規模修繕工事の場合、戸数や内容にもよるが1戸当たり100万円程度の支出となる。 高額な修繕費は、一度に多額の費用を徴収されることのないよう毎月一定額を各所有者が出し合って長期的に積み立てられる。これを修繕積立金という。  この積立金の全国平均額はおよそ月額1万円前後と結構な額だ。(日常管理に必要な「管理費」は別途徴収される)そして、数年ごとに積立金額の見直しを行い、段階的に値上げされるというのがミソだ。

          嵐を呼んだ、修繕積立金の値上げ!(ビル新聞連載コラム 第15話)

          マンションのモンスター(ビル新聞連載コラム 第14話)

          モンスターは管理組合の死活問題 マンションにはモンスターが生息しているという話は、単なる都市伝説ではない。    分譲マンションでは管理に関する重要な事柄は、選出された理事役員が理事会で内容をつめ、所有者が参加する総会で決議するのが一般的だ。 理事会での議論がマンションの将来を左右すると言え、理事達は無報酬でプライベートの時間を削らなければならない。    一般的に、理事会の役割は輪番制で否応なく回ってくる。 更に追い打ちをかけるのが、マンションに住まうモンスターの存在だ。と

          マンションのモンスター(ビル新聞連載コラム 第14話)

          マンションの売り時は? ~修繕積立金の値上げとある理事の決断~ (ビル新聞コラム 第13話)

          「理事会当番がオリンピック周期とはいくら何でも早すぎる・・・何とかならないのか・・・」 これは、とあるマンションの理事長がもらしたセリフだ。   そのマンションは小規模なため、およそ4年に1回のペースで理事役員の輪番が回っていたのだ。   区分所有法によると、マンションの区分所有者は、管理のための団体を構成し、集会を開き、管理者を置くことができるとされている。「管理のための団体」とは管理組合のことで、区分所有者は管理組合の構成員だ。   マンション管理の要ともいえる管理組合で

          マンションの売り時は? ~修繕積立金の値上げとある理事の決断~ (ビル新聞コラム 第13話)

          冊子プレゼントのお知らせ

          管理組合運営 基本のハンドブック発行とプレゼントのお知らせ4月29日、管理組合運営のための冊子「管理組合運営 基本のハンドブック」を発行しました。 これは、管理組合運営の基礎を学びたい方に向けて、組合運営の “超基本”知識をイラストや表を用いて分かりやすくまとめた冊子で、管理組合活動や理事会運営の入門書とし活用できます。 「理事になったが、管理組合のことがさっぱりわからない」とお悩みの方や、「管理組合について基本的なことを知っておきたい」方に最適な内容になっています。