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本棚から1冊抜き取る。 ゆるく感想と本に関する思いでを。
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2018年5月の記事一覧

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「考現学入門」今和次郎

師曰く、「パロディ学問」。しかし僕は卒論で参考文献として活用した。正直、何を引用したかとかは覚えていない。坂口恭平を初めて知った時のような衝撃=変な大人…‼、と静かな興奮を得たくらい。

パロディ学問と評されるが僕は読み物として楽しいと思う。後世に風俗を残すという点ではとても価値があるのじゃないだろうか。
昨今の旅行記マンガエッセイの先駆けでは、と勝手に思っている。

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「侏儒の言葉・西方の人」芥川龍之介

芥川龍之介。イケメンだなあと、国語資料集などで見るたびに思う。顔の造形だけではなくて、白黒写真だから雰囲気が出るのだ、という意見も聞く。

カシオの電子辞書の中に、文学集というデータが入っていた。「侏儒の言葉」もその中のひとつだった。文豪の小説以外の作品を読むのは初めてで、読んでみると意外と面白い。全部が全部理解できるわけではなかったが読み進めていった。その中

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「TOKYO 0円ハウス 0円生活」坂口恭平

これもまた参考文献のひとつ。この坂口恭平という人は躁鬱だそうで、今はセーターを編むことで精神の安定を保っているらしい。
自称、「建てない建築家」。その名の通り、法的には建築と呼ばれないような、小規模なモノを建てる。モバイルハウスというと分かりやすいかな。
この本は路上生活者の住居や、生活の成り立ちを分かりやすい図と文で紹介している。今和次郎の現代版と

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