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本棚から1冊抜き取る。
「TOKYO 0円ハウス 0円生活」坂口恭平
これもまた参考文献のひとつ。この坂口恭平という人は躁鬱だそうで、今はセーターを編むことで精神の安定を保っているらしい。
自称、「建てない建築家」。その名の通り、法的には建築と呼ばれないような、小規模なモノを建てる。モバイルハウスというと分かりやすいかな。
この本は路上生活者の住居や、生活の成り立ちを分かりやすい図と文で紹介している。今和次郎の現代版と言ってもよい。
初めて坂口恭平の作品に触れたのは小学校6年生のときだった。家の近くには建築科を擁する大学があり、毎年秋の学祭に出入りしていた。ある年、仲良くなった建築学生が見せてくれたのが、「0円ハウス」という写真集だった。
それはホームレスの家の写真集で、坂口恭平の最初の作品だった。僕はホームレスという人達は触れてはいけない存在(小学生の知識)だと思っていたので、彼らの住居を主題にし、尚且つ芸術作品のように昇華させる、その着眼点とセンスに興奮していた。
それからしばらくは友人に「0円ハウス」という面白い本がある、ということを宣伝していた。
僕はそれ以来、「0円ハウス」という題名だけは覚えていた。しかしそのインパクトにより誰の作品かは全く覚えていなかった。
大学生になり下宿近くの本屋を漁りに行くと、見覚えのあるフレーズを見つけた。
「TOKYO 0円ハウス 0円生活」、これはもしやあの写真集に関連するのか…?
著者紹介を見るとやはりそうだった。
こうして10年越しに坂口恭平という人物に出会ったのだった。
彼は今、「無印良品の商品で家を作る」というプロジェクトを始めたらしい。完成が楽しみ。
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