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本棚から1冊抜き取る。

「侏儒の言葉・西方の人」芥川龍之介

芥川龍之介。イケメンだなあと、国語資料集などで見るたびに思う。顔の造形だけではなくて、白黒写真だから雰囲気が出るのだ、という意見も聞く。

カシオの電子辞書の中に、文学集というデータが入っていた。「侏儒の言葉」もその中のひとつだった。文豪の小説以外の作品を読むのは初めてで、読んでみると意外と面白い。全部が全部理解できるわけではなかったが読み進めていった。その中で、

人生は一箱のマッチに似ている
重大に扱うのは莫迦々々(ばかばか)しい。
重大に扱わなければ危険である。

こんなフレーズがありまして。高校生だった僕にはとんでもなくカッコよく響きました。このどっちにも振り切ることのできない微妙な感覚はまさに人生を表している文章だと、人生経験が少ないながらに思ったり。あんまりにもカッコよすぎたので、「どっちつかずかよ!」なんて意地悪い感情も出ましたが、これはもう嫉妬のひとつです。

本として手に入れたのは大学1回生の冬、突如下宿に襲来した先輩とブックオフに行ったときのこと。100円コーナーに同じく芥川作品の「河童」と並んでいた。「河童」もまた電子辞書で読んだことがあったので2冊まとめて買いました。電子辞書で読んだときは分からなかったけれど、ページ数が少ないのでとても薄い本でした。すぐ読める。

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