R. NAKANO

サッカー指導者 |NumberWebにて「機上の空論」連載中

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記事一覧

2022

2020年に指導者になって、3年目が終わりました。 家族を連れてきてまで、コロナと戦争と(物理的に)これだけ近い国で挑戦を続けた時間は、僕にとっては長く重たく、同時…

R. NAKANO
1年前
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近況と心境

ラトビアという国で、労働許可をもらって働くようになって8年目になる。 この国は、1991年にソビエト連邦から独立した。ベラルーシとも、ロシアとも国境を接していて、僕…

R. NAKANO
2年前
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父親

「とーとー!!」 帰宅して家のドアを開けると、 2歳半の娘が駆け寄ってくる。 ぱすん、と膝にしがみついてくるその小さな衝撃と、ずり上げた顔に広がる好奇に溢れた笑顔…

R. NAKANO
2年前
57

ヒコーキ

=note書こう。 と言うことで書きます。 長いの苦手な人は【移動2日目】から読んでね 【渡航前日】 EU、入国許可国リストから日本除外へ EU、日本からの渡航を原則禁止 …

R. NAKANO
3年前
57

才能

小学4年生、初めて同じチームになったアイツは、身体が大きいだけで、あんまり上手な選手ではなかった。初めはAチームにも入れずに、ボールの蹴り方もトンチンカンで、やた…

R. NAKANO
3年前
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じゃんけん

このご時世、誰かにイチャモンをつけたければ、後出しジャンケンをすればいい。 何の分野においても、これだけ情報が溢れてるのだから、揚げ足をとるのも、論破するのも、…

R. NAKANO
3年前
19

無観客によせて

無観客試合が行われている。世界各地で。 観客のいないサッカーに、どれくらいの価値があるのだろう。 たとえば音楽を聴くとき。 特に僕のような「音楽的知見」の全くな…

R. NAKANO
4年前
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聞いて

こんにちは。みんな聞いて。 聞いて欲しすぎて題名を「聞いて」にしちゃうくらいだから聞いて。 僕が5年も暮らす、人口たった190万人の、日本人は誰も位置を正確に言えな…

R. NAKANO
4年前
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2022

2022

2020年に指導者になって、3年目が終わりました。

家族を連れてきてまで、コロナと戦争と(物理的に)これだけ近い国で挑戦を続けた時間は、僕にとっては長く重たく、同時に『何のために?』を自問し続ける時間でもありました。だって意味わからん。日本帰れよ。

認めてしまえば、そこから「ジブン!海外で!頑張ってマス!」みたいな自己陶酔を引いてしまえば、そこに意味などひとかけらも残っていなかったのかもしれま

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近況と心境

ラトビアという国で、労働許可をもらって働くようになって8年目になる。

この国は、1991年にソビエト連邦から独立した。ベラルーシとも、ロシアとも国境を接していて、僕はいま、キエフから1000キロ離れていない場所で生活している。家族を連れて。

ラトビアにはラトビア語があるけれど、とりわけサッカー業界ではロシア語話者の割合が多く(たとえば僕は7人の監督の下でプレーしたけれど、その7人全員が指示もミ

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父親

「とーとー!!」

帰宅して家のドアを開けると、
2歳半の娘が駆け寄ってくる。

ぱすん、と膝にしがみついてくるその小さな衝撃と、ずり上げた顔に広がる好奇に溢れた笑顔、たった1秒足らずのその一連が僕の身体を通り抜けるだけで、すべてが(本当にすべてが)好転している確信が持てる。

3歳で父親を亡くしている僕にとって
「父親になる」ということは、概念としても、継続的な日常行為としても、得体の知れない挑

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ヒコーキ

=note書こう。
と言うことで書きます。

長いの苦手な人は【移動2日目】から読んでね

【渡航前日】

EU、入国許可国リストから日本除外へ
EU、日本からの渡航を原則禁止

このニュースが日本に流れたきたのが1月27日。

僕のフライトは1月31日。なんでやねん。

全スーツケース(6個)空港に送ってあるし、向こうの新居も契約してるし、現地の保育園も話がついてる。というかそもそも飛べなければ

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才能

小学4年生、初めて同じチームになったアイツは、身体が大きいだけで、あんまり上手な選手ではなかった。初めはAチームにも入れずに、ボールの蹴り方もトンチンカンで、やたらと声を出すだけのうるさいやつだった。

けれども結局、俺たちはそのまま9年間、同じチームでサッカーをすることになった。

そうしたらアイツは、18歳でJ1デビューして、そのまま14年間を日本のトップリーグで過ごす選手になった。

それで

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じゃんけん

このご時世、誰かにイチャモンをつけたければ、後出しジャンケンをすればいい。

何の分野においても、これだけ情報が溢れてるのだから、揚げ足をとるのも、論破するのも、まったく難しいことじゃない。

先に論破してくれた誰かに乗じるのはなおさら簡単。それっぽく同意しておくだけで「スタンス」が取れる。

反対に、アクションを起こして、自ら動いて、発信して、そうやって勇敢にジャンケンに挑めば、後出しには必ず負

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無観客によせて

無観客試合が行われている。世界各地で。

観客のいないサッカーに、どれくらいの価値があるのだろう。

たとえば音楽を聴くとき。

特に僕のような「音楽的知見」の全くない人間が、なにか曲を聴いて「良いなぁ」と思うとき。

僕が感銘を受けるのは、メロディラインの緻密さでも、研ぎ澄まされた音質でも、そのビブラートでもなく、それを聴いている「場」と「心情」が、音楽を媒介にして温度を持ったまま記憶されるから

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聞いて

こんにちは。みんな聞いて。
聞いて欲しすぎて題名を「聞いて」にしちゃうくらいだから聞いて。

僕が5年も暮らす、人口たった190万人の、日本人は誰も位置を正確に言えないで有名な、「今度遊びに行くわ!」って言うだけで誰ひとりとして来ることがない、冬はマイナス25度に到達する、あのラトビアが!僕の溺愛するラトビアが!

コロナ対策で(いまのところ)とっても褒められています。キラーン

ーーーこの記事の

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