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「リハビリ」という言葉は、日常に溶け込んで当たり前のように使われるようになりました。誰が何の目的にリハビリを行うかによって、その意味が少し変わると思います。

リハビリ=専門職による機能回復訓練ととらえられることも多いですが、「リハビリテーション」ということばには広い意味があります。「リハビリテーション」(Rehabilitation)は、re(再び、戻す)とhabilis(適した、ふさわしい)から成り立っています。つまり、単なる機能回復ではなく、「人間らしく生きる権利の回復」や「自分らしく生きること」が重要で、そのために行われるすべての活動がリハビリテーションなのです。

京都府健康福祉部リハビリテーション支援センターより

リハビリとは、まず第一に「機能回復」という目的があります。怪我や病気をした場合の回復に、リハビリを行うことは容易に想像できます。足を骨折したら、日常生活に戻るためにリハビリを受けて歩けるよう訓練します

では高齢者の場合はどうでしょう?

老化により徐々に身体機能が衰えます。歩くのもままならないようになると、生活に支障が出てきます。そのため、機能回復を目的に、デイサービスへ通い、リハビリを実施することが多くあります。

ところが、機能回復して、デイサービスへ通う必要がなくなったという人は、あまりないように思えます。私が知らないだけで、あるのかもしれませんが、おそらく多くはないでしょう。

デイサービスに通っているけど、更に悪化したことで、高齢者施設に入院、あるいは入居したという話の方が多いと思います。亡くなることもあります。

リハビリと称して通っているのに機能回復しないのは、どういうことでしょう?


高齢者にとって「人間らしく生きる権利の回復」とは、どうなることなのでしょう?


高齢者に対しては、リハビリという言葉がそぐわないように思うのは私だけでしょうか? 


私が務めている病院にも、デイサービスを併設しています。白板に毎週始めには「今週の目標」というのが張り出されます。

「肩こり予防」
「腰痛予防」
「膝痛予防」

週によってこのような言葉が順に貼り出されています。その文字を見る度に「これは違うんじゃないの?」と思ってしまいます。書くとすれば・・・

「肩こり改善」
「腰痛改善」
「膝痛改善」

対象は高齢者だけですから、予防ではなく改善が正しいと思います。部署が違うので直接言ったことはありません。出しゃばったことになるので叱られます(笑)ここで書くことくらいなら、いいよね。


高齢者のリハビリは、老化を少し遅らせるだけ?


高齢者施設におけるリハビリとは、いったいどこを目標にしているのでしょう? 理学療法士さんや作業療法士さんたちは日々勉強し、熱心に高齢者に施術されています。その姿を見ると頭が下がります。

「回復してまた山登りができるようになりました」と言われるわけではありません。高齢者のリハビリとは、回復は難しく、老化を遅らせるくらいにしか役立ってないのかと思うことがあります。いや、それでも十分なのだという見方もあることでしょう。

私のような整体院に痛みを抱えて来られる人が、「また走れるようになりました。ありがとうございます。」とお礼を言われ、「フルマラソン記録更新できました。」と報告を受ける度に、やりがいを感じます。

高齢者のリハビリは、そこまで回復することが難しいです。せっかく施術しても回復させることができないとしたら、施術者の立場では、虚しさを感じてしまいます。私ならやりがいを感じず、挫折してきっと続かないことでしょう。施術者の皆さん、本当にお疲れ様です。


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