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仕事のこと

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2021年8月の記事一覧

「未熟」と「完熟」

「未熟」と「完熟」

今年は、自分の年齢の半分以下の人と一緒に仕事をする機会がたくさんあります。私の法人では、若い支援者の育成に力を入れています。また、地域連携の場面では、外部機関の担当者が新卒の職員に変わりました。自分の娘と同じぐらいの若者との仕事です。若者たちに、私はどんなふうに見えているのでしょうか。

私は、障がいのある人が利用する社会福祉法人を経営しています。専門機関の長が集まる会議でのことです。ある事業所の

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言葉を置き換えるだけがリフレーミングではない

言葉を置き換えるだけがリフレーミングではない

対人援助職の研修に行くと「リフレーミング」の練習があります。支援者のフレーム(見方)が変わると理解も変わる、転換技術を学びましょう、と言われます。しかし、実際の支援場面では、リフレーミングを誤解しているケースがあります。

私は、障がいのある人が利用する社会福祉法人を経営しています。主な業務は、理事長職です。また、兼務で相談業務に就いています。相談業務をしていると、利用者の皆さんのサービス提供の基

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仕事がうまくいかなかった日/話を聴きとれなかった…

仕事がうまくいかなかった日/話を聴きとれなかった…

私は、障がいのある人の支援をしています。サービスを利用してくださる人たちのおかげで毎日、充実した日々を送っています。しかし、まれに不完全な日があります。その日は、利用者の訴えを聞き取ることができませんでした。利用者も何か釈然としない顔で送迎車で帰って行きました。

私は、障がいのある人が利用する社会福祉法人を経営しています。主たる業務は理事長職です。しかし、現場にも出ます。また、いくつかある事業所

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困っているように見えない人

困っているように見えない人

グループホーム入居にしてくれる人が内定しました。今度、入居してくださる人は、生活能力が高く、誰かと何かを一緒に行なうというより、一人で自分流に行動すること好きな人です。なんでも一人でできてしまう分、支援者の意識が向かないところがあります。気をつけなければいけないのは、なんでも一人でできてしまうということは、困っていても助けを求めることができていないことがあるということです。

私は、障がいのある人

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頼られると成長をする

頼られると成長をする

「自立するとは依存することだ」と、いう記事を読んだことがあります。反対に、依存されることで自立が促進されることがあります。

まず、私の状況を説明します。私は、アトピー性皮膚炎が持病です。そのため数種類の薬を飲んでいます。子どものころから、飲み薬を欠かしたことはありません。しかし、頻繁に飲み忘れます。

薬飲みのベテランさんさて、私は、障がいのある人が利用する社会福祉法人を経営しています。法人の事

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あいさつは立ち止まって(あたりまえだけどできていない)

あいさつは立ち止まって(あたりまえだけどできていない)

半年ほど前、法人全体で接遇マナー研修を受講しました。その後も、それぞれが実践できているかその確認とふりかえりを始めます。私は、その研修後に意識して気をつけていることがあります。それは、あいさつをするときに立ち止まるということです。

接遇マナーの必要性私は、障がいのある人が利用する社会福祉法人を経営しています。今年の冬、法人の人権研修として「接遇マナー研修」を実施しました。近年、福祉サービスは、提

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「ありがとう」の習慣

「ありがとう」の習慣

コミュニケーションに関する研修で、あなたが一番多く口にする言葉はどんな種類の言葉ですかと、問われたことがあります。「あいさつ」、「お願い」、「命令」、人によって仕事によっていろいろあるようです。私は「ありがとう」という言葉を一番にしたいと思っています。

私は、障がいのある人が利用する社会福祉法人を経営しています。主な仕事は、理事長職です。一日のほとんどは、事務仕事をしています。しかし、できるだけ

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ワクチン接種後に始まる新しい支援

ワクチン接種後に始まる新しい支援

今日の私は、ワクチンの副反応が辛いです。昨日、2回目の施設内接種を行いました。利用者、支援者、全員で66名が接種しました。利用者の中には、体の不調を訴えられない人、またなぜ不調なのかが理解できない人がいます。その分、なおさら辛いことと思います。

私は、障がいのある人が利用する社会福祉法人を経営しています。昨日(08月20日)に2回目の施設内接種を実施しました。私の法人の利用者の多くは知的障害、自

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家族はいつまでかかわればいいのか

家族はいつまでかかわればいいのか

利用者の親は、いつまでかかわらなければいけないのでしょうか。障がいのある人を支援する立場にいながら疑問に思うことがあります。支援者は「親なんだから」と言い、いつまでもかかわりを求めます。必要に応じて説明をすれば良いことを、形式的に呼び出して面談の場を設ける傾向にあります。そこまでする必要があるのでしょうか。

私は、障がいのある人が利用する社会福祉法人を経営しています。支援者に、法人のサービスを利

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社会人になってから学びなおす意義

社会人になってから学びなおす意義

専門学生のとき、学校の授業でカウンセリングを学びました。しかし、そのときはカウンセリングの重要性を理解せず、担当の先生のオーバーアクションがおかしくて、そればかりを覚えて卒業してしまいました。その後、障害福祉サービスの現場に勤めて、初めてカウンセリングの重要性を知りました。そこで、学校の先生にお願いをしてもう一度、カウンセリングの授業に参加をせてもらいました。

私は、障がいのある人が利用する社会

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恩師

恩師

noteのお題に「忘れられない先生」というのがあります。忘れられない先生を思い浮かべると、「ちょっと…」のような先生しか思い浮かびません。事業所の利用者が学校時代に大好きだった先生の写真を見せてくれました。私は「恩師」というものにあこがれてきました。今は、早稲田大学エクステンションセンターで出会った先生が私の恩師です。

恩師を自慢する利用者私は障がいのある人が利用する社会福祉法人を経営しています

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個人情報を収集するときの注意

個人情報を収集するときの注意

福祉職にとって個人情報のあつかいは慎重に行なわなければいけない業務の一つです。しかし、まだまだ慎重さが足りません。目的がわからず、慣習的に聞いてしまっている個人情報があります。

個人情報のあつかいについて私は、障がいのある人が利用する社会福祉法人を経営しています。法人の支援者には、年に一回、事業所ごとの会議の中で個人情報の取扱いに関する研修を行います。個人情報保護法において、個人情報を聞くときは

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「髙橋さん、今までのご飯の中で一番おいしかったです」

「髙橋さん、今までのご飯の中で一番おいしかったです」

福祉サービスを提供する小さな事業所の支援者は、利用者への直接支援だけでなく、利用者の食事を作る仕事があります。利用している人は、食事を楽しみにしています。その人たちの食事を作るというのは、かなりハードルが高い仕事です。かつては、私も利用者の夕ご飯を作っていました。若いころは、勢いでもなんでもできました。

私の家族は、福祉サービス一家です。私と妻は、障害福祉サービスで働いています。大学生の長女と高

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実家でのできごとには口を出せません

実家でのできごとには口を出せません

「職員からも厳しく言ってください」、グループホームの支援者が、利用者のご家族から言われて困ることがあります。実家への帰省の最中になにかあるとこのようなお願いが連絡帳に書かれてきます。

私は、障がいのある人が利用する社会福祉法人を経営しています。事業所の中にグループホームといい、障がいのある人が支援者と一緒に共同生活をしているところがあります。利用者の多くは、月2回程度、実家に帰省します。しかし、

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