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家族はいつまでかかわればいいのか

利用者の親は、いつまでかかわらなければいけないのでしょうか。障がいのある人を支援する立場にいながら疑問に思うことがあります。支援者は「親なんだから」と言い、いつまでもかかわりを求めます。必要に応じて説明をすれば良いことを、形式的に呼び出して面談の場を設ける傾向にあります。そこまでする必要があるのでしょうか。

私は、障がいのある人が利用する社会福祉法人を経営しています。支援者に、法人のサービスを利用される人との面談方法について注意をうながしたところです。

利用者の同意を得る

障害福祉サービスを提供するためには支援計画等のプランを立てなければいけません。また、それらはサービスに応じて期限が決められており、定期的に面談をして、サービスを利用する本人の同意をいただくことが義務付けられています。一般的には面談の場を設けてそこで説明をして同意をいただきます。法的に求められていることは、利用者本人の同意です。家族の同意は求められていません。

ただし、家族にも説明をした方が良い場合もあります。そのときは、サービス利用者本人の許可を得て家族に説明をします。家族だからといって、勝手に説明をしてはいけません。

家族が事業所に来るリスク

利用者の中には、家族には言って欲しくないことがあります。また、家族を呼んで一緒に説明することで親子げんかに発展したり、利用者がその場で親に叱責されることがあります。その事態を避けなければいけません。

また、今の時季は、家族が事業所に来ることを最小限にしてもらわなければいけません。コロナだけでなく暑さが心配です。

以前、日中活動事業所の利用者で8月中に支援計画を更新しなければいけない人がいました。そのための面談が8月の猛暑の中で開催されることになりました。その利用者はグループホームで生活をしています。自宅には月に一度しか帰りません。また、お母さんは80代後半でした。そのお母さんが炎天下の中、わざわざバスを乗り継いで事業所まで来る意味、さらにはそのリスクを考えなければいけません。

あいまいな「必要最小限」

支援者に、なぜ家族を呼ぶの聞いてみました。支援者は「あとで何か言われると困るから」と言います。しかし、あとで何か言われるのは、面談に呼ばなかったからではありません。支援内容を正しく伝えなかったからです。その家族にあった方法で伝えることが必要です。

私も、支援者に伝えるときに「必要最小限」としか伝えなかったことが問題でした。支援者は、絶対に必要な面談だと思っていました。「必要最小限」は人によって違います。はっきり「ひかえてください」、「電話や文書にて説明をしてください」と書かなければいけませんでした。

グループホーム利用者の家族は、高齢の人がたくさんいます。炎天下の来訪で家族が体調をくずすと利用者本人に影響します。家族の負担にならないようかかわりをお願いしなければいけません。

連続投稿1000日まで、あと37日

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