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本を紹介するイベント「FAVORITE!!」を開催しました。


人生は物語。
どうも横山黎です。

大学生作家として本を書いたり、本を届けたり、本を届けるためにイベントを開催したりしています。

最近は音声配信も始めました。毎週金曜日22:00から僕のお気に入りの本を紹介するライブ「FAVORITE!!」を開催しています。興味を持たれた方は是非遊びに来てください。



今回は「本を紹介するイベント『FAVORITE!!』を開催しました。」というテーマで話していこうと思います。


📚「FAVORITE!!」を開催!

昨日、「FAVORITE!!―お気に入りの本を紹介する会―」を開催しました。

上水戸にある「The FAVORITE」という場所で開催しました。築90年の古民家をリノベーションして、コワーキングスペースとして開放していたり、夜はクラフトビールバーをやっていたりしています。



クラフトビールバーを運営している宮田さんに以前からお世話になっていて、7月に開業したばかりなんですが、何度も足繁く通っています。そんななか、「ここでイベントやらない?」と誘われ、二つ返事で了承し、イベント開催に至ったというわけです。

このイベントは、自分のお気に入りの本1冊を、約5分間で紹介していくもの。紹介のあとには、2,3分、ディスカッションタイムを設けて、リスナーとの会話を通してさらにその本の魅力を掘り下げていきます。それを参加者の数だけ繰り返していく流れです。

昨日のイベントの参加者は僕を含めて8人。合計8冊の本が紹介されました。魅力的な本が集まりましたし、交流も盛んに行われました。とりあえずイベントを成功させることができたみたいです。

せっかくですし、お気に入りの本たちを紹介していきますね。



📚FAVORITE BOOKSを紹介!

①東野圭吾『手紙』

強盗殺人の罪で服役中の兄から月に一度手紙が届く物語。強盗殺人犯の弟という運命を背負わされ就職も恋愛も上手くいかなくなってしまいます。加害者親族の宿命や心情の変化を丁寧に追った小説です。

僕も以前読んだことがあり、とても心を動かされた記憶があります。

今回この本を紹介してくれたれんくんが印象的に残ったと話すのは、加害者親族は理不尽な運命を被るけれど、周りの人からすれば、その親族に関わる不安や恐怖は拭い切れないからあながち理不尽ではないというくだり。

最近は環境問題を考えるサークルを運営しているれんくんらしく、この作品を読みながらたくさんの疑問や気付きが生まれ、自分でもあれこれ考えるきっかけになったそうです。


②瀬尾まいこ『幸福の食卓』

「父さんは、今日で父さんを辞めようと思う」

そんな書き出しから始まる、切なくて、やさしい、家族の物語です。

この本を紹介してくれたのは、以前イベントの運営に携わってくれた岡ちゃん。タイトルの通り食卓のシーンが印象的だったこと、人生、死、愛……人がいつまでも向き合い続けているテーマについて考えさせられること、このふたつを作品の魅力として紹介してくれました。

ちなみに僕は途中からにやにやしていました。というのも、岡ちゃんの用意した原稿のところどころにミスチルの歌詞が出てくるんですもの。岡ちゃんが大のミスチル好きというのを知っていたこともあり、僕はすぐに気付きました。

「愛は与えるものではなく、気が付けばそこにあるものなんだと思います」って言い出したときは、「いや、『名もなき詩』やん」ってなったし、「残された時間が僕らにはあるから大切にしなきゃいけないと、そんなことを考えています」という言葉で紹介が終わったときは、「いや、signやん!」と心の中で叫びました。

僕は僕で別の楽しみ方をしていたというそんな話でした(笑)



➂ミヒャエル・エンデ『モモ』

僕と同じ大学4年のくにくんが紹介してくれたのは、時間をテーマにした名作。不思議な少女モモと時間泥棒たちの物語。時間貯蓄銀行の存在のせいで、時間を節約して生きていくことを町の人は強いられているのです。そんな世界をモモが変えていきます。

「タイムパフォーマン」「時は金なり」なんて言葉が多用される現代社会こそ、人間本来の時間の使い方の大切さを再考すべき。紹介してくれたくにくんも、この本をきっかけに、ずっと忙しくしてきた今までの自分を見つめ直したといいます。

非効率とか、不便とか、無意味とか、そう思える時間のこそ、人生の価値が詰まっているもの。そんなことを改めて思いました。



④水野敬也『夢をかなえるゾウ』

今回のイベントに飛び入りで参加していただいたぜんちゃんは、夢を叶えるための必読書を薦めてくれました。夢を叶えるためにはどうすればいいのか、どう考えればいいのか、お笑い風のタッチで綴られた内容になっています。

実はぜんちゃん、イベントの開催場所であるThe FAVORITEをリノベーションした不動産会社「未来不動産」の社員さんです。25年役所勤めの果て、空き家問題をどうにかしたいと強く思い、今の会社に就職したそうです。

これからも空き家問題を解決していき、リノベーションした物件で、人と人とが繋がれる場所をつくっていきたいと話します。そんな第2の人生を踏み出す契機となった本が『夢をかなえるゾウ』なのです。

全ての夢追い人の背中を押してくれる本。僕もかねてから気にはなっていたけれど読めていない作品なので、今度読んでみたいと思いました。



⑤トモヨ『ずっと、そばにいるから』

絵本が好きなわたんべが紹介してくれたのは、『ずっと、そばにいるから』という絵本。天国にお散歩に行った息子と糸電話を通じて会話をする物語です。絵にも言葉にも、とても優しく、切なく、心を包み込んでくれる力を持っています。

子どもを亡くされた方に医者から贈られるというエピソードもあるくらい、悲しみの淵に立たされた人に寄り添う絵本です。

紹介してくれたわたんべも教員採用試験前日の心が不安定なときに偶然に出逢って、不安でいっぱいの胸を撫で下ろすことができたと話します。最近ちょっと心が疲れたなと感じる人にはおすすめした本です。



⑥ブラムストーカー『吸血鬼ドラキュラ』

大学院でゴシック文学の研究をしているゆりあさんが紹介してくれたホラー小説です。ドラキュラ伯爵とヴァン・ヘルシング教授との攻防を描いた物語。

ゴシック文学を研究していることもあり、背景知識を添えて紹介してくれたことが個人的には印象的でした。あと、本にたくさんの付箋が貼られていているのに気付いて、僕はにやりとしました。

ゆりあさんの論文が完成した際には是非一読したいので、それまでに読んでおきたいですね。ホラー苦手だけど(笑)



⑦三島由紀夫『仮面の告白』

他人とは違う性的嗜好に悩む「私」の告白の物語。性的マイノリティの考え方が生まれた現代とは違い、発表された当時(1949年)は同性愛に対する配慮のない時代ですから、こんなにも赤裸々に同性愛を描いた本ということで、大きな話題を呼んだといいます。

ちなみに紹介してくれたのは飛び入り参加のちさきさん。休学2年している大学4年生で、今度ネパールに行くそうです。今は急遽、長野に旅行しにいっています。なにこのフッ軽で面白い人。

また近いうちに会える予感がするので、そのときはまた語りたいなと思いました。文学が好きとのことですし。



⑧高野史緒『グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船』

今回大トリを務めたのは僕で、紹介した本は『グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船』という青春SF小説です。また改めて記事にしようかあと思っているので、今回はさらっと紹介するだけに留めておきますね。

「グラーフ・ツェッペリン」という飛行船を見たとい有り得ない記憶を持つふたりの男女。異なる宇宙で生きるふたりの日常に違和感が生まれるなか、届くはずの無い一通の電子メールが届き……。

この本を知ったのは、大学の公式ホームページを見たからでした。なんと、著者の高野さん、僕の大学(茨城大学)の卒業生だったんです。大先輩の新刊が発売されるとのことで、ニュース記事になっており、偶然それを見つけて興味を持ったという次第です。

物語の舞台が茨城県土浦市ですし、茨城大学の学生も登場すると紹介していました。これは読まないわけにはいかないと思い、即座に大学生協の書籍部で購入して、読んで、イベントに参加しました。



とにもかくにも、魅力的な本がたくさん紹介されて、いろんな人と繋がることができて、有意義なイベントでした。

イベント運営に対する反省や考察は、明日の記事で書いていこうと思います。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

20230902 横山黎



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