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時間の止まった部屋

ーー写真は、同じ時を過ごした証なんですよね。永遠に存在する時間の流れを堰き止めて、たったひとつの「今」を切り取って、その「今」を共有した人と、思い出を閉じ込める。


人生は物語。
どうも横山黎です。

大学生作家として本を書いたり、本を届けたり、本を届けるためにイベントを開催したりしています。

最近は音声配信も始めました。毎週金曜日22:00から僕のお気に入りの本を紹介するライブ「FAVORITE!!」を開催しています。興味を持たれた方は是非遊びに来てください。



今回は「時間の止まった部屋」というテーマで話していこうと思います。


📚文化祭に出展する


今週末、僕はとある文化祭に出展します。茨城県水戸市城東にある「平松さんのおかしなアパート」の内覧会イベントで、「はちとご」が出展するんです。そこに僕も参加するわけです。

はちとごとは、茨城大学の近くにあるシェアハウスのこと。家屋の一部を地域に開放する住み開きという活動を行なっています。「はなれ」と呼ばれるスペースを開放して、大学生に限らず日々いろんな人が来ます。

そんなはちとごですが、ご縁あって、「平松さんのおかしなアパート」のイベントに出展することになったんです。

ちなみに、「平松さんの〜」を一言で説明すると、アーティストインレジデンスです。アーティストの方の、「自宅に創作スペースが欲しい」「気軽に展示が行える場所があったら」という要望を叶えるための場所。

で、そこで今週末にイベントが開催され、いくつかの団体が参加するわけですが、そこにはちとごも含まれているというわけです。

企画名は「はちとご文化祭

住人を含め、はちとご界隈の人たちで、自分たちの創作を持ち寄り、ひとつの部屋に展示する企画です。ちなみにラインナップはこんな感じ↓↓

はちとご文化祭
①ふじのさき
『水のおと、きみのこえ』(日本画)

②ふじのさき×むらたゆうき
『深く吸って静かに吐く』(写真とイラスト)

③むらたゆうき
『読点 / 307.(temporary named)』(映像)

④横山黎
『Message Story』(制作した小説に関するパネルなど)

⑤菱田えりか
『暮らしのことば〜はちとごあるある〜』(書道)

⑥藤川尚
『茨城の6年』(写真)

⑦住人一同
『はちとごアーカイブ』(写真と年表など)


で、昨夜のことなんですが、はちとご管理人のはやぶささんが、⑦の『はちとごアーカイブ』の準備を進めていたんです。はちとごの日々の写真を眺めながら、えもい思いを抱いたとのこと。

そんな報告をInstagramに投稿していたので確認してみたら、想像の何倍もえもかったので共有します。

思い出色した写真たちと、

BGMに流れる鮮烈なメロディー。

短いリール動画でしたが、一本の映画を見たような感覚になりました。はちとごに来たことない人にもきっと届くものがあるはずなので、是非、覗いてみてください。



📚思い出色した写真たち

何回か触れたことがありますが、僕が創作する上で追求したい要素のなかに、「えもい」があります。激しく感情が揺さぶられるというよりかは、お風呂に入って湯船に包まれて、身体の内側が温まっていくような演出を施したい。

懐かしい。切ない。胸がきゅっとなる。

そんな心の動きを誘発するような作品を作りたいんです。

そもそも僕はそういう感情になることが好きなんですよね。懐かしみたがり屋さんなので、古い友達にも会いにいって昔話に話を咲かせたいし、たまに自分で毎日書いているnoteの記事を見返したくなる。

先日のインスタのリール動画もそう。思い出色した写真たちと、心揺さぶる「読点」という楽曲の融合に、胸の奥が熱くなりました。
#ちなみに「読点」をつくったのははちとご界隈の大学生です

僕は一応はちとのの住人を名乗っているんですが、まだはちとごに来て日が浅いので、たくさんの写真のなかの数枚にしか僕はいません。ただ、それがとても尊いことで、幸せ以外の何物でもありません。はちとごに来てよかったし、出逢えてよかった。心からそう思えるのです。



📚時間の止まった部屋

写真のなかの世界の時計の針は止まっています。昨日のはちとごの写真たちには、時間の止まった部屋がたくさん映っているんです。その部屋には、住人を含むはちとご界隈の人たちがたくさんいる。

写真は、同じ時を過ごした証なんですよね。

永遠に存在する時間の流れを堰き止めて、たったひとつの「今」を切り取って、その「今」を共有した人と、思い出を閉じ込める。

その証はいつまでも残り続けて、見返す度に、言葉にはならない感情を抱くことになります。そのときにこぼれる笑顔や涙が、誰かに打ち明ける物語が、きっと僕らの生きた証で、生きていく糧なんだと思うんです。


過去を見つめることは、今を許すこと。

そして、未来を信じること。


そう思ったとき、過去を残すことはとてもステキな仕事だと気づきました。誰かの命を受け止めることになるからです。

過去を残すものは、写真だけではありません。僕が得意とするのはこのnoteや物語だし、絵だって映画だって演劇その装置になり得る。それこそ、「読点」のような音楽だってそう。

新しく何かを生み出すことはとても価値のあることだけれど、それと同じくらい、あるいはそれ以上に過去を残すことも大切。

だからこそ、僕は自分の成人式の経験を小説『Message』にして残したし、今度ははちとごを舞台にした物語を書いて残すつもりです。

時間を止めて、はちとごを物語の中に閉じ込めます。最後まで読んでくださりありがとうございました。


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