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創作の火種

――風に吹かれても、雨に降られても、何があっても消えない創作の火種があるから、心折れそうなときでもその火を信じて、希望をくべることができるんです。


人生は物語。
どうも横山黎です。

作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。

今回は「創作の火種」というテーマで話していこうと思います。


🏨ついに明後日に控えた謎解きイベント

僕は今、木の家ゲストハウスのマネージャーとして仕事をしているんですが、今日はその仕事をお休みにして、朝からひたすら創作の日々でした。というのも、今度僕は、泊まれる謎解き「花火の幽霊~木の家ゲストハウスからの脱出~」というイベントを開催するんです。

これは、僕の職場である木の家ゲストハウスを舞台に、「謎解き体験」と「物語体験」が味わえるコンテンツ。ゲストハウスでみんなでタコパしながら、謎解きと演劇と物語を楽しめる体験をつくっているんです。

僕はシナリオを書いたり、テーマソングの歌詞を書いたり、予告動画をつくったり、いろいろやっています。謎をつくってくれたのは、謎解きサークル「Mito Escape」のしゅんちゃん。当日は、僕と彼のふたりがキャストを務めます。

イベントは9月28日、明後日です。明後日には本番を迎えていると思うと、少なからず膝が震えてくるのですが、怖気づいて何もしないままで終わるわけにはいかないので、じたばたしています。

今日も今日とてシナリオのブラッシュアップと演劇部分の稽古、謎の見つめ直しをしゅんちゃんとしていました。

ぎりぎりまで練り直している現状を悪く受け止めたくはありません。確かに一歩ずつより良いものになっているから、きっと面白い未来が待っているはずだと信じることにしています。

信じる力を侮るべきではありません。結局最後は根性論なので、面白いからやってみる、きっと大丈夫、ここまで準備してきたから良いものになる……そんな慰めにも似た希望を心にくべて、その炎を絶やさないようにしています。


🏨一度白紙になったシナリオ

久しぶりにがっつり創作と向き合ってきた4ヶ月。ブランクがあったこともあり、シナリオってどう書くんだっけ、面白い物語ってどうつくるんだっけ、伏線ってどう張るんだっけ……そんな初歩的な謎を解くところから、『花火の幽霊』という物語は始まりました。

この4ヶ月のなかで、一度シナリオが白紙になったこともありました。

5月の終わりとかだったかな。物語の全体の流れがきまってしゅんちゃんに共有したときに、手応えがあんまり感じられなかったんです。彼から「ちょっと弱いかも」と評されたことも覚えています。

現実的に、文学的に向き合いすぎたのかもしれないと思い直したんです。謎解きイベントに夥しい数参加しているしゅんちゃんから言われたのですから、彼の感覚を頼るべきだと判断し、僕はつくり直すことにしたんです。

もっとエンタメよりの物語にしよう。

謎解きイベントに参加したり、持ち帰り謎を解いたり、実際の謎解きイベントの予告動画を観漁ったりして、イメージを膨らませていきました。その果てに生み出されたのが、今の『花火の幽霊』なのです。

これを共有したときのしゅんちゃんの反応は明らかに前と違っていて、「これでいこう」と賛同を得られたんです。書き直した物語の方が、僕もより面白くなると確信していました。


🏨創作の火種

一度つくったものを壊す作業って、すごくストレスなことです。積み上げてきたもの、積み上がってできた形、それらを否定するわけですから、だいぶ苦渋の選択なんですよね。

ただ、そのまま積み上げたもので満足するのも違うし、壊して終わりにするのも違う。僕に残された選択肢は、「積み上げてみた結果、大したことなかったね」と確認ができたことが積み上げてきた意味であると割り切ることでした。

結果論ではありますが、もう一度積み上げていってできたものの方が素晴らしいと思えるものになったわけで、全てをばらばらに壊してしまう勇気を持つ意味を考えさせられました。

テーマソングをつくっているときも作曲してくれた人となかなか馬が合わずに滞ったこともあるし、僕もしゅんちゃんもなんだかんだ忙しくてスケジュール通りに事が進まず、プレ公演の延期や本公演の日数の制限をする事態にも見舞われました。

同時に集客の問題を解決しなきゃいけないし、制作物もつくって、セリフも覚えないといけない。自分たちでやらなければ回らないくらいの現在地に立っているけれど、それでも僕の、僕らの創作の炎が消えないでいるのは、本当にこれを成し遂げたいからなんだと思います。

風に吹かれても、雨に降られても、何があっても消えない創作の火種があるから、心折れそうなときでもその火を信じて、希望をくべることができるんです。

いつまでも燻っていたって仕方ないですから、明後日、一瞬の開花で永遠なる印象を残せるように、最後の最後まで創作魂を燃やしてよりよいものをつくりにいきます。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

20240926 横山黎



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