第3回 『怒りの感情と上手に付き合う方法』 part2 【結果を残す人がやっている自分の心の整え方】
【結果を残す人がやっている自分の心の整え方】というお題で全部で10個のテーマについてリコレクト所属のトレーナーに解説していただきます。
第1回『感情に振り回されてしまう原因と対策』part1 part2
第2回『ストレス軽減のために出来ること』part1 part2 part3 part4
第3回『怒りの感情と上手に付き合う方法』part1 part2
第4回『モチベーションを育てるために大切な要素』part1 part2
第5回『大切な場面で実力を発揮する方法』part1 part2
第6回『集中力が途切れたときに効果的な3STEPとは?!』part1 part2
第7回『自信の作られ方』part1 part2
第8回『自分で自己肯定感を積み重ねていく方法』part1 part2
第9回『目標達成のために必要なもの』part1 part2
第10回『コミュニケーションを円滑にする方法』part1 part2 part3 part4
各テーマに対してのアプローチ方法、解決の手助けになる方法などをお届けしていきます。
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第3回『怒りの感情と上手に付き合う方法』
こちらのテーマについて、リコレクト所属の2名のトレーナーにアプローチ方法を解説していただきます。
part1 江口 泰弘トレーナー
part2 野中 泰揮トレーナー
part2では、野中 泰揮トレーナーからのアプローチ方法になります。
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野中 泰揮トレーナーからのアプローチ
怒りの感情と上手に付き合う方法
昨今はよくアンガーマネジメントという言葉も耳にすることが増え、怒りの感情といかに上手に付き合っていくかが、良い人生にとって極めて重要であると言われています。
皆さんも実際に、些細なことで思わず感情的に怒ってしまって後悔したと思えば、そんな怒りの感情を押し殺してイライラが収まらないといったように、怒りの感情の取り扱いに苦労されているのではないでしょうか。
そこで今回は「怒りの感情と上手に付き合う方法」について書いていきます。
あなたが「怒り」の感情を抱いたのはどんなときですか?
では早速ワークから始めましょう。
【WORK】コロナ禍であなたが「怒り」の感情を抱いたのはどんなときですか?3つ考えてみましょう。
どうですか?
考えながらまた怒りが沸々とこみあげてきた方は、一度冷静に。
ちなみに私はこんな感じでした。
・咳をゴホゴホしているのにマスクを着けない
・ソーシャルディスタンスを取るべきなのに、すぐ後ろに並ぶ
・換気のできない狭い密室で会議をする
あまりに非常識で腹が立ちますよね!!
では、このようにして生じた怒りをどう取り扱っていけばよいのかを一緒に考えていきましょう。
1.怒ってはいけない?
さてここで、怒りに関して良くありがちな間違いが、
「そもそも怒ってはいけない」
「怒らない自分になりたい」
といった捉え方。
しかし、これは大きな間違い。
怒りは感情であり、感情とは心の自然な反応です。
美味しそうなものを見れば「美味しそう!」と感じる。
「美味しそうと感じよう」と考えて感じているわけではありませんよね。
このように、
感情はコントロールできないもの
だから、感情を思考でコントロールしようとすると、美味しそうなものを見ているのに「いや、美味しそうと思ってはいけない。あれは不味いんだ!」と無理やり暗示をかけているようなもので、頭は混乱し大きなストレスとなってしまいます。
怒りの感情そのものは悪いものではない
怒りは自分にとって相手が許しがたいレベルの非常識な行動を取った時に感じるもの。
ですから、「怒ってはいけない」と感情を押し殺すことは、今まであなたが生きてきた経験から培われた常識、ひいてはあなたのアイデンティティーそのものを否定することになります。
このように、怒りの感情を理性で押し殺すことは、一見外部に影響を及ぼさない正しい行為にとらわれがちですが、逆に自分自身に大きなストレスを伴う行為でもあります。まずは、怒りは自分の心の自然な反応であって、決して悪いことじゃないという正しい認識を持つことから始めましょう。
2.怒りの感情を暴走させない
さて、そもそも「怒り=悪いもの」と考えてしまいがちな原因の1つに、「怒りが悪い結果を生んだ」という経験則があります。
しかし、実際は怒りの感情を持つのが悪いのではなく、怒りに任せて感情的に行動してしまう「怒りの暴走」こそが元凶。
なんとしてもこの「怒りの暴走」を止めなければなりません。
怒りが生じると、ついカッとなって怒りのままに怒鳴るといった感情的な行動になってしまいがちです。
しかし、そもそも怒りの背景には相手との間に常識や価値観のズレがあるわけですから、このような強引な突破では、相手の猛反発を食らってしまいうまくいくはずがありません。
「そんなことを言われても、抑えられないものはしょうがないじゃないか!」と仰るあなたには次の例を紹介しましょう。
ある母親が娘の非常識な行動に怒りの感情がこみ上げ怒鳴りつけています。
「何やってんの!いい加減にしなさい!今日という今日は絶対に許さないよ!!」
と、そこに一本の電話がかかってきました。
「はい、もしもし。あら~●●さん、お久しぶり~!お元気でしたか~??」
ここで言いたいことは、
自分の思考と行動はコントロールできる
怒りの暴走は抑えられないのではなく、ただあなたが「怒りの暴走を抑えない」と決めて行動しているだけなのです。
確かに怒りに任せて行動する方が楽かもしれませんが、楽をしても良い結果は得られません。
まずは怒りの暴走こそが怒りの悩みの元凶であることを知り、一度怒りの感情を受け止められるようトレーニングを積んでいきましょう。
トレーニング方法として、思わず感情的に行動してしまったときに、「今回は思わず感情的に行動してしまったな。」と、事後に自分を客観的に振り返る癖をつけることをお勧めします。
これを繰り返すことで、だんだんとその場でも冷静に怒りを受け止められるようになるでしょう。
3.相手に過度な期待をしない
怒りの暴走を止め、自分の怒りを冷静に受け止められるようになったあなたが最後にすべきことは、相手に過度な期待をしないということです。
特に自分に自信がある人や正義感が強い人に、この「過度な期待をしてしまう」人が多いようです。その人の頭の中では「絶対にこうした方がいいのに、なんでそうしないんだろう?自分がいい方法を教えて変えてあげよう!」と、あくまで善意での行動だけに本人も気づきにくいのですが、これは相手にとっては価値観を否定されてるように感じられ逆効果です。
ではここでワークをやってみましょう。
【WORK】
①:今まで自分が相手に過度な期待をしすぎた出来事を考えてみましょう。
②:①の出来事が起こった時の「感情」「行動」「結果」を振り返ってみましょう。
③:②を踏まえて、自分がどうすれば良かったのかを考えてみましょう。
怒りの感情についてのまとめ
いかがでしたでしょうか?
私も以前、仕事ができて尊敬ができるもののコミュニケーションが苦手という上司に対して、「上司なんだから、そのコミュニケーションは良くない。なんとかコミュニケーションを良くしてあげよう。」との思いから様々なアプローチを試みたことがありましたが、全く効き目がなく、かえって関係が悪化するという逆効果を生んでしまったという経験があります。
そもそも自分が影響を与えられる人というのは限られています。
それは日ごろからの「この人の言うことなら聞いてみよう」という信頼関係がないと、いくら正論であっても受け入れてもらえないからです。
そう考えれば、赤の他人がマスクをせずに大声でしゃべっているのを見たときに、怒りは感じるものの、言っても通じない相手だから放っておいて、できるだけ自分から距離を取ろうと、相手ではなく自分の行動を変えることになります。
中には「明らかに相手が間違えているのに、なんで自分の方が相手に合わせて行動しなきゃならないんだ!」と思う方もいるかもしれませんが、そういうとき私はこう思うようにしています。
「こんな非常識な相手のことを考える時間が無駄」
「自業自得で結局はすべて自分に返ってくるはずだから、放っておこう」
私も昔はこういったことでいちいちイライラさせられていましたが、この割り切りを持てるようになってからは随分と気が楽になりました。
赤の他人や上司など、自分の影響が及ぶ可能性が低い相手に対して、いちいち過度な期待をしてストレスを溜めずに、「しょうがない」と潔く割り切ったうえで、自分がコントロールできる自らの思考や行動を変えていく方向にシフトしていきましょう。
怒りは大切な感情の1つであり、自分のアイデンティティーそのものでもあります。
だからこそ今日の内容を参考に、怒りを押し殺してしまうのではなく、怒りと上手に付き合っていくというスタンスでアンガーマネジメントに取り組むことで、自分らしい素敵な人生をつかみ取っていきましょう!
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最後までご覧いただきありがとうございました。
少しでも悩みを抱えている方のお役に立てますように。
今後ともリコレクト公式noteをよろしくお願いいたします。
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