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第10回 『コミュニケーションを円滑にする方法』 part3 【結果を残す人がやっている自分の心の整え方】

【結果を残す人がやっている自分の心の整え方】というお題で全部で10個のテーマについてリコレクト所属のトレーナーに解説していただきます。

第1回『感情に振り回されてしまう原因と対策』part1 part2
第2回『ストレス軽減のために出来ること』part1 part2 part3 part4
第3回『怒りの感情と上手に付き合う方法』part1 part2
第4回『モチベーションを育てるために大切な要素』part1 part2
第5回『大切な場面で実力を発揮する方法』part1 part2
第6回『集中力が途切れたときに効果的な3STEPとは?!』part1 part2
第7回『自信の作られ方』part1 part2
第8回『自分で自己肯定感を積み重ねていく方法』part1 part2
第9回『目標達成のために必要なもの』part1 part2
第10回『コミュニケーションを円滑にする方法』part1 part2 part3 part4


各テーマに対してのアプローチ方法、解決の手助けになる方法などをお届けしていきます。

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第10回 『コミュニケーションを円滑にする方法』 

こちらのテーマについて、リコレクト所属の4名のトレーナーにアプローチ方法を解説していただきます。

part1 江本 憲美トレーナー
part2 江口 泰弘トレーナー
part3 野中 泰揮トレーナー
part4 谷口 哲トレーナー


part3では、野中 泰揮トレーナのからのアプローチ方法になります。

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コミュニケーションの苦手を克服する方法

こんにちは、リコレクトメンタルトレーナーの野中です。
「コミュニケーションが苦手・・・」という方がとても多いようです。総務省の調査では約7割の人がコミュニケーションを苦手としているという結果が出ており、個人差はあれどコミュニケーションで悩んでいるのはあなただけではありません。

現在私は大手外食企業で人事を担当しており、社員からの悩み相談なども多く受けますが、実際にダントツNO.1の悩みは人間関係となっており、そのほとんどが「コミュニケーションがうまくいっていないこと」に起因しています。

やはり仕事にしてもプライベートにしても、社会生活を円滑に進めるうえでコミュニケーションは非常に重要な要素であるからこそ、うまくいかなくて悩む方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、コミュニケーションが苦手なあなたでもできる「コミュニケーションの苦手克服法」について、メンタル的なアプローチでお伝えしていきます。

コミュニケーションの苦手克服法


① 緊張する
コミュニケーションが苦手な人の原因として多いのがこの「緊張する」です。緊張の中身は以下のようなものが多いようです。
 ・思ったことをうまく伝えられない(から緊張してしまう)
 ・会話がうまく続かない(から緊張してしまう)
 ・そもそも極度の人見知り(だから緊張してしまう)

では、なぜ緊張するのでしょうか。

コミュニケーションを取るときに、自分のアクションに対して相手からリアクションが返ってきますよね。例えばあなたが相手に何か提案をする場面だとしましょう。このとき肯定的なリアクション、例えば「それ、いいね!」と返ってくれば安心できます。一方で否定的なリアクション、例えば「何それ、全然意味わかんない」と返ってきたらどんな気持ちになるでしょうか。

このように「相手から否定されたらどうしよう」という不安などによって緊張が生じる。これが、コミュニケーションが苦手な人が対人関係で緊張をしてしまうメカニズムです。

特に初対面の相手などは相手がどんな人かといった基本的な情報すらないため、より緊張しやすくなります。私は多くの面接を行いますが、緊張してガチガチになってしまう人が多いのは、まさにこの典型ともいえます。

② 相手のリアクションが怖いからアクションしない
そして、この緊張状態がより対人関係を悪化させていきます。

負のリアクションに対する緊張状態を回避する方法として、「自分がアクションを起こさなければ、リアクションそのものが無くなって傷つかずにすむ」と考え、結果的に自らアクションを起こすこと、すなわち自ら人に関わること自体を避けるという行動を取ってしまうのです。

当然ですが、こうすればするほど相手との溝は深まり、ますます対人関係が悪くなることで、「やっぱり自分はコミュニケーションが苦手だ・・・」とさらに自信を失い、より人との関わりを避けるといった負のスパイラルに陥ってしまいます。

③ 相手のリアクションを気にしない
では、コミュニケーションが得意な人と苦手な人はいったい何が違うのでしょうか。

実は、コミュニケーションが得意な人はそもそもあまり緊張をしません。
なぜ緊張しないのかというと、
相手のリアクションをさほど気にしていないから

でも、どうして相手から否定的なリアクションが来るかもしれないし、ひどく傷つくかもしれないのに気にならないのでしょうか。

それは、相手のリアクションはコントロールできないし、だからこそ気にしてもどうしようもないことを知っているからです。

ここで、「相手のリアクションはコントロールできるのか」について、先ほどの提案の例をもとにシミュレーションをしてみましょう。

あなたが相手に何かを提案する場合、相手が共感してくれるように一生懸命考えますよね。そしていざ相手に提案をします。「それ、いいね!」と言ってもらいたい。「何それ、全然意味わかんない」なんて否定されたくない。さて結果は・・・

いかがでしょうか。残念ながらこれってコントロールできませんよね。
肯定的なリアクションを得られるように努力することはできますが、最終的に相手がどんなリアクションを返すかどうかをコントロールすることはできません。相手の行動を決めるのはあくまで本人でしかあり得ません。

メンタルトレーニングでは、この「コントロール出来るものと出来ないもの」を以下のように仕分けして考えます。

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ここで注目して欲しいのは、【相手】はコントロールできないということです。

だからこそ、コントロールできない相手をいくら気にしてもどうしようもないと割り切り、コントロールできないものに振り回されないこと。これが「相手のリアクションを気にしない」ことの本質となります。

相手に否定的なリアクションを返されてもしょうがない(だってそれは相手が決めることだから)

この割り切りを持てるようになると、相手のリアクションに対する緊張が緩和され、自ら人に関わることを避けるといったネガティブ行動ではなく、「まあ、ひとまず自分の考えを伝えてみよう」といったポジティブな行動を取る勇気が持てるようになるはずです。

④ 自分にフォーカスする
前項で相手はコントロールできないことを共有しました。そこで注目して欲しいのが、先ほどの表の中でコントロールできるのは【自分】だけということです。

だからこそ、もう1つ大切なことは、「自分にフォーカス」することです。
コントロールできないものから脱却した分の関心を、コントロールできる自分の思考と行動に向けることで、よりコミュニケーション力を高めることができます。

もし先ほどの提案の結果、相手に「何それ、全然意味わかんない」とリアクションを返されたとしましょう。

このときあなたが、「こんなに一生懸命努力して提案したのに、相手が全然分かってくれなくて、本当に腹が立つ!リアクションも冷たくて許せない!!」と感じるようであれば、それはまだコントロールできない相手に振り回されている状態です。

また、相手のリアクションを気にしないことはできても、「じゃあもういいや」と開き直ってしまっては、相手とのコミュニケーションもうまくいかないまま平行線を辿ってしまいます。どうでもいい相手(例えば一度きりしか関わらない相手)であれば問題ありませんが、そうはいかない相手だと困りますよね。

そこで重要になるのが、自分には何ができるのかと考えることです。
なぜなら、コントロールできるのは【自分】だけだから。

「どの辺が分からなかったのか聞いてみよう」「確かにそこはわかりにくかったからもう少し工夫をしてみよう」「伝える前に予め整理をしてから伝えるようにしてみよう」といったように、自分にフォーカスすることができれば、あとは行動に移していくことで着実に良い変化につながっていくはずです。

相手は変えられないから自分が変わる

相手のリアクションを気にしているのは、心のどこかでコミュニケーションがうまくいかない原因を相手のせいにしようとしているからです。

変えられない相手のせいにするのはもう辞めて、コントロールできる自分にフォーカスして、自分の思考と行動を変えていくことで、自分が変わること。

コミュニケーション能力は先天的ではなく後天的に十分備わる能力です。今のコミュニケーションに自信のない自分を変えるために、自分の行動を積み重ねることで、コミュニケーションの苦手を克服していきましょう。
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最後に、
コミュニケーションが苦手であることの本質は他人を過剰に気にすることにあります。
私の社内にも上司の顔色ばかり気にして疲弊している社員をよく見ますが、上司側は案外そんなことは求めておらず、むしろ自分なりの考えをぶつける勇気を持ってほしいと考えているものです。
ありのままの等身大の自分でぶつかってみて、うまくいかなければ自分を変えることで自己成長につなげるといった思考法を身に着けることで、他人に振り回されない自由への道を歩んでいきましょう。

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最後までご覧いただきありがとうございました。
part4では、同じテーマで谷口哲トレーナーの解説をお届けいたします。

少しでも悩みを抱えている方のお役に立てますように。
今後ともリコレクト公式noteをよろしくお願いいたします。

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