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第9回 『目標達成のために必要なもの』 part1 【結果を残す人がやっている自分の心の整え方】

【結果を残す人がやっている自分の心の整え方】というお題で全部で10個のテーマについてリコレクト所属のトレーナーに解説していただきます。

第1回『感情に振り回されてしまう原因と対策』part1 part2
第2回『ストレス軽減のために出来ること』part1 part2 part3 part4
第3回『怒りの感情と上手に付き合う方法』part1 part2
第4回『モチベーションを育てるために大切な要素』part1 part2
第5回『大切な場面で実力を発揮する方法』part1 part2
第6回『集中力が途切れたときに効果的な3STEPとは?!』part1 part2
第7回『自信の作られ方』part1 part2
第8回『自分で自己肯定感を積み重ねていく方法』part1 part2
第9回『目標達成のために必要なもの』part1 part2
第10回『コミュニケーションを円滑にする方法』part1 part2 part3 part4


各テーマに対してのアプローチ方法、解決の手助けになる方法などをお届けしていきます。

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第8回 『目標達成のために必要なもの』

こちらのテーマについて、リコレクト所属の2名のトレーナーにアプローチ方法を解説していただきます。

part1 野中 泰揮トレーナー
part2 谷口 哲トレーナー


part1では、野中 泰揮トレーナーのからのアプローチ方法になります。

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スポーツ選手の目標達成に必要なもの

こんにちは、リコレクトメンタルトレーナーの野中です。
現在私は大手外食企業で人事を担当しており、その中で新入社員育成の一環として「目標達成研修」というものを行っています。これは、目標を設定し実行し達成するという経験を積むことで、様々な壁を自分で乗り越えられる人財に成長して頂くことを目的として行っており、新入社員が自立への第一歩を踏み出すサポートにつながっていると実感しております。

また、私の会社では年に一度ほど社内行事に講師をお招きして講演を行って頂くのですが、2019年にお呼びした元ラグビー日本代表である廣瀬俊朗さんの講演が「たくさんの共感と気づきを得られた」と社員から最も好評を得ました。一見全く異なる「外食業界」と「スポーツ業界」に実はたくさんの共通点があり、外の業界だからこそ受け止めやすい発信ができるのであれば、私も逆にビジネス視点からスポーツ選手の悩み解決に寄与できればと考えています。

そこで今回は、この目標達成研修のプロセスをもとに「スポーツ選手の目標達成に必要なもの」というテーマで記事を書かせて頂きます。

3つのプロセス


さて、目標達成研修には大きく3つのプロセスがあります。
上司と一緒に目標を設定する
行動目標を決める
90日間継続する

① 上司と一緒に目標を設定する
目標設定研修では、まず初めに上司と一緒に目標を設定してもらいます。ここでのポイントは「上司と一緒に」ということです。すなわち、組織目標に即した目標設定になっているかどうかが重要ということです。

では、なぜそれが重要なのかというと、上長の協力を得られない目標はほぼうまくいかないからです。

この「上司とのズレ」が、外食の現場では非常によく起こります。基本的に外食の現場では「一対大多数」というマネジメントスタイルとなり、必然的に1対1でのコミュニケーションに時間が割けなくなってしまいがちです。すると、目的やゴールイメージといった取組の主旨を割愛し、端的にやって欲しい行動を指示することになり、結果的にズレが生じてしまうわけです。これは、外食同様「一対大多数」というマネジメントスタイルになるスポーツにおいては、通ずるものがあるのではないでしょうか。

ここで1つWORKをしてみましょう。
【WORK】あなたが今掲げている目標は、監督やコーチ、キャプテンがあなたに叶えて欲しい目標と合致していますか?合致していると自信を持って言えるものと、言えないものに分けて書き出してみましょう。

いかがでしょうか。
多くの方が「ズレていないはず」といった感覚を持っており、実際に直接対話で確認するという行動を取りません。特にWORKで「チームは私に何を期待しているんだろう?」と、今明確に認識できていない自分に気付いた方は、是非対話の機会を作り直接確認してみることをおススメします。

影響力のある方の力強い後押しは本当に心強く、目標達成にグッと近づくことになるでしょう。


② 行動目標を決める
上司と目標を決めたら、次にその目標達成のためのアクションとして、行動目標を決めてもらいます。ここでのポイントは、「行動目標」ということです。結果ではなく行動に目を向けるようにします。なぜなら、結果はコントロールできないからです。

例えばダイエットなどを想像してみてください。当初はやる気に満ち、結果も出て楽しく取り組めていたはずが、2か月目になると急に結果が出なくなるとやる気も無くなり辞めてしまう・・・これを聞いてドキッとした方も多いのではないでしょうか。

このように、取組を継続できなくなる最大の要因は、結果が出ないことで「うまくいっている!」というプラスの感情が次第に失われていくことにあります。実際にダイエットでは停滞期と呼ばれる減量が止まる期間があり、結果が出ないことでやる気を失い辞めてしまうことが、失敗の最大の要因となっています。だからこそ、コントロールできない結果に翻弄されるのではなく、自分の意志でコントロールできる行動にフォーカスします。

例えば、「毎朝通勤の際に1つ前の駅で降りて歩く」という目標を立てていたとします。この場合、停滞期で体重の減少は止まっていたとしても、「今日も1駅分歩けた!」と感じることができ、「うまくいっている」という感覚を持ち続けることができます。

この、目標達成のために自分で決めた行動目標を着実に実行できているという自己肯定感を持てると取組は自然と継続できます。

あなたは今、目標達成のためにどんな目標を立てているでしょうか?

早く目標を達成したいという欲が強ければ強いほど、どうしても結果ばかりを求めてしまいがちですが、実はそれが大きな落とし穴であることを認識し、「●●をする」という具体的な行動目標を設定してみましょう。


③ 90日間継続する
無事目標設定を終え日々の行動フェーズに入るのですが、ここでのポイントは「90日間継続」です。それは、何かを根本的に変える1つの単位として、この90日、すなわち3か月という期間が必要だと考えられているからです。

しかし、ここで多くの社員が目標の再設定をすることになります。それは、高すぎる行動目標を立てて挫折してしまうからです。

ところで、あなたの中に「目標は高く設定しなければ意味が無い」といった感覚はありませんか?実はこの感覚をお持ちの方が非常に多く、特に外食やスポーツ業界などの体育会系色の強い業界では根強い傾向にあります。

この感覚は当然これまで生きてきた中で培われた価値観のようなものであり、こういった自分の中で当たり前化しているルールのことを「自分ルール」と呼びます。そして、この自分ルールが邪魔をする場合があります。

今回の行動目標設定では、「目標は高く設定しなければ意味が無い」という自分ルールによって、目標を高くしすぎるがあまり挫折してしまうことにつながり、行動継続のカギである「できた!」「うまくいっている!」という自己肯定感を感じることができなくなってしまっています。これでは本末転倒ですよね。

あなたが今掲げている行動目標は90日間継続して取り組める目標になっているでしょうか。

一度自問自答してみたうえで、出来ると踏めばまずは実行してみましょう。そしてもし、挫折しそうだと感じた場合には、「いや、こんなこともできない自分なんてダメだ」と自己否定をせずに、ありのままの今の自分でも頑張れば着実にできる行動目標に修正してみてください。

自己肯定感を感じられる目標を設定することで、90日間継続することが辛いといったマイナスの感情体験から、日々の「できた!」というプラスの感情体験に変わり、自ずと「もっとやりたい!」と行動が促進されていくことでしょう。これが無理なく取組を継続するための非常に重要な秘訣となります。

ここで挫折を乗り越えた社員は自信を付け一皮剥けます。是非自分ルールに縛られずに、90日後に「自分で決めた目標をやり遂げられた!」という自信を持てている自分をゴールイメージに持ち、必要に応じて変更をしても構いませんので、「できた!」を感じられる適切な行動目標を設定してみましょう。

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最後に、冒頭でお伝えしたラグビーの廣瀬俊朗さんは、日本代表としてワールドカップで優勝候補の南アフリカを破るというジャイアントキリングを達成した一員であり、世界のメディアでも取り上げられ、日本中に大きな感動を呼びました。

この経験について廣瀬さんは、「自分たちが日本のラグビー界を変える」と本気で思っていたからこそ、世界一きついと言われる練習にも耐え、キックを選んで引き分けでも大健闘と言われる結果であったにもかかわらず、「ラグビー界を変えるなら勝つしかない」と迷うことなくスクラムを選び、それが逆転勝利につながったと仰っていました。

きっとあなたの「目標を達成したい!」と思う背景には、「あんな風になりたい!」といった欲があるはずです。そして、最後の踏ん張りどころで踏ん張りがきくかどうかは、その欲の真剣さに比例するのではないでしょうか。

今回の内容を参考にして頂きながら、今一度その目標達成の裏側にある真の目的に気付くことが目標達成への一番の原動力であり、達成の秘訣ではないかと思いますので、是非確認してみてください。

スポーツでの活躍を夢見るあなたの助けになる記事になっていれば幸いです。
それでは、また。

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最後までご覧いただきありがとうございました。
part2では、同じテーマで谷口 哲トレーナーの解説をお届けいたします

少しでも悩みを抱えている方のお役に立てますように。
今後ともリコレクト公式noteをよろしくお願いいたします。

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