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【創作】小休止したとまり木で
トン、カラララン。コト。
昔ながらの喫茶店で私はランチの到着を待つ。座席についた際にいただいたお冷には氷が入っており、テーブルに置くたびにカラカラと涼しい音をたてた。
生まれてから18年。一度も引っ越しもせずこの街に暮らしていたけれど、こんなに風情のある喫茶店があることを私は知らなかった。
周りのみんなが受験勉強に本腰を入れ始めた中間テスト後。やりたい事も行きたい学校も特になく、でもこ
【創作】君に花を贈ろう
「1年間ありがとう。亮太に赤いチューリップをプレゼントです」
大学3年の夏、付き合って1年目の記念日に花をもらった。
彼女である綾香は1つ下で、出会った時は高校生感が残る、良くいる量産型女子というイメージだった。
俺達が距離を縮めたきっかけは映像研究の講義。たまたま前後の席で、たまたま同じグループになり、話すようになるという良くあるやつだ。
綾香はハッキリ物を言い、遠慮なく脛を蹴ってく
【創作】マッチングアプリでいいねができない。
「社会人になったら出会いがなくなったの意味を痛感してる」
「わかる~。ゆーて学生時代もなかったが」
「理恵は共学だったじゃん。こちとら女子大卒の女子の花園へ就職だかんな。なめんな」
「菜穂さんや、男がいても話すかどうかは別なのよ」
女が集まればもっぱら話題は恋の話であるが、彼氏いない暦イコール年齢の女が揃いも揃って話す内容は、だいたい夢が詰まった理想の男性像についであった。そして話題の行