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運命と私

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運命には逆らえない。運命に翻弄されながら生きた女性の一生。
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#仕事

家族(世界と私55)

家族(世界と私55)

気が付くと外は明るくなり、
時計を見ると10時を過ぎていた。

昼過ぎには娘が帰って来る、
私は飛び起きて、
部屋を掃除して洗濯機を回し、
お酒の瓶を捨てて、
見ていたテレビの履歴を消して、
私の堕落した生活の証拠が残らないように、
すべてを片付けた。

2時過ぎ頃に娘が帰って来た。

「ただいま~」

「お帰り!お疲れ様!」

私の母親スイッチが入った。

その日の夜は娘と2人だった、
塾合宿の

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誓い(世界と私54)

真っ暗な家に入るのは少し怖かった。

家に入ってすぐにすべての電気をつけた。

お風呂に入り、下着だけで、
リビングでくつろいでいた。

雑然とした部屋に下着だけの私。

明日からはまたいつもの生活。

「片付けないと・・・・」

始めは1人の空間に慣れなかったけど、
今はすっかり1人に慣れた。

慣れ過ぎて、堕落した自分に少しうんざりした。

動くのがめんどくさい。

私はテレビをつけてソファで

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ふわふわ(世界と私53)

ふわふわ(世界と私53)

「すみません、そろそろ閉店なんですけど・・・」

店員のお姉さんが申し訳なさそうに話しかけて来た。

「えっ?」

時計を見ると11時を過ぎていた。

私たちは7時間も話していた。

「遅くまでごめんなさい、会計お願いします。」

私たちは会計を済ませてバタバタとお店を出た。

真夏のじめじめとした夜の風が、
エアコンで冷え切った私の体を温めた。

「ねえ、みづき、昔みたいに一緒に働かない?
今は

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運命(世界と私24)

翌日、私はギャラリーに向かった。

1年前、なぜこの裏道を通ろうと思ったのか?
これも運命の流れなんだろうか?
あれから1年か、早かったな、
楽しい時間は早く過ぎるのね・・・

「子供」

わかっていたけど、
私はそこから目をそむけていた。

年齢的にも逃げてはいられない歳になった。

「おはよう!」

後ろから声を掛けられ驚いて振り向くと南さんが立っていた。

「どうしたの、顔色悪くない?
具合

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時は流れる(世界と私21)

時は流れる(世界と私21)

私たちはパスタを食べて事務所に帰って来た。

南さんに指示された仕事が意外と早く終わり、
帰ろうとしたその時、
南さんと合田さんが帰って来た。

「みづき帰るの?お疲れ様。
じゃ年明け5日からお願いね。」

「はい、わかりました。」

「あっ!そうだこれあげる。」

そう言って南さんは私に、
ターコイズブルーの刺繍糸で編んである、
ブレスレットをくれた。

「かわいい!いいんですか?」

「うん、

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久し振り(世界と私19)

いつも通りの朝。

祐一を送り出して、
私はギャラリーに向かった。

「おはようございます。」

「おはよう!」

奥から南さんが出て来た。

「昨日は大丈夫でしたか?」

「うん、あんまり記憶が無いけど、
朝起きたら自分のベッドで寝てたから大丈夫!」

「かなり酔ってたから家に帰れたか心配だったんですよ。」

「ごめん!何も食べないで飲んでたから、
すっかり酔っちゃった。みづきはお酒強いんだね!

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予想外(世界と私13)

予想外(世界と私13)

私の予想と異なり、
オープンするとお客さんは後から後から来て、
狭いギャラリーは人でいっぱいになった。

「1人でも多くの人に芳名帳を書いてもらって」という、
南さんの指示で色々な人に声を掛けて芳名帳を書いてもらった。

お昼頃になるとやっとお客さんは減って来た。

「思ったよりたくさんの方が気てビックリしました。」

「誰も来ないと思った?」

「いえいえ!そうじゃないです!」

「今のうちの何

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別人(世界と私12)

別人(世界と私12)

12月25日、
ついに私は北沢海月になった。

一緒に暮らして始めてのクリスマス。
今日は早く帰ってクリスマスディナーを作って、
そして入籍のことも話そう!

今日から展示会が始まる。

昨日はお客さんに配るリーフレットの準備をしたり、
ギャラリーを花で飾ったりと、
久し振りの仕事が力仕事でドッと疲れてしまったけど、
南あゆみの世界が出来上がった時は嬉しかった。

まだ会って2日なのに、
前からの

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仕事(世界と私8)

仕事(世界と私8)

私はギャラリーの中の写真を見た。

普段なら見過ごしてしまうような、
日常の何気ない一場面を、
主人公にした写真が多かった。

脇役をメーンにした写真。

「ねえ、この近くに住んでるの?」

「えっ?はいそうです。」

「主婦?」

「えっ?まっ一応、
最近結婚して引っ越して来たんです。」

「そうなんだ、何か仕事してるの?」

「今探してて、でもなかなか希望の仕事が無くて。」

「会ったばかりで

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結婚の現実(世界と私5)

結婚の現実(世界と私5)

祐一は私が婚姻届けを出していないことに気が付いていなかった。

引越しの前に色々と二人で話し合った。

結婚式をやるか?やらないか?
いつ婚姻届けを出すか?
どこに引っ越すか?
親族の挨拶はどうする?
仕事は?お金は?

結婚は大変。

「好き」だけじゃ結婚は出来ない、
って言っていた人がいたけど、
今なら意味が理解できる。

他人が一緒に暮らすには、
譲り合いが必要。

そこには愛と許しが無いと

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運命と私98( 不信感)

運命と私98( 不信感)

「川崎さん来週の金曜日って暇ですか?」

後輩の中谷が聞いて来た。

「来週?べつに予定は無いけど・・・」

「みんなで暑気払いをしようって社長が言ってて、
川崎さんも参加ですね。」

中谷は相変わらず少し変わっている。

私は参加するなんて一言も言ってない、
でも社長が来るなら強制飲み会なので欠席は許されない。

「この前、忘年会をやったお店に仕事が終わったら集合です。」

「うん、わかった。」

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運命と私 7

運命と私 7

私は重たい気持ちを引きずって、
1人で家に帰った、
家にいても、会社に行っても、
私は孤独、このまま孤独死するのかな?
私の心は底なし沼に沈んでしまった。

次の日も私の心は沈んだままだった、
底なし沼から這い上がるには時間がかかる。

朝起きてカーテンを開けて、
「会社行きたくない!」
と独り言を言って見た。
わかってる、
生きる為に働かないといけない。

私はがんばって仕事に行った。

そして

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運命と私 3

運命と私 3

会社に着いて私はまず自分の紅茶を入れた。

そして席に座って温かい紅茶を飲んだ。

私の名前は川崎海月(みづき)

海の月なんて暗い名前でしょ?

この会社に勤めてもう6年になる。

ここで働く前は雑誌の編集の仕事をしていた。

と言っても1年だけだけど・・・

私は大学を出て雑誌の編集の会社に入社した。

みんな意識の高い女性ばかりで、
私はみんなの輪に入ることが出来ず、
いつも疎外感を感じてい

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