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家族(世界と私55)

気が付くと外は明るくなり、
時計を見ると10時を過ぎていた。

昼過ぎには娘が帰って来る、
私は飛び起きて、
部屋を掃除して洗濯機を回し、
お酒の瓶を捨てて、
見ていたテレビの履歴を消して、
私の堕落した生活の証拠が残らないように、
すべてを片付けた。

2時過ぎ頃に娘が帰って来た。

「ただいま~」

「お帰り!お疲れ様!」

私の母親スイッチが入った。

その日の夜は娘と2人だった、
塾合宿の愚痴を聞きながらの夕食。

次の日の夜は娘2人と私の3人での夕食。

またまた部活の愚痴を聞きながらの夕食。

そして祐一も帰って来た。

いつもの韓国のりを大量に買って来た。

そして家族4人での夕食。

「ママ、1人で寂しくなかった?」

「寂しかったよ~、毎晩泣いてよ!」

「うそだ!お酒の瓶が捨ててあったよ、
夜1人でお酒飲んでたでしょ?」

下の子は鋭いので色々なことに気が付く!

「バレた!寂しくて1人でお酒のんでたの!」

「ふ~ん、そーなんだ!」

まさか男の人と飲んでキスされたなんて、
口が裂けても言えない。

この世にはとんでもない秘密を抱えた母親がいるのだ!

私は南さんと一緒に仕事をすることをみんなに話した。

久し振りの家族での食事。
1人もいいけどやっぱり家族と一緒だと安心する。

私はいつもと違う気持ちだった、
当たり前の日常に感謝の気持ちを感じていた。


つづく

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