誓い(世界と私54)
真っ暗な家に入るのは少し怖かった。
家に入ってすぐにすべての電気をつけた。
お風呂に入り、下着だけで、
リビングでくつろいでいた。
雑然とした部屋に下着だけの私。
明日からはまたいつもの生活。
「片付けないと・・・・」
始めは1人の空間に慣れなかったけど、
今はすっかり1人に慣れた。
慣れ過ぎて、堕落した自分に少しうんざりした。
動くのがめんどくさい。
私はテレビをつけてソファで横になり、
普段は見ない深夜のテレビをみていた。
昔々に流行った有名人がクイズ番組に出ていた、
みんな年を取ったな~
でもこんな年でも仕事してるなんて元気だな~。
明日からまたいつもの生活に戻る。
でも一つ違う事は、
また南さんと一緒に夢を追いかけるということだ。
主婦を長くしていると、
家族からは必要とされても、
世の中からは必要とされていないと思ってしまう。
でも「写真」というツールで世界と繋がることが出来たら、
そんな嬉しいことは無い。
私の心は踊っていた。
まるで童心に帰ったかのようだった。
祐一の浮気事件から、
私は祐一との間に距離を感じていた、
その距離を縮める為に、
祐一と二人で食事にいったり、
夜の営みもするようにした。
でも私の心は満たされることは無かった。
私と祐一の間に大きな壁が出来てしまったのだ。
私は家族と一緒にいながら孤独を感じていたのだ。
子供中心の生活で自分の気持ちを考えなかった、
いや、考えても何も変わらないと思い込んでいた。
でもこれからは違う、
私は私らしく生きる。
私は下着姿でそう誓った。
つづく
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