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これからの、小売の話をしよう。

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ショップは、ただモノを"売る"だけの場所ではなくて。そしてお客様は"買ってくれる"だけの相手でもなくて。明日がくるのが楽しみになるような、そんなショップがそこら中にある世界につい… もっと読む
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#メディア

店舗設計は「VMD」から「空間UX」へ

店舗設計は「VMD」から「空間UX」へ

「店舗メディアの作り方」というコミュニティマガジンをはじめてから、以前にも増して店舗というメディア、そして店舗空間での体験について考える機会が大幅に増えました。

私は常に実店舗をWebメディアや雑誌に例えて話す癖があって、例えば

『百貨店のビジネスモデルってWebメディアでいうとアフィリエイト収入しかない状態ですよね』

といった話をしたりしています。

Webメディアや雑誌にひとつの記事を読

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それはもはや、コマースというよりメディアと呼ぶにふさわしいのかもしれない Net-A-Porter #リテールスタートアップ研究

それはもはや、コマースというよりメディアと呼ぶにふさわしいのかもしれない Net-A-Porter #リテールスタートアップ研究

すっかり更新が滞っていましたが、久しぶりのリテールスタートアップ研究のコーナーです!

今回は、もはや研究するまでもないほど有名なNet-A-Porter。

2015年にYOOXと合併し、グローバルで見ても今やFarfetchと双璧をなす巨大ラグジュアリーECになりました。

2016年のオンライン売上でラグジュアリーECトップの座に躍り出たYNAP(YOOX&Net-A-Porter)について

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これからの小売を考える上での必読書に出会った話。

これからの小売を考える上での必読書に出会った話。

意気揚々と「店舗メディアの作り方」という月額マガジンをはじめたのですが、うっかりさんなので単品マガジンで作ってしまい、落ち込んだりもしたけれど私は元気です。(すでに購入してくださった方には別途ご案内のご連絡します!)

まあミスしてしまったのは仕方ないので、気を取り直してマガジンはじめたらすぐに書こう!と思っていたことを書きます!

それは数日前のこと。

NewsPicks編集部のまわりをうろう

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「店舗」というメディアが好きなわけ

「店舗」というメディアが好きなわけ

昨日ふと、『私は "小売"というより "売場"が好きなんだ』と気づいた瞬間がありました。

もっと言うと、単なる『売る場所』ではなく、人が新しいものに出会い、試してみたい、そして持って帰りたいと思えるような場所。

洋服そのものも好きだし、作り手の思いを聞いたり産地に足を運ぶことも好きだけど、私はいつもその感動をどう届けるかを考えたくなります。

ただ量を売るのではなく、適切な人に適切なものを、ち

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「うつわ」は変わる。でも、必要とされる「役割」は変わらない。

「うつわ」は変わる。でも、必要とされる「役割」は変わらない。

普段ニュースを見ていると、やれ小売業の不振だ、出版不況だという暗いニュースがたくさん目に飛び込んできます。

他にも、大企業の給与カットや早期退職、業績不振による事業譲渡などの話題も度々目にします。

しかし、かたや私が日頃仕事をしているコミュニティ内では、誰かが起業したり、新しいブランドを立ち上げたり、Webメディアを軸に新しい雑誌を創刊したり、というニュースもよく見聞きします。

つまり、世の

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「レコメンド」がすべて機械に置き換わったりしない理由

「レコメンド」がすべて機械に置き換わったりしない理由

「リッチマン・プアウーマン」というドラマをご存知でしょうか?

スタートアップ界隈にいる30代であれば知らない人はいないのではないかと思うくらい、月9の恋愛ドラマであるにも関わらず男性人気の高い作品でした。

億万長者のベンチャー社長・日向徹の言動がいちいちかっこよく、このドラマを見てベンチャーに入ったり起業を目指した人も一定数いるのではないかと思います。

仕事に向き合う姿勢や哲学などの名言が多

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メディアとコマースの境目が曖昧になっていく時代だから

メディアとコマースの境目が曖昧になっていく時代だから

先日一部界隈で話題になった山本一郎さんの「ほぼ全部ステルスマーケティングの糸井重里『ほぼ日刊イトイ新聞』の憂鬱」という記事。

ここでなされている指摘は一企業の問題ではなく、今後メディア業界と小売業界どちらもが直面する問題なのではないかと思います。

以前「ほぼ日ブランドのすごいところ。」という記事を書いたのですが、ほぼ日自体はもともとメディアであり、そこから手帳をはじめとした様々な商品が生まれ、

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