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歌詞集

31
ここでは詩のなかでも歌詞っぽいものをまとめています。
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#歌詞

青春の影

青春の影

二度とは戻れない青春
黄金色の扉から見える
夕陽に照らされた教室と
黒板に描かれた相合傘

グラウンドの隅で咲く花
誰にも気に留められずに
きっと私もあの花と同じね
あなたの物語の片隅で
名前も忘れられているの

孤独との対話の中で
失われていったもの
一番大事な宝物と
あの頃、呼んでいたもの

沢山、恋はしたけれど
どれも夢中にはなれなかった
後悔ばかりを経験したから?
傷つく心を恐れていた

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火炎舞踏会

永遠に焼かれる業火の中で
高らかに笑う誰かがいる
燃える身体など気に留めず
素顔を覆い隠している

炎に焦げる痛みすら
楽しんでいるかのよう
優雅に飛び廻る
赤銅のマスカレイド

記憶を失い、這い上がる
術を忘れても
煤けた心を躍らせる
狂おしいほどのカリスマ

マスカレイド…
両手を広げ、物憂げに俯き
口ずさむ天使のメロディー
彼を知る者はいない

嗚呼、マスカレイド…
埃積もった開かずの部屋

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三等星のなみだ

雪の降りしきる河川敷
風が冷たく突き刺さる
地獄のような日々

半笑いの陰口に耐えきれず
うずくまり、震えていたの。
凍りつく心を温めて…
そっと涙を拭う人を求めてる

嗚呼、夢から醒めないで
覚まさないで、いっそこのまま
真冬の空に咲く小さな煌めき
あの三等星に私はなりたい

携帯がとても怖かったの
カメラは真実を写してしまうから
麻痺させた心がまた疼いてる
知っているわ、
その姿がいかに滑稽か

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タイムトリッパー

薄い水彩画のキャンバスは
高校の向かいの小さな部屋
傘もささず、飛び出した君
胸に着けていたのは
銀のロザリオ

1時間おきに飛び出す鳩時計よ
この声が聞こえるか?
刻む秒針に不安を募らせた
お前の思うツボさsay Good-by

あるがままの恋に憧れ焦がれていた
淡墨のそよ風が紫陽花に滲む

remember me
記憶の奥で揺らめく青い炎
まがいものならすぐに吹き消して

たまに笑みを浮かべ

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朗読詩 箱舟の子

君は叫んでいた
「誰か、僕の話を聞いてください
世界が海に沈むほどの大雨がきます」

扉を叩いて、窓を開けて
ただ君は、君は、
居場所が欲しかった

蔑んだ目
お前は嘘つきの子供
2人の親に見捨てられた
傷だらけの男の子

少しずつ増えていく雨粒の音
焦りに満ちた夜がくる
どうか、目を覚まして、
星が消える前に

蔑んだ目
お前は可哀想な子供
ねじが足りない
欠陥だらけの男の子

離れ離れになった

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デンコウアンジュ(イメージ詩)

さぁ、扉よ開け
準備はいつでも万端
今日の私は一味違うの

さぁ、お逃げなさい
思うままに走る
あの子の背中に
刹那の一閃を
お見舞いしてあげる

最後に笑うのは私

狐に化かされた観客
雨に濡れた東京
草の匂いと静寂
今、時を操るのは私

胸の鼓動が止まらない

さぁ、扉よ開け、
準備はいつでも万端
霧で見えないくらいが
私にはちょうどいいから

さぁ、お逃げなさい
気持ちよく先頭を
行くあの子

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ジオラマガール

果てしなく続く水平線
向かう少女の
足取りは深い海の底
その素顔は
もう二度と知る事のない
秘密のスクランブル

学生証に挟まれた家族の
ポートレート
肩までのポニーテール
スカートの丈は膝下で
キラリ、光る
セイコーの時刻は
正午を過ぎた頃

ジオラマガール
感情を表に出せないまま
幸せそうに見えた世界は
フィクションだったの?

ジオラマガール
本当の世界を見せてよ
なんて、愚痴をこぼしても

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残像思念

自販機一つないホーム
ベンチに座り、うわの空
頼りにならない街灯が
チカチカ、時折り
熱風が通り抜ける

各駅停車のアナウンス
流れる、冷や汗がじわり
真夏の夜が見せた
残像思念

問いかけた答えは
今もまだ返ってこない
相も変わらず僕は
この風景に住み着いたまま

電車から降りてすぐに
階段を駆け降りる
振り払え、憂鬱を
考えられなくなるまで
走れ、光のように

ひたすら帰り道も
わからなくなる

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Milky way

待っていてよ、夜空の星
追いかけていくから
今なら流れ星より
自由に早く飛べる

大昔だったなら、
気球に乗って、果てしなく続く
大気圏を見上げていたんだろう?

奇跡がぶつかり合って
未来で答え合わせして
そうして常識が増えていく

僕らの生きてる時代も
さらに遠い未来なら
宇宙にだってターミナルが
あるのが当たり前だろう?

Milky way行きのチケットを
握りしめて、僕たちは
胸に空いた

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