ジオラマガール

果てしなく続く水平線
向かう少女の
足取りは深い海の底
その素顔は
もう二度と知る事のない
秘密のスクランブル

学生証に挟まれた家族の
ポートレート
肩までのポニーテール
スカートの丈は膝下で
キラリ、光る
セイコーの時刻は
正午を過ぎた頃

ジオラマガール
感情を表に出せないまま
幸せそうに見えた世界は
フィクションだったの?

ジオラマガール
本当の世界を見せてよ
なんて、愚痴をこぼしても
返ってくるのは波の音だけ

「もう一度、確かめてくれたら
教えてあげるから」
…声が聞こえたような気がした


恋愛映画は、実は少し苦手、
プレゼントは嬉しいけど
2人きり、屋上の隅で

少しずつズレていく会話
秒針の進み方まで
遅くなったみたい

すぐに始まる
自分語りに彼女は
うんざりしてる
結局、僕のせいかな?

ジオラマガール
本当のセリフを言えないまま
決められたドラマの笑顔を
浮かべるだけ

ジオラマガール
本当の声を聞かせてよ
冷たい水の中より
大事にするから

どこかで、また巡りあえたら
今度こそジオラマを抜け出そう

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