朗読詩 箱舟の子

君は叫んでいた
「誰か、僕の話を聞いてください
世界が海に沈むほどの大雨がきます」

扉を叩いて、窓を開けて
ただ君は、君は、
居場所が欲しかった

蔑んだ目
お前は嘘つきの子供
2人の親に見捨てられた
傷だらけの男の子

少しずつ増えていく雨粒の音
焦りに満ちた夜がくる
どうか、目を覚まして、
星が消える前に

蔑んだ目
お前は可哀想な子供
ねじが足りない
欠陥だらけの男の子

離れ離れになったあの日を
涙の中で思い出す
2人の優しい眼差しを
見えないポケットにしまっている

蔑んだ目
お前は愛のない子供
悲しみも嬉しさも感じない男の子

次の日、街はさらわれた
大きな波にさらわれた
君は船で揺れていた
私と一緒に揺れていた

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