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その饗宴に招かれたい

その饗宴に招かれたい

さて、今回は好きな文学作品について語ろうと思います。なぜあえて小説ではなく文学作品かというと、一番好きな作品が戯曲だからです。
非常に有名なその戯曲は、ドイツに伝わる伝説を元に書かれたゲーテの代表作、「ファウスト」です。子供の頃から繰り返し飽きるほど読み返した、長大で不思議な世界観の物語です。これほど強く惹きつけられながらも謎な作品は他にありません。

「ファウスト」は手塚治虫が何度か漫画化してい

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【ぶんぶくちゃいな】「利用」されるネット暴力――母はなぜ死を選んだか?

中国では、6月1日は国際NGO「国際民主婦人連盟」(WIDF)が制定した「こどもの日」に合わせて、この日小学校が一斉に休みになり、子どもにまつわるさまざまなイベントが企画される。

とはいえ、働いている親たちは休みを取らない限り仕事は休みにならないので、今やどれだけの家庭で子どもの日が祝われるのかはあまりわからない。それでも学校を含めて子どもたちを取り巻く環境はお祝いムードに包まれるので、人々の心

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【ぶんぶくちゃいな】デズモンド・シャム「ぼくは共謀者−−中国の政治、ビジネス、そしてカネ」(後編)

【ぶんぶくちゃいな】デズモンド・シャム「ぼくは共謀者−−中国の政治、ビジネス、そしてカネ」(後編)

今回は「ニューヨーク・タイムズ 中国語版」編集長の袁莉さんが展開するポッドキャストから、日本でも今年刊行された『レッド・ルーレット 私が陥った中国バブルの罠 中国の富・権力・腐敗・報復の内幕』著者、デズモンド・シャム(沈棟)氏のインタビュー後編をお送りする。

前編はこちら:

温家宝夫人と密接な関係のもと、中国政府トップの人脈やカネ、そしてその生活ぶりを暴いた同書は貴重な証言が詰まっており、温家

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【ぶんぶくちゃいな】デズモンド・シャム「ぼくは共謀者−−中国の政治、ビジネス、そしてカネ」(前編)

【ぶんぶくちゃいな】デズモンド・シャム「ぼくは共謀者−−中国の政治、ビジネス、そしてカネ」(前編)

新型コロナもすでに落ち着き、世界はまた経済の話題が大きく盛り返してきた。

中米の緊張関係は直接世界経済の緊張感を生んでいるし、ロシアによるウクライナ侵攻もまたエネルギー価格の高騰を引き起こし、経済に二次、三次的な影響をもたらしている。バイデン米大統領は広島G7サミットの後、国内の財政問題を解決するために他国の訪問をキャンセルし、きびすを返して帰国した。

毎日チェックしている中国のニュースでも、

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【ぶんぶくちゃいな】「スラムダンク」も巻き込まれた、中国映画業界の興行マジック

5月3日、中国では日本よりひと足早く、4月29日から始まったメーデー5連休が終了し、4日から多くの人たちが職場に復帰した。

同時にこの5連休の消費統計が発表され、政府系メディアは派手に「メーデー休暇の成果は中国経済の底力を示すものだ」と騒ぎ立て、景気回復ムードをイメージ付けようとしている(https://bit.ly/3B2YHbv )。

連休ごとにその消費の「成果」を政府系メディアが喧伝する

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119 中国コンテンツをとりまく規制と創造の現場

119 中国コンテンツをとりまく規制と創造の現場


日本から見ると、中国は世界でもっとも言論統制が厳しい国だと思われがちだが、そうではない。世界のそれぞれの国に事情があり、日本に比べて基準が厳しい、あるいは緩いという相対的なものでしかない。日本は世界で有数の基準が緩い、あるいは比較的作者が自由に作品を発表できる国だと感じる。もちろん出版社の判断は介在するが、国が出版物の内容をひとつひとつチェックすることはない。

実は中国も、出版段階で国がチェッ

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魔道祖師:魏無羨は誰に殺されたのか

ネタばれ満載ですのでNOネタばれの方はそっ閉じお願いします。

アニメ→原作→ドラマと全履修して、いまだにリピーターでもあるんだけれども、私の中で解決したい疑問がいくつかあったので、それを整理してみようと思いたち、メモを取り始めたら止まらず、気が付いたら明日ゼミ発表ですかぐらいの勢いでまとめておりました(笑)
その結果、これって、実はそんな悩むほど難しいことでもなかったかなと思いつつ、自分なりに納

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陳情令の砂時計は、はじまりの最終回で「ほんとうのこと」に少しだけ近づけた気がした

「陳情令」という作品に心を奪われて音楽との融合性のあの世界観の虜になるのに時間は必要なかった。にも関わらず、陳情令の「本質」を指先にほんの少し触れたと思えたのは最終回間際のこと。

「初めて観る」ことの楽しさはやはり何事にも代え難い経験で感動を覚える。

なので観ていない方は、ネタバレをかいくぐりながら先入観なく観てもらいたいので。

下記は、ぜひ読まないで欲しい。

先日の金曜日0時、ドラマ陳情

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