わたなべじゅんこ

森で迷子になっている俳句屋さんです。http://junkwords.jugem.jp/

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最近の記事

24 六分儀句会 卯月の段

6. 頭ん中あれもこれもと春始動 (明定朝子)6点 ◎ 小林少年 意思とは関係なくいろんなものがモゾモゾと動き出してしまう。「いよいよ」という気持ちもどこかで後押ししている。春ですねえ。 ◎ 六平 実感。 句の勢いがいい。 ◯ 美稲しょうこ とてもよくわかる気持ち。春になったらやりたいこと、やるべきことであっぷあっぷしてきます。「春始動」これはそうこうしているうちに春は動き出してしまったのか、それとも自分も動き出しているのか、どちらにも受け取れますね。ちなみに私は前者になりが

    • 24 六分儀句会 弥生の段

      いかにも春らしい句に好感が集まりました。 36. 春の昼さっきも読んだ数ページ (美稲しょうこ)9点 ◎ 黒田さつき 春眠ですね〜🤣 ◎ わたなべじゅんこ ぼんやりしていて上の空。同じところを繰り返し読んでは自分でも笑ってしまうような。春らしい気怠さの見える光景。 ◎ 髙橋梨華子 あたたかくてうとうと、静かで春らしい午後の様子がいいですね ◯ 仲田陽子 何度読んでも頭に入ってこない文章ってありますね。春の昼ならなおさらね。 ◯ 山本たくや 暖かくなってきて、微睡んでいるよう

      • 24 六分儀句会 如月の段

        36. 春めくや十を待てないかくれんぼ (佐々木ふく)7点 ◎ 岡田朋之 春めくやと、書かれている描写がつきすぎずによい。子供と春というのもありきたりではあるけどやはり相性が良いように思います。 ◎ わたなべじゅんこ はっちゃけて飛び出して、こどもたちも動物たちも木の芽も。躍動感を感じます。 ◎ 仲田陽子 十をかぞえる間のもどかしい感覚の待ち切れなさが春隣という季語と合っている。 ◯ 美稲しょうこ 春めいてはいるけれどまだ完全に春とは呼べず逸る気持ちで春を待っている様と、かく

        • 24 六分儀句会 睦月の段

          この句会も3巡目をめぐり終えて4巡目に入りました。いろいろ思うところ合って投句数と選句数を3句に減らして次へ向かいます。ぼつぼつですが、のんびりまったりのなかにぴりりと光る一句が見つかれば幸いです。(2023年の冊子も鋭意制作中!) 27. とりあえず食べるお節の何物か (久留島元)4点 ◎ 仲田陽子 お節料理にはお節でしか見かけない食材もちらほら。きっとチョロギという食べ物では?と思った。 ◯ 佐々木ふく 凝ったものが色々と入っているお節ですね。もしかしたら市販のものかも

        24 六分儀句会 卯月の段

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        • 六分儀句会記録
          40本
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          6本
        • あるばむ
          1本
        • 21015熊本
          1本
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        • そとねこさん
          3本

        記事

          23 六分儀句会 師走の段

          何かし忘れたことがあると……。大事な句会録出し忘れていましたm(_ _)m トップがくるくる変わるところがこの句会のいいところ。ビリヤニ50人前。豪勢だ😍 53. ビリヤニを五十人前年つまる (仲田陽子)5点 ◎ 芳野ヒロユキ 主体はビリヤニを作っている人として読みました。年つまるは関西では普通に使うのでしょうか。そこらへんがよくわからないのですがもしそうならいいと思いますがそうでなく、単に季語であるならば切羽詰まった感じを説明してしまうのでもったいないかなと。もっと時間的

          23 六分儀句会 師走の段

          23 六分儀句会 霜月の段

          気がつくとあと一ヶ月足らずで今年が終わりますね。恐ろしい。 10. 草の花殺した人の訃報くる (岡田朋之)5点 ◎ 山本たくや 己が犯した罪を隠している怖さがある。それに加えて、上五ではしれっとした感じで「草の花」を配しているあたりが、さらに怖さを助長している。ある種のサイコパスさを感じてしまう。 ◎ 仲田陽子 殺した人とは存在をということだろう。そんな人の訃報を聞いたとて今更…なんだけど、なんとなく胸がざわめく。 ◯ 小林少年 「草の花」が、なんとなく殺風景な、それでいて

          23 六分儀句会 霜月の段

          六分儀句会23 神無月の段

          トップが点を引っさらった。 ちなみにあとはおおかた「ドングリの背比べ」ですが、それぞれに入る経験値は侮れない模様👻 3. 飼い犬のひつぱるちから大花野 (佐々木ふく)8点 ◎ 美稲しょうこ あの犬、この犬、それぞれのちから。どのちからも愛おしい。生きている犬も、生きていた犬も。 ◎ 山本たくや アホ犬?かしこ犬?どっちにしても、「大花野」を前にしては犬も理性を保てない。だからこそ、愛らしい。 ◯ 黒田さつき 🐶ここに連れてきたかったんだ〜🌸🌸🌸 ◯ 小林少年 野原に来て、犬

          六分儀句会23 神無月の段

          六分儀句会23 長月の段

          久留島氏一人勝ち!脂がのってますね(*^O^*) 41. カマキリが遊具パンダの尻の上 (久留島元)6点 ◎ 小林少年 「ン? ここはどこ?」というカマキリの顔が浮かぶ。まわりの公園の光景などいろんなことが連想されてきます。鼻の上などではなく尻の上がいいです。パンダの尻は、本物はふさふさしているけど、これはきっとツルツルで、少してかってさえいる。思っていたのと違う、と戸惑っているカマキリ。 ◎ 佐伯一馬 あまり人が来なくなった遊具のパンダはカマキリのアトラクションに。ほんの

          六分儀句会23 長月の段

          六分儀句会23 葉月の段

          暑さが続きますね。体調管理に気をつけてよい夏をお過ごしください(*^O^*) 55. 敗戦日皆バラバラの方を見る (佐々木ふく)6点 ◎ 山本たくや 「バラバラ」がこの句の肝かなと思います。「皆」それぞれが「敗戦日」に対して想いを馳せているとも読めるが、一方で、この「皆」の中には「敗戦日」に関して無関心だったり気にもとめていなかったりする人もいるとも読める。それはやはり、「バラバラの方を見る」の言葉があるからこそ、生まれる効果。解釈の幅のある、良い一句です。 ◎ わたなべじ

          六分儀句会23 葉月の段

          六分儀句会23 文月の段

          遅くなった遅くなった!遅刻遅刻~!!!!!!!!! さっちゃんがかっ飛ばす夏本番です(*^-^*) 79. 地球儀をくるっと回せば夏の海 (黒田さつき)6点 ◎ 小林少年 「くるっと」地球儀を回した瞬間、周りが夏の浜辺に変わった。もう今は夏。キラキラ光る紺碧の海が、鮮烈に飛び込んでくる。回り舞台のような場面転換がたのしい。地球儀を回して「夏の海」を想う、とは読みたくない。 ◎ 佐々木ふく 地球儀の海に、実際の夏の海のイメージが重なる。本当に窓から見えているのかもしれないし

          六分儀句会23 文月の段

          六分儀句会23 水無月の段

          ひと月が速い速い……。 わりと飯テロ句も多くて(笑) 「ピーマン切って中を明るくしてあげた 池田澄子」と真逆のベクトル句?なども。 26. ピーマンの中へ本音を詰めてやる (仲田陽子)5点 ◎ 明定朝子 本音って言えない事あるのよね。ピーマンの肉詰めの中に入れて食べるしかないね。 ◯ 黒田さつき どんな本音やねん🤣 ◯ 髙橋梨華子 怒りかもしれないけど、深刻な感じではなくかわいらしさも。 ◯ 岡田朋之 ある種のリアリティがある句。主婦か主夫の気持ちなのか、あるいは母か父親

          六分儀句会23 水無月の段

          六分儀句会23 皐月の段

          「いちご白書」という映画があった?青春性の象徴みたいに語られてきた?そういう歌もあった? そんなことをふと思い返しました。失われた「時間」は戻りませんね。 36. 先生についてぞろぞろ風薫る (久留島元)8点 ◎ 芳野ヒロユキ ぞろぞろと風薫るの青葉若葉のイメージが新鮮。 ◎ 山本たくや 京都市内に住んでいると、今の時期に修学旅行生の一団をよく見かけます。そんな光景と、「風薫る」がよくマッチしているなと感じました。 ◎ 明定朝子 小学校1年生かな。迷子にならないように前を向

          六分儀句会23 皐月の段

          六分儀句会23 卯月の段

          今回は4点句のみで。今回は点がばらけました。 10. るいるいと春のはやさでゆくひかり (わたなべじゅんこ)4点 ◎ 久留島元 るいるい、っていう擬音なんか好きなんですよね。よくわからないんですが。春のはやさもよくわからないんですが。二月にげる。三月さる。 ◯ 明定朝子 意味は分からないけどるいるいって春にぴったりの言葉かもしれませんね。 ◯ 小林少年 「るいるい」がいいですね。しかも走っているのは、「ひかり」、いかにもほどよい昭和の速さです。 15. 古本に死者への手紙

          六分儀句会23 卯月の段

          行為と好意――百鳳山での巻狩「木」・「目隠し」 etc.――藍湛と小龍女

          いつの間にかたくさんスキを頂戴していましてありがとうございます。さすが魔道祖師とたじろいでいます。 アニメ吹替版の完結編も放映が始まったかと思うととうとう最終話まで漕ぎついたようです。まさかほんとうに終わるのかとかなりの衝撃を受けています。 それはそれ、このマガジンも更新したいと思いつつなかなか読書もすすまずにいますが、『神鵰義侠』1巻の中でうわーと思ってメモっていたものを書いておきます。まとめようと思って取り散らかしたままになっていたものなので、わかりにくかったらごめん

          行為と好意――百鳳山での巻狩「木」・「目隠し」 etc.――藍湛と小龍女

          六分儀句会23 弥生の段

          年度末のあれこれ些事のお片付けですっかり失念しておりました。月月年年過ぎ去る速さは加速化していきますが、もう一気に残りも巻き取ってほしいと思いつつ、春です。 34. 去る人の足跡ばかり水温む (岡田朋之)6点 ◎ 山本たくや 今回の中でダントツに良かったです。「卒業」というワードを使わずに、そういう景を上手く表現されていると思います。「水温む」季節に「去る人の足跡」が多いのは、めっちゃエモい。単に「卒業」だけでなく、退職など春特有の「別れ」を上手く押さえて表現している。 ◯

          六分儀句会23 弥生の段

          六分儀22 できました✨

          六分儀22 できました✨