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エッセイとノンフィクション、日記とか雑文、駄文も

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過去に書いたエッセイやノンフィクションをまとめていこうと思います。身バレ防止の為、ほとんどの作品で、随所に創作を交えております。 あと、日記のような雑記とか雑感なども、適度にフェ…
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#エッセイ

彼女達のピアノ 第1話

彼女達のピアノ 第1話

第1話 『彼女の記憶』 年齢を重ねるということは、未体験ゾーンに足を踏み入れることと同じなのかもしれません。予めその世界を学び、イメージすることは出来ても、予め体験しておくことは決して出来ないのです。
 そして、それは、人生に限った話ではないでしょう。あらゆる動物も植物も……もっと言えば、国も街も海も山も科学も音楽も、みんな一緒なのです。
 勿論、ピアノも。



 もう、何年も前の話です。当

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心身一如

「心身一如」なんて言葉もありますけど、心と身体、つまり精神と肉体は一体であり、分けることは出来ないものである、という考えは、東洋文化に根付く思想かもしれません。
 東洋医学、仏教、ヨガなどに共通した考えで、心と身体を分別させず、一つのものと捉え、両面性や相補性を重視するものです。

 一方の西洋文化は、宗教でも医学でも、基本的には心と身体は切り離して考えられてきました。
 元を辿れば、デカルトの「

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ショートエッセイ集

久しぶりに朝から活動出来ており、やることもないので書きかけてたエッセイを短くまとめて、ショートエッセイ集にしました。
四作合わせて2,400文字ぐらいです。

⑴睡眠障害ですと?

 頭が悪いのでは? と疑われて、頭部MRIを受けたのですけど、幸い脳には何の異常もありませんでした。きっと、頭は悪いはずなんだけど、MRIでは正常らしいのです。
 頭が悪いのでよく話が飲み込めませんが、飲み込めないのは

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金魚鉢のセレブ達

(本文約3,000文字)

 金魚鉢で金魚を飼ってはいけない……2016年、イタリア北部の都市、モンツァ(Monza)でこんな法律が定められました。その理由は、金魚鉢の形状にあります。そう、金魚鉢は球状に全面が湾曲しているからダメなのです。
 ん?だから何? と思うかもしれませんが、湾曲した壁に囲まれた空間で飼われる金魚は、外の景色が常に歪んで見えるからすごいストレスになって可哀想じゃないか! と

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似非エッセイ『十二月』(#シロクマ文芸部)

似非エッセイ『十二月』(#シロクマ文芸部)

(本文3,640文字)

 十二月は「師走」と呼ばれるように、「師」の付く職業が忙しい月……と小学生の頃、担任教「師」は言いました。とっても素直な小学生だった私は、ずっとそう信じていました。
 いつしか私も「師」の付く職業に就くようになり、十二月が忙しくても「師走」だから仕方ないね、と諦めていたのですが、最近になり、なんと「師走」の「師」は「師の付く職業」のことではないらしいことを知ったのです。ど

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ニョッキ作ったよ

ニョッキ作ったよ

 先日のハロウィンの夕食に、息子からのリクエストでニョッキを作りました!
 一ヶ月ぐらい前にお客様にいただいたカボチャがありまして、ホームセンターで購入した斬鉄剣でカットして使うことにしました。

 イタリア時代、社長の自宅で働いていたお手伝いさんがめちゃくちゃお料理がお上手でして、優しくて陽気で楽しい方だったので直ぐに仲良くなって、本場イタリアの家庭料理を色々と教わりました。
 彼女は、フィリピ

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大きな栗の木の下で

大きな栗の木の下で

 童謡「大きな栗の木の下で」は、誰でも知っている曲でしょう。お決まりの振付を伴う「遊び歌」としても有名です。

 子どもの頃、当時から捻くれ者だった私は、このタイトルは日本語として不正確ではないか? というイチャモンを先生にぶつけたことがあります。
 つまり、大きな「栗の木」なのか、「大きな栗」の木なのか、どっちやねん! ということです。

 どちらにしても、栗の木であることは分かります。でも、「

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オーディオマニアとの闘い

オーディオマニアとの闘い

 今回は、約二十年前——まだ私が楽器店の正社員として働いていた時のお話になります。当時のお客様の中に、誰もが調律に行きたくなくて、罰ゲームのような扱いで担当を決めないといけない方が一人いました。その方の名前を、ここでは仮に岸田さんとしましょう。
 岸田さんは、当時は五十代前半の独身男性。それだけを聞くと、ネガティブなイメージを抱く方もいるかもしれませんが、ところがどっこい(死語?)、彼は客観的に見

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小手毬(雑文です)

小手毬(雑文です)

 今の住居に越してきた時、記念に小手鞠の苗を植えました。何となく雰囲気が合いそうな印象だったのと、植える場所がやや陽当たりが悪く、選択肢が限られている中、(クリスマスローズも考えたのですけど)ある程度の高さも欲しかったので、何となくの印象を採用しました。十年以上も前のことです。

 結論から言いますと、小手毬と場所との環境適正は完璧だったようです。地植えなので大した世話は何もしていないのに、我が家

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