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小1~小3男子の「5人に1人」が「ゲーム依存」の疑いがある件

▼読売新聞の「医療ルネサンス」は、目立たない連載だが、なんと7000回以上も連載している。いい連載である。

6月6日付は「ゲーム依存と回復」の、全5回のうち4回目。

鹿児島の増田クリニック院長、増田彰則氏のインタビュー。竹井陽平記者。

増田氏によれば、2014年から、スマホゲーム依存の子どもが急増したそうだ。以下の記事を読むと、これまで知らなかった人はショックを受けると思う。といっても、もうタイトルにしちゃってるけども。

〈ーー2018年、鹿児島県内の子どもたち約1万2000人を対象に、米国精神医学会の診断基準に基づく大規模調査を行いましたね。何がわかりましたか。

「小学1~3年生でネット・ゲーム依存の疑いがあるのは、男子で20%、女子で13%でした。2年前の同じ調査に比べ、低年齢化が進んでいます」

「乳幼児約5200人については、ゲームで1日1時間以上遊んでいるのが、5歳児の15%以上、6歳児の25%以上でした。ゲームをやめさせようとするとイライラする子どもの割合も、2~6歳の全ての年齢で2割を超えました」

ーーどうすれば治療できるのですか。

「小中学生の場合、友人関係をうまく築けない、授業についていけない、家庭内でトラブルを抱えているーーなど、自己肯定感を持てない『心の隙間』に、ゲームがはまり込みます。ゲームを取り上げるだけでは回復しません」〉

▼結局、〈本人が、自分は病気だと認識し、治りたいという強い意思を持つことが重要です〉ということなのだが、依存はまずもって「否認の病」である、ということを確かめる記事が多い。

▼スマホを持たせるのは遅いほうがいい、という話を以前紹介したが、そんなのは理想論で、子どもが泣いたり騒いだりしているときに、スマホとかテレビのほかにどうやって静かにさせるのか、という声も多い。

先日も書いたが、「持てる者」と「持たざる者」との格差、という構図は古いのかもしれない。「持っている」から病気になるわけだ。

▼どんどん「技術」が「心」に食い込んできている。

何を「持つ」のが幸福なのか。問われているのはおそらく一対一の「関係」だと筆者は思うのだが、どうだろうか。

(2019年6月8日)

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