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先生が先生になれない世の中で(32) ~マニュアル化する社会の中で②:『不適切にもほどがある!』~
「おい、そこのメガネ! 練習中に水飲んでんじゃねぇよ! バテるんだよ水飲むと! けつバットだー! 連帯責任!!」
時は昭和61年(1986年)、中学教師で野球部顧問の小川は、地元では「地獄の小川」として恐れられる存在だ。選手がエラーしたら「うさぎ跳び一周」、体罰は「愛のムチ」、教室でもタバコスパスパ……。そんな主人公がある日バスを降りたら、令和6年(2024年)にタイムスリップしていた……。これ
「会社」がコミュニズムを準備する?!〜『ここにある社会主義』第1章を無料公開(3/3)
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前回(第1章前半)はこちら
人間性の開花
では社会主義は、なぜ人々が社交しコミュニケートする社会をめざすのでしょうか。それは、そのような社会でこそ人間は自己実現できるからです。自己実現は、潜在能力の自由な現実化と外面化という二つの要素からなります*1。
潜在能力の自由な現実化とは、自分のもてる潜在能力を自由に、納得がいくまで発揮することです。どのよう
資本主義は、実はコミュニズムの基盤の上に成り立っている? 『ここにある社会主義』から第1章を無料公開(2/3)
前回(まえがき)はこちら
第1章 ここにある社会主義社会主義はどこにでもある
読者のみなさんのほとんどは「社会主義」について、自分たちの生活とは異質なものであるというイメージをもっているでしょう。人権や民主主義を推進している進歩的な人々でも、「社会主義」はそれらを抑圧する体制であるという印象を抱いていることが少なくありません。今日の日本では「社会主義」に対する否定的な印象がとても強いようです
「新しい資本主義」じゃなくてこっちでしょ。『ここにある社会主義』まえがき〜第1章を公開!(1/3)
著者について
松井 暁(まつい さとし)
1960年生まれ.専修大学経済学部教授.専門は経済哲学,社会経済学.
主な著書に『自由主義と社会主義の規範理論――価値理念のマルクス的分析』(大月書店,2012年),Socialism as the Development of Liberalism: Marxist Analysis of Values(Palgrave Macmillan, 2022
【大月書店通信】第174号(2023/7/31)
連日の猛暑日、そして各地で相次ぐ水害。まさに『地球が燃えている』(ナオミ・クライン著、2020年)を実感するような今年の夏です。
同書でも強調されている通り、世界的な気温上昇を1.5℃に抑えるために取り
うる対策のタイムリミットは2030年。同書刊行時は「あと10年」でしたが、
すでに残り7年です。「化石賞」を何度も贈られている日本政府も、そろそろ危機感を持ってほしいものですが……。
それはさ