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世界の龍の話


世界の龍の話

 世界の龍に関する民話を集めた本です。全部で、九十話あります。

 ただし、世界といっても、ほとんどがユーラシア大陸のものです。アジアとヨーロッパですね。アフリカ・オセアニア・北米の話は、一つもありません。

 南米の話も、三つだけです。それらは、すべて、ヨーロッパ文化に影響された龍の話です。

 この本の編著者の考えでは、「龍とは、ユーラシア大陸の文化に登場するもの」だそうです。このため、このような民話の選び方になったのですね。

 この考えには、異論がある方が多いでしょう。私も、そうです。
 けれども、それを差し引いても、これだけの民話を集めたことには、敬意を表します。世界各国から、九十もの龍の話を集めた本は、そうそう、ありません。

 前記のとおり、民話の地域に偏りがあるために、満点とは行きません。でも、龍を知るためには、とても良い本の一つです(^^)

 以下に、この本の目次を書いておきますね。
 どの地域から、どのような話が選ばれたのか、参考になると思います。

はじめに
序 世界の龍の話

東洋篇

 日本【説話集】
  一 天狗に捕まった龍王の話
  二 観音様を信仰した男が龍宮に行って大金持ちになった話
  など
  解説

 日本【奈良】
  一 龍腹寺【りゅうふくじ】の由来
  二 龍象寺【りゅうしょうじ】の龍伝説
  など
  解説

 日本【沖縄】
  一 龍の秘密
  二 天の神と龍宮の神
  など
  解説

 韓国・北朝鮮
  一 虎が見つけてくれた「龍が遊ぶ明堂【ミョンダン】」
  二 寶壌【ポヤン】と梨の木
  など
  解説

 中国【漢民族】
  一 震沢の龍女
  二 龍女と三郎
  など
  解説

 中国【少数民族】
  一 緑桃村の龍母伝説
  二 七つ星の肩掛け
  など
  解説

 インド
  一 ブッダの龍退治
  二 ナンダ、ウパナンダ龍王の話
  など
  解説

 ペルシア
  一 尻尾を切られた龍
  二 指先だけでも倉庫一杯でも塩は塩
  など
  解説

西洋篇

 イングランド
  一 聖ジョージの龍退治(1)
  二 聖ジョージの龍退治(2)
  など
  解説

 ウェールズ、スコットランド、アイルランド
  一 マーリンと二匹の龍
  二 空飛ぶ蛇
  など
  解説

 ドイツ
  一 ゲルデルンの怪物
  二 龍ヶ岩に棲む龍と処女
  など
  解説

 デンマーク
  一 レンオーの龍
  二 龍の財産
  など
  解説

 フランス
  一 シャヴォンヌ湖の白い龍
  二 ヴィーヴル蛇のダイヤモンドの目
  など
  解説

 スペイン
  一 三匹の犬を連れた老人
  二 アストゥリアスの龍
  など
  解説

 バスク
  一 エレンスゲ
  二 龍
  など
  解説

 南米
  一 アトゥルアロドという女性とブトリク龍
  二 子どもとジャガー
  など
  解説

主要参考文献
出典
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